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世界最後のV10は驚異の加速!? 二度と出ないランボ! ウラカンSTOの咆哮

 もうこんなスーパーカー二度と出ないこと必至!! イタリアの名門、ランボルギーニが誇るウラカンSTO。

 5.2Lの大排気量にV10というマルチシリンダーかつNAエンジン。電動化迫るなか、まさにエンジン車の工芸品ともいうべき珠玉の心臓部は果たしてどのようなエキゾーストノートを奏でてくれるのか? レーシングドライバーでもある筆者が全開で走らせた!!

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文/松田秀士、写真/Lamborghini

[gallink]

■純レーシングモデルの性能と伝統を受け継いだロードカー

2台の性能と伝統を受け継ぎ公道を走れるロードカーとして開発されたのが、今回富士スピードウェイで試乗したウラカンSTO

 ランボルギーニ ウラカンの純レーシングモデルにはウラカン・スーパー・トロフェオEVOとGT3 EVOの2台がある。

 スーパー・トロフェオEVOとはウラカンによるワンメークレースシリーズのために開発されたマシン。GT3 EVOはデイトナ24時間やセブリング12時間など、プロフェッショナルレースに出場するために開発されたマシンだ。この2台の性能と伝統を受け継ぎ公道を走れるロードカーとして開発されたのが、今回筆者が富士スピードウェイで試乗したウラカンSTOだ。

 実は筆者(松田秀士)はもともとレーシングドライバー。マカオGP(F3)、グループA、F2、F3000、グループC、GT選手権(スーパーGT)100戦以上出場、インディ500(4度出場)、ルマン24時間、スパ24時間、デイトナ24時間、ニュル24時間とまぁいろいろ乗ってきた。しかし、ここんとこコロナもあって富士スピードウェイのような本格サーキットを走る機会もなく、今回はスーパーマシンでの本格サーキットドライブ。いつものジャーナリスト目線ではなく、プロレーサーの立場からインプレッションしてみようと思う。

■驚きを禁じ得ない驚異の加速力 

ミドにマウントされた5.2L・V10エンジン。640psという最高出力とともに、凄まじい加速力を発揮

 まずウラカンSTOの出で立ちだ。派手だ! これで公道を走れば目立つこと必至! ま、ウラカンはこのSTOでなくとも目立つ。その中身は自然吸気の5.2L・V型10気筒で640ps/565Nmを発揮する超強力エンジン。

 ランボルギーニはほとんどのモデルが4WDであるが、このウラカンSTOはMR(ミッドシップ後輪駆動)なのである。後輪2輪で駆動して0~100km/h加速は3.0秒、0~200km/h加速は9.0秒という恐ろしい俊足。実際、今回の試乗では後者の0~200km/h加速、さらにその上の285km/hまでの加速力に驚きを禁じ得なかった。

 走り出そう。室内には座席の後ろに横転時の安全のための太いロールゲージがさりげなく組み込まれている。確かに、STOは一般公道だけではフラストレーションが溜まる。まずアイドリングからレーシーなノイズ。空ぶかしたサウンドは夜中禁止のボリュームだ。これではサーキットを走らなくては意味がない。ロールゲージはそのために最低限の安全装備を施してあるのだ。

 シートはレーシーなバケットタイプ。フィーリングは硬くしっかりとボディをサポート。電動パワーなどはなく手動式スライド。ドライビングポジションは小柄な筆者にはステアリング位置が高く少々前方が見にくかったが、もしかしたらハイトアジャスターがあったのかも?

 試乗は先導車に引っ張られての方式だったが、最後となった3回目の1周のみの試乗は先導車が全開! しかも欧州レース経験豊富! ドラポジがイマイチだったこともありちょっと焦ったが、筆者も気持ち良く全開で突っ走る。ストレートエンドではなんと285km/hを記録。安全のため早めのアクセルOFFを行ったので、あのまま200m看板まで全開だったら290km/hは超えていただろう。

 最初から結果を言ってしまったが、驚愕だったのは2速で最終コーナーを立ち上がりコーナリング中に9000rpmのリミッターが作動。忙しく右パドルを引きシフトアップ。3速もあっという間にリミッター! 4→5→6→7速と追い立てられるようにどんどんシフトアップ。特に5速→6速にシフトアップした瞬間が235km/h(6速/6800rpm)。ここから6速でトップエンドの9000rpm弱までに280km/hに到達する。この間約45km/hの加速なのだけれど、超高速で空気抵抗も強烈なはずなのにグイグイと引っ張る。

 これには外装パネルの75%以上がカーボンファイバー製であることが大きい。特にフロントエリアはフロントバンパー、フロントフェンダーさらにボンネットまでもが完全一体モノ。普通のウラカンはフロントに小さなトランクがあるから、これには驚愕! 荷物積んで旅行なんてありえない。しかもボンネットには冷却用の大きな排気ダクトが開けられている。

 フロントは継ぎ目のない一体成型によって軽量化とエアロダイナミクスを最重要視しているのだ。ちなみに車重は1339kg。パワーウエイトレシオは2.09kg/hp。その走りに徹する思想はリアフェンダーにも。航空宇宙業界で活用されるカーボンファイバーのサンドイッチ構造を採用しているのだという。

■内燃機関で思いっきり楽しめるランボルギーニは最後になるのか!? 

公道を走れば目立つこと必至! その見た目以上に、中身は本物だ

 筆者、プロレーシングドライバーの視点からもう一つ注目すべきモノがある。リアウィングだ。奇抜で宇宙観の漂うデザインだが、この2枚の翼。上面翼を3段階にセットすることができる。最大13%車体の空力バランスを変更できるのだ。

 今回の試乗ではハイダウンフォースセッティング。これウラカン・ペルフォルマンテ比でダウンフォースが53%もアップしているとのこと。それゆえ300Rはもちろん全開! 100Rももっと攻め込みたい誘惑に駆られた。つまり、もう完全にレーサー的脳内活性ホルモンが大放出だったのだ。正直、中高速コーナーがちょっとアンダーステア気味だったので、リアウイングをレスダウンフォース仕様に変更してもう一度走りたかった。そうすれば300km/h出てしまうかも⁈

 ま、これは購入するオーナーのお楽しみだろう。

 しかし、電動化! SDGs! カーボンオフセット! と呼ばれる今にあって、電動化ナシ、自然吸気大排気量マルチシリンダーで思いっきり楽しめるランボルギーニは、もしかしたらSTOが最後かもしれない。CO2排出量331g/km。スペックを考慮すれば少ないけれど331g/kmは331g/kmである。いやいや、良いじゃないですか!100万台も走るわけじゃなし。やっぱり内燃機関は楽しい。

もともとレーシングドライバーである著者(松田秀士)

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