■「ファーゴ」から「コモ」に車名変更
突然ですが、いすゞの「コモ(COMO)」というクルマをご存知でしょうか。日産から1トン積みクラスのキャブオーバーバン「キャラバン」のOEM供給を受け、いすゞブランドで販売しているモデルである。
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もともといすゞではカプセルシェイプの1ボックスモデルとして自社開発した「ファーゴ」を1980年12月に投入。1995年8月に日産から「キャラバン(E24型)」のOEM供給を受けてフルモデルチェンジを実施した。
その後、2001年4月にキャラバンがE25型にフルモデルチェンジしたのを機に、ファーゴから「コモ」にネーミングを改めた(2001年5月発表)。いすゞの新しい商用1ボックス車として市場への訴求を図るため、名称を変更したという。
COMOの車名の由来は、商用車としての扱いやすさ、快適さ、経済性、社会・環境への配慮などを表すいくつかのキーワードを組み合わせたもの。具体的には、COmmercial(商業)/COmfort(気持ちよい)/COmmunity(社会)/COmmunication(交通)の“CO”に、MOst(最大限の)/MOve(動かす)/MOde(流行の)の“MO”を組み合わせて「COMO」としたものである。当時、ニーズが高まりつつあった1トン級1ボックス車として、新しい時代を切りひらく商品であることをアピールしたものであった。
■ショーカーはF1エンジンを搭載
ちなみに、このコモというネーミングの初出は、1991年秋の第29回東京モーターショーに出展されたコンセプトカー。乗用車でもなく、RVでもない、グランドスポーツユーティリティという新ジャンルを創出したモデルで、大量の荷物とともに都市からリゾート地への快適な高速クルージングが楽しめる点が特徴であった。
全長4600mm×全幅1830mm×全高1370mm、ホイールベースは2950mmで、ミッドシップレイアウトながら、4人乗車が可能なキャビンと大きな荷室を実現。荷室は着脱式のフードと自動昇降式のバックエンドパネルを採用することで、大型の荷物でも楽に積み込むことができる。半楕円のキャノピーを持つドアはガルウィングタイプである。
エンジンは3500ccV型12気筒エンジンで、当時のF1のレギュレーションに沿って新開発されたものである。いすゞ同様にゼネラルモーターズの傘下にあったロータスのマシン(ロータス102C)に積んで、テスト走行を行ったユニットをショーモデルに搭載した。F1向けのエンジンの型式は「P799WE」で、最高出力765馬力/13500rpm、最大トルク42.0kgm/11500rpmであった。
このショーモデルのネーミングは、保養地として有名なイタリア北部にある湖「コモ湖」に由来している。都市からリゾート地に向かうのに最適なモデルとして著名なリゾート地の名を借りたものであるが、その湖畔が上質なシルクの産地でもあるところから、クルマの持つ高い品質感、美しさ、やさしさが上質なシルクを連想させるということで命名したという。
このように、商用バンの名称とコンセプトカーの時の名称では、由来が異なっている。いすゞでは「商用車の“コモ”と参考出品車の“コモ”は同じ名前ですが、まったく違うコンセプトのクルマです。特に共通性はありません」と説明している。COMOという商標はいすゞが1981年に出願し、所有していたもので、1991年のコンセプトカーに使用。2001年に商用車の商品名として起用したというわけである。ちなみに、商標登録は申請から約9年かかっており、かなり苦労したようである。
■商用バン「コモ」最新モデル
商用1ボックスバンのコモは、2012年にキャラバンのフルモデルチェンジ(E26型)に伴って現行モデルがデビューした。基本的にはキャラバンの改良に合わせてリフレッシュを受けている。キャラバンは2021年10月20日にガソリン車がマイナーチェンジ。これに続いてコモは2021年11月25日にガソリン車がマイナーチェンジを実施し、発売に際して受け付け開始を2021年12月16日から行っている。この時点でディーゼル車の販売は一時中止した。
キャラバンで2022年2月28日に発表されたディーゼルのマイナーチェンジ車については、コモとしては2022年3月30日に注文受け付けを開始。これを機にコモのガソリン車については2022年4月から施行される中量車燃費基準への対応が困難なことから、2022年3月末で販売を終了したという。マイナーチェンジ後のガソリン車の販売はわずか4カ月間だけだった。
基本的にはキャラバンのリバッジモデルということで、ほとんど仕様差はないが、フロントグリルはキャラバンがV字部分をシルバー塗装/メッキ仕様としているのに対して、コモはブラックのみのカラーとしている(上部はシルバー塗装となる)。ホイールはセンターのキャップ部分がISUZUとなり専用品である。ステアリングもセンター部分が専用である。
ラインアップはバンのみで、キャラバンにある上位2グレード(グランドプレミアムGX、プレミアムGX)の設定はなく、若干の装備差はあるものの、基本的にはキャラバンの中級EXグレードがコモでは「LF」、エントリーモデルのDXが「LD」、そのほかパネルバンが設定されている。
なお、2018年にマイナーチェンジを受けたモデルの途中からワイド幅車がラインアップから消えて、2022年3月末で標準幅・スーパーロングボディと4WD車が燃費基準未達のため廃止に。現在、販売されているディーゼル車は標準幅・ロングボディのみの展開になっている。価格は317万4600~349万300円(税別)。
ちなみに、グレード名はいすゞが自社生産していた「ジェミニ」、「アスカ」の時代から使用していたものを踏襲しており、LFは「Luxury Fashion」、LDは「Luxury Deluxe」の意味である。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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