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本場の3列シートは見ても乗ってもよし! キャデラック XT6だからこそ味わえる世界とは?

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本場の3列シートは見ても乗ってもよし! キャデラック XT6だからこそ味わえる世界とは?

キャデラックの3列シートSUV「XT6」の魅力とは? 渡辺敏史がリポートする。

3列シートSUVの人気上昇中

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ミニバンほど後席に特化した居住性は必要ないけど、スタイリッシュにマルチピープルムーバーの機能性を保持できないものか……ということで、近頃人気になっているのが3列シートを配したSUVだ。

震源地のアメリカでは主要各社がその手のモデルを展開しており、マツダなら「CX-9」、スバルなら「アセント」といった市場専売モデルも用意されるほど。母親が自分の子供とその友達を学校やスポーツクラブなどに送迎する、そういう子育て世代の生活パターンは彼の地では“サッカーマム”などと称される。そのサッカーマムたちにとって、3列シートのSUVは生活感の強いミニバンよりもアクティブさを感じさせる選択肢として受け入れられているのだろう。

フルフレームシャシーがゆえに床面が高くなり、乗降性も居住性も窮屈だったのは昔の話。昨今の3列シートSUVはモノコックシャシーの利を活かして使い勝手のいい空間を構成している。さすがに恒常的に大人を座らせるには厳しい最後列のシートも、子供にとっては秘密基地めいた場所として気に入ってもらえるかもしれない。

そんなニーズを捉えて、昨今はプレミアムブランドが3列シートSUVを手掛ける事例も多い。日本市場においてもBMW「X5」が3列シートをオプションで用意、メルセデス・ベンツ「GLEクラス」は3列シートが全グレード標準設定になっている。そして先ごろ上陸したキャデラック「XT6」は、車格的にはこれらと同級の3列シートSUVということになる。

使える3列シート

XT6は先出の「XT5」と同様のFWD系アーキテクチャーをベースにしている。同じ3列シートSUVであるボルボ「XC90」との近似性が窺える。ボクシーでそれなりに背丈も高い、オーセンティックなSUVのプロポーションだ。

この天地に豊富な車室空間も活かしながら、XT6は無理なく3列シートのレイアウトを実現した。2列目には2座独立のキャプテンシートが据えられており、3列目へのアクセスは2列目シートを倒す正規の動線だけでなく、2列目シートの間をウォークスルーするという動線も使えなくはない。

3列目の掛け心地は181cmの大柄な筆者でさえ収まらなくはないという感じで、小柄な女性ならドライブとまではいわずとも相応の時間は座っていられるだろう。日本のミニバンの開発で想定される典型的なファミリーシチュエーションといえば、両親と祖父母、子供2名の計6人で近隣へレジャーや食事に出かけるというものだが、その位の用途は余裕で賄ってくれる。

ちなみに荷室は3列目シートを使用している状態でも357リッター、2~3列目シートをすべてフォールダウンすれば2228リッターと莫大な容量を誇る。2~3列目シートの格納と3列目シートの引き起こしは荷室側からボタンひとつで操作することが可能だ。

ほどよくアメリカン

XT6のパワーユニットは3.6リッターV型6気筒の自然吸気ガソリンとなり、最高出力は314psを発揮。9ATのワイドレシオが駆動力や効率のよい巡航燃費を巧く引き出してくれる。

4WDはツーリング、AWD、スポーツ、オフロードと4つのドライブモード設定に応じて、100:0~0:100の範囲で前後の駆動力配分をリニアにコントロールするほか、後輪側は2つのクラッチにより左右輪の駆動力も電子制御で配分される仕組みだ。

その動力性能はさすがに余裕綽々とはいかないが、日常全般をカバーするには充分。高速道路の加速などは、ときどきエンジンを唸らせることもあるだろうが、自然吸気V6のサウンドは高回転域まで素直に伸びるうえ耳障りも悪くないから、まわすこと自体は苦にならない。

一方で、100km/h巡航では回転の低さにくわえて気筒休止システムも頻繁に働くため、10km/Lを軽く上回る好燃費も期待できる。

ハンドリングもまた然り。最近のスポーツ系SUVのような目が覚めるほどの機敏さはないものの、大柄で背の高い体躯はストレスなくすいっと曲がってくれる。

XT6には電子制御ダンピングシステムも備わるが、ロールをやみくもに規制しながらガチッと路面に噛み付くのではなく、適度にロールを許しながら路面入力を優しく受け止めていなしていく。これ1台でスポーツカーのような振る舞いも味わえるなんて図々しいことは言い出さない、清濁併せ呑む大人の振る舞いだ。

そのぶん、平時の乗り心地には欧州勢とは一線を画す、おおらかさがある。タイヤの路面アタリの丸さや、凹凸を超えての上屋の“ふわっ”と柔らかい動きなどは、いい意味でのアメリカン・ライドをやりすぎない程度に演じているかのようだ。

百花繚乱のSUVカテゴリーにあって、XT6はライドフィールひとつを挙げても、自らの出自や個性を明快化することが1番のセリングポイントになると考えているのだろう。その自信はエクステリアデザインにも満ち溢れている。

文・渡辺敏史 写真・安井宏充(Weekend.)

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