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軽最高の安全性能車に何が? 日産&三菱 生産中止から一転緊急リコールのドタバタ裏事情

 2022年2月4日夜、日産と三菱は軽自動車3車種(日産ルークス、三菱eKスペース、eKクロススペース)のリコールを発表しました。対象車種は約8万6000台。3車種は昨年2021年12月から生産を中止しており、この問題の調査に当たっていたものと見られます。改善点はエアバッグ。日産ルークスといえば、国交省と自動車事故対策機構(NASVA)が実施する安全性能評価「JNCAP(自動車アセスメント)」において、最高評価の「ファイブスター賞」を獲得しています(2021年9月)。その、軽自動車最高の安全性能と評価されたルークスにいったい何があったのか? 本件について昨年12月から調べていた国沢光宏氏がお届けします。

文/国沢光宏
写真/日産、三菱、ベストカー編集部

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■日産&三菱の最量販車ルークス&eKスペースに問題発生

 御存じの人も多いと思うけれど、昨年(2021年)12月3日から、日産と三菱自動車のスーパーハイト系3モデル(ルークス/eKスペース/eKクロススペース)を生産していた水島製作所の組み立てラインが停止している。この件、12月24日になって両社のWebサイトで「エアバッグが一定の条件のもとでは十分性能を発揮しない可能性がある」と公式のアナウンスを出した後、ずっと沈黙状態だった。

日産ルークスは先進安全装備「プロパイロット」を装備。JNCAPで予防安全82点満点中82.00点を獲得しAランク(100%)。事故自動緊急通報装置で8点満点中8点を獲得して先進型(100%)評価を獲得。衝突安全でも100点満点中86.54点を獲得してAランク(86%)。最高評価を獲得した

 当該車両に乗っている人は、生産中止になるほど安全性に問題を抱えた状態で乗ることを意味する。生産中止になるレベルなら、当然のごとくリコール対応になること間違いなし。なのに、なんの説明もないまま2ヶ月放置されたことになります。顧客第一主義のまったく逆をいく対応だったと思う。いつまで顧客無視を決め込むつもりなのかと注視していたら、2022年2月4日に急遽情報発信を行った。

 漏れ伝わる情報によれば、取締役の1人から「どうなっているんだ?」という強い声が出たらしい。

 日産、会議室などに『顧客第一』と書かれた赤いイスを置き、復興の目玉コンセプトにしているという。なのに業績の回復と共に日産の悪いDNAである「事なかれ主義」が多々出ていると嘆く日産社員も多いと聞く。とはいえ日産社内に顧客第一を考える人がいるのはいいニュースです。

 結論から書くと、生産中止になったのは運転席エアバッグの問題(詳細は後述)で、リコールを行う。具体的には運転席エアバッグを、糸で展開をコントロールするタイプに交換し、その上でニーエアバッグも追加するという大がかりなもの。2月11日から生産を再開する車両だけでなく、既納客のリコール対象車も運転席エアバッグ交換&ニーエアバッグ追加になります。

 私が調べた限り、ニーエアバッグのような大物部品を追加装着するリコールなど過去に例が無い。けっこうな対策コストになるけれど、「やるからには徹底的にやろうと思います」ということのようだ。相当時間掛かった点についちゃまったく褒められないけれど、2月8日に予定されている決算説明会でメディアから突っ込まれて渋々情報を出すよりはずっといい対応だと思う。

■具体的にはどんな不具合だったか?

 もう少し深いアウトラインを紹介しておく。

 今回の問題、開発を担当した日産側の再調査で発覚した。対象車両の衝突試験で使ったダミーの評価性能に問題があることが、開発終了後に判明。再度評価してみたらエアバッグが十分な性能を発揮出来ていなかったという。つまりダミーは間違ったデータを記録しており、不合格レベルだったのにOKとなり生産していたということです。

 ただ決定的に危険なレベルかとなれば微妙。エアバッグは適正なタイミングで展開するようだ。とはいえ、いずれにしろ規制値をクリア出来ない可能性があるのは間違いない。その対応策のひとつが「吊紐付き」の採用。安価なエアバッグはサッカーボールのように丸く展開するため、顔面がズレやすい。吊紐付きなら(コストアップ要因になるものの)正確な展開コントロールを出来る。

写真上が「吊紐付きエアバッグ」、下が吊紐なし。コストに厳しい軽自動車で、高コストのエアバッグを装着。さらに安全性を向上して、ケガの功名としてほしい

 その上で下肢(ヒザ)を受け止めるニーエアバッグを追加することにより、大腿骨や腹部だけでなく胸部が受ける減速Gを緩和させることが可能となる。安全性レベルでいえば大きく向上します。おそらく今回のリコールを受ければ、運転席の安全性はクラスTOPになることだろう。ユーザーからすれば長い間、安全性に課題を抱えたクルマに乗ることを余儀なくされたが、少しは気が晴れるか?

 メディアに叩かれてお詫びするような事態にならなかったのはよかったけれど、安全性に問題を抱えたまま2ヶ月もお客さんに情報を出さなかった担当部署は猛省すべきだと思う。トバッチリを受けたのは三菱自動車で、日産が情報を出さないから2ヶ月の無視を付き合わされることになった。三菱自動者側の不満も大きいと聞く。日産は改めて顧客第一を考えるべきじゃなかろうか。

 繰り返しになるけれど、唯一の救いは日産に自浄作用が残っていたこと。大きなケガなく一件落着です。ブランドイメージを上げるべく頑張って欲しい。

[gallink]

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