現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタとBMWの共作「GRスープラ」! カギも室内のアチコチもBMWのままな理由とは

ここから本文です

トヨタとBMWの共作「GRスープラ」! カギも室内のアチコチもBMWのままな理由とは

掲載 更新 14
トヨタとBMWの共作「GRスープラ」! カギも室内のアチコチもBMWのままな理由とは

 カギの形状からエンジン始動直後の警告音までBMW!

 アメリカで2021年モデルを発表、はじめてのマイナーチェンジで最高出力を335馬力から382馬力(北米仕様の数値)へと14%もパワーアップしたことが話題の「トヨタGRスープラ」。日本国内でのデリバリーも着々と進んでいますし、兄弟車であるBMW Z4よりも注目を集めていると感じます。

【試乗】スポーツカー好き納得のトヨタ新型スープラ! 悩ましいのはグレード選び

 そう、ご存じのようにGRスープラは、BMWとトヨタが共同開発をしたスポーツカーで、なおかつ生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が担当するという出自です。そのためか、ウインカーレバーは右ハンドルなのに左側にある欧州車スタイルですし、カギの形状からエンジン始動直後の警告音までBMWと同じものになっています。

 シフトレバーも形状こそオリジナルで工夫していますが、操作感はBMWそのものと感じることでしょう。カーナビなどのインフォテイメントシステムを操作するコマンダーは完全にBMWのそれです。

 ウインカーレバーなどは右ハンドル仕様では右側につけているメーカーもありますし、そこに対応することは技術的には容易と思われます。なぜ、操作系という普段触る部分がBMW流用で差別化していないのでしょうか。

 その理由は開発コストの振りわけ方にあります。仮にウインカーレバーを右ハンドル(実質的には日本仕様)だけ右側に移すことは技術的な難しさはないわけですが、専用品が増えてしまうことでコストを高めてしまいます。開発コストは決まっているわけですから、ウインカーレバーを移すためにはほかの何かを諦める必要があるわけです。

 そこにコストをかけるなら走行性能を磨き上げたかった!

 じつは、こうした部分についてGRスープラのデビュー時にチーフエンジニア(CE)の多田哲哉さんにうかがったのですが「ウインカーの位置を変えるお金があるなら、走りを煮詰めるほうに使うべきだと考えた」という答えが返ってきました。当初、ウインカーレバーが左にあることに儲けるためのコストダウンだろうと考えていた自分を恥じたものです。

 走りに直接関係のない部分は可能な限りBMWと共通化することでコストを抑え、「スープラ」という名前に期待される走りを高めることにリソースを振り分けたという、ひとつの象徴が左側のウインカーレバーなのです。その他BMWと共通している部分があることも、走り重視の姿勢によるものと理解できれば、逆にウェルカムだと感じてきます。

 前述した多田CEのかかわったスポーツカーにはトヨタ86/スバルBRZという兄弟車もありますが、こちらではボディパネルなども共通化した上で、メーターパネルであったり、サスペンションセッティングであったりといった部分で差別化していました。

 スポーツカーというのは絶対数でいうと大量に売れるわけではありません。そのため限られた予算をどのように配分するのかがスポーツカーとしての個性を生み出す肝になります。GRスープラに関していえば、スポーツカーらしいオリジナルのボディやアクティブデフにより異次元の走りを煮詰めることにコストをかけるため、直接走りには影響しない部分は共通化することでバランスをとったというところでしょうか。

 こうしたコストバランスというのは車種によっても異なります。バッジエンジニアリングと呼ばれるグリルやエンブレムを変えただけのOEM車では、ハードウェア的にはほとんど変えていないモデルが大多数です。OEM車ではグレード設定も絞っていることも珍しくありません。

 おもしろいのは機能に関するネーミングに関する考え方です。日産と三菱自動車が共同開発している軽自動車では先進運転支援システムのネーミングについて、日産は「プロパイロット」、三菱自動車は「マイパイロット」と変えています。

 一方、スバルで扱っている軽自動車(ダイハツからのOEM)では、ステレオカメラを使った先進安全装備についてスバル的なネーミングの「アイサイト」ではなく、ダイハツの名付けた「スマートアシスト」のままだったりします。メーカーごとにブランディングや技術への考えがあるので、どちらが正しいというわけではありませんが、それぞれの状況によってスタンスが異なることもあるのです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
motorsport.com 日本版
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
レスポンス
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
motorsport.com 日本版
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
岩佐歩夢の気になる去就。「F1に向いているハイブリッド思考」担当の小池エンジニアが話すローソンとの比較
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
F1ラスベガスGP FP2:好調メルセデスのハミルトンが最速。角田は初日10番手、アルピーヌやハースもトップ10入り
AUTOSPORT web
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
レクサス「FRスポーツカー」がスゴイ! 5リッター「V8」&4.7m級の“美しすぎる”「流麗ボディ」採用! 豪華内装もイイ「LC」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
フェルスタッペン、特化仕様のリヤウイングがなく「2戦を棒に振っている」予算の影響で2022年から”割り切り”
motorsport.com 日本版
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
高性能Aクラスの集大成、メルセデスAMG『A45 S ファイナルエディション』が限定発売
レスポンス
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
motorsport.com 日本版
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
ラスベガス予選で50G超大クラッシュのコラピント、決勝前に再度メディカルチェックへ。「彼の体調が何より重要」とウイリアムズ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

14件
  • スープラはBMW、86はスバル、スポーツカーどころか、ライズやパッソ、ルーミーやタンクなどの小型車はダイハツに作ってもらっている。トヨタ製はオラオラ顔のワンボックスや鬼瓦RV4やプリウスミサイルなどかなぁ。あっカローラやヤリスもあるか。
  • BMWに作ってもらったスープラ 笑
    自社で安いスポーツカーすら作れないトヨタ 笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村