7月18日、静岡県の富士スピードウェイで2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝レースが行われ、13番グリッドから追い上げを見せた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、目まぐるしく変わる天候を味方につけ逆転勝利を飾った。2位にはポールポジションからスタートし、自身初、チームにとってもひさびさの表彰台をもたらしたザック・オサリバン(TEAM IMPUL)、3位には牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。レース後、激闘を繰り広げたトップ3が会見に出席してレースを振り返った。
■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)予選13番手/決勝1位
【ポイントランキング】2026年スーパーフォーミュラ第6戦富士終了後
──予選13番手からの見事な逆転優勝でした。スタート前に描いていたイメージどおりの展開だったのでしょうか。
「可能な限り追い上げられたらいいなと思っていましたし、今日は何かあってもチームが直してくれるというくらいの気持ちで、かなりアグレッシブにいけると思っていました。ただ、抜きにくいスーパーフォーミュラにおいて13番手からのスタートとなると、現実的には行けても7位か8位くらいかなと思っていたので、まさか優勝できるなんてという感じです」
「1周目からのオーバーテイクや、OTS(オーバーテイクシステム)を使うタイミングが完璧に決まり、何のロスもなく前に上がっていけました。鈴鹿でも追い上げて良いレースができたものの、勝てなかった悔しさもあったので、今日こうして勝てたことは非常に嬉しいです」
──終盤はオサリバン選手との優勝争いになりました。相手もOTSが残っている中で、どのように乗り切ろうとしましたか?
「ザック(オサリバン)選手の実力や安定感、スピードは以前から理解していました。一回前に出ないと勝負が決まらない、ピットアウトのタイミングくらいしかチャンスがないと思っていたので、そこにすべてを懸けて前に出られたのが良かったです。そこからは精神戦で、自分はもうOTSがない中で、ひとつもミスが許されない状況でした」
「特にセクター3からホームストレート前にかけてはタイヤがタレてキツく、さらに雨がぱらついて毎周コンディションが変わる難しい状況でした。本当にザック選手にすごいいじめられましたし(笑)、プレッシャーをかけ続けられて、本当に疲れましたね」
──雨が降ってきた際、周囲に比べてペースの落ち幅が非常に少なかったように見えました。あのときの状況や感触、ピット判断の決め手は何だったのでしょうか。
「雨が降ってきたタイミングは、タイムが2~3秒落ちる程度でした。あのときはチームから『お前が一番速いぞ』と無線が入っていました。要因としては、練習走行でわがままを言って、かなり濡れているコンディションでもスリックタイヤで行かせてもらったことが大きいです。チームからは『危ない。スピンやクラッシュをしないで』と止められましたが、そこでグリップの落ち方を予習できていたことが活きました」
「ピットに関しては、雨が止んでしまうと前を走る牧野選手とのペース差がなくなってチャンスがないと感じていました。4番手まで上がっているなかで、ランキングを考えて守るのか、勝ちを狙うのか悩みましたが、最終的には自分からセクター3で『入りたい』とチームに伝えました。それに素晴らしいタイミングで反応してくれたチームのおかげです」
──今回の優勝でポイントランキングでもライバルに差をつける結果となりました。
「正直、ポイントについてはそこまで考えておらず、とにかく今日は追い上げることに集中していました。どちらかというと、明日の2レースに向けて『しっかり勝つ』と切り替えていた部分があったので、今日の優勝は自分でも驚くような結果です。第7戦は第6戦よりも良いポジション(3番手)からスタートできるので、今日以上のパフォーマンスを出して結果を掴みたいと思います」
■ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)予選ポールポジション/決勝2位
──2位という結果は、ご自身やチームにとってどのような意味を持ちますか。
「チームにとっても、僕にとっても、非常に喜ばしい結果になったよ。チームがポールポジションを獲って表彰台に上がることは本当にひさしぶりのことだから、それを今日実現できて嬉しいね」
「優勝ではなかったけど、気持ちの面では優勝したかのように嬉しく思っている。チームは常に一生懸命頑張っているから、その成果が出ることは重要だ。明日はもっと難しくなるかもしれないけど、後半戦に向けてさらに成長していきたいから、ベストを尽くしたい」
──スタートから序盤はリードを保っていましたが、ピットタイミングや太田選手との争いをどう振り返りますか。
「第1スティントは予定どおり進んで、良いペースを維持できた。スティント中盤に雨が降ってきたときには、リーダーとしてどこまでプッシュすべきか難しかったんだけど、ギャップを築こうと努力した。ピットインした後にチームから『太田が迫っている』と言われたときには、彼が後方スタートということを知っていたから『え? 太田?』と驚いたね」
ピットアウト後のアウトラップですぐに抜かれてしまい、その後は残っていたOTSをフル活用して近づこうとしたけど、最後はタイヤがクタクタになってしまい、追い抜くことは難しかったね」
──オサリバン選手は日本で2年目のシーズンです。これまでの自身のキャリアについてはどう感じていますか。
「正直、予想していたよりも厳しい2年だと感じているんだ。昨年はスーパーGTでは好調だったけど、スーパーフォーミュラでは苦戦を強いられた。スーパーフォーミュラは非常にタフなカテゴリーだから、上位勢の厚い壁を破って予選Q2に進むことも簡単ではない。でも、今年は今日のように良い結果も得ることができた。2年目でチームをリードしていく方法も含めて慣れてきているし、TEAM IMPULとともに、着実に成長している実感がある。この調子でどんどんとベストを尽くしていきたいね」
■牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)予選8番手/決勝3位
──3位表彰台という結果でしたが、レース後には悔しさが伝わってきました。今の率直な感想を教えてください。
「内容という意味では、正直『勝てるレースを落としたな』という感想です。序盤から追い上げて、良いレースはできていましたが、雨が強くなったタイミングが自分にとっては厳しかったです。ただ、今シーズン苦戦していた中で、予選と決勝の両方でパフォーマンスが上がってきたことはポジティブに捉えています」
──『勝てたレースを落とした』という要因はどこにあると考えていますか。
「ピットのタイミングに尽きると思います。皆さんがどこまで僕の無線を聞いているか分かりませんが、僕は『アンダーカットさせてくれ』とずっと伝えていました。それがすべてだったのかなと思います」
──ライバルたちがピットに入った後、牧野選手もタイミングを合わせる選択肢もあったかと思います。ステイアウトしてピットインを伸ばした経緯を教えてください。
「ああなってしまった以上、ザック選手が入った後に僕がピットに入っても勝てる未来がなかったので、引っ張らざるを得ない状況になってしまいました。そこも含めて、今回はちょっとうまくいかなかったなと感じています」
──明日の第7戦に向けての意気込みをお願いします。
「午後のレース(第7戦)は2番手からのスタートになります。今はすぐに気持ちを切り替えるのは無理ですが、レースが始まるまでにはしっかりと切り替えたいです。ようやく今シーズン、トップ争いに戻ってこられたと感じているので、高いパフォーマンスを維持して頑張りたいです」
[オートスポーツweb 2026年07月18日]
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みんなのコメント
しかしここは他責てはなく自力で何とかしてほしかったチャンピオンになれるドライバーとなれないドライバーの違いはそこだろう
勝てるべきレースに勝てなかった時は自分を責めるべき。