SDG HARC-PRO.の國井勇輝がハイペースで走行「Moto2で抱えている課題が分かったかもしれない」／鈴鹿8耐合同テスト

　SDG Team HARC-PRO. Hondaは、6月11～12日の合同テストを前に2025年の鈴鹿8耐を戦うライダーラインナップを発表。同チームから全日本ロードJSB1000クラスを戦う名越哲平に、今シーズンHARC-PRO.陣営に加わり、アジアロードレース選手権シリーズ（ARRC）ASB1000クラスにフル参戦している阿部恵斗、そして昨年、全日本ロードST1000クラスとARRC ASB1000クラスのダブルタイトルを手土産にIDEMITSU Honda Team ASIAに戻りMoto2クラスを戦っている國井勇輝の3人だ。

　チーム的には“身内”で選んだラインアップだが、実は、この3人、一度も同じチームで8耐を走ったことがないのだ。

　名越は、昨年、HRCで走り優勝を達成。本来の所属チームであるSDG Team HARC-PRO. Hondaでは、2年ぶりとなる。先日の全日本ロード第2戦SUGOレース1で転倒し負傷。今回のテストは身体の調子を見ながらの走行となっていた。

「今回は勇輝メインで乗ってもらい、恵斗も8耐車初乗りだったので、僕は身体とマシンの確認をしました。勇輝がいいペースで走ってくれたので、マシンセットの方向性も見えてきました。来週のテストは暑くなりそうなので、しっかり詰めて本番を迎えたいですね」と名越。

　國井は、イタリアGPがあるため2回目のテストに参加できないためロングランも行い、2分06秒台から07秒台のペースで走行。ハルク・プロは最初から本番を見据え燃費仕様となっていることを加味すると、かなりの速さだと言えるだろう。

「テスト2日目はドライになってくれてよかったです。ロングラン中に赤旗中断がありましたが、いいフィーリングで走れましたし、ふたりとも意見が同じだったので、あとはお任せして鈴鹿8耐本番で良い走りができるように頑張ります」と國井。今回鈴鹿8耐車両を乗ったことで、Moto2で抱えている課題も見えてきたかもと語り、有意義なテストになったようだ。

　阿部は、今回が2度目の鈴鹿8耐だが、初めてトップチームの一員として参戦する。

「いつも乗っているST仕様とは限界が高いですし全く違うバイクですね。組ませていただく名越選手も國井選手も速いライダーなので、少しでも勉強させてもらいチームに貢献できるように精一杯やるだけです。もちろんプレッシャーもありますが、このような環境で走れることを感謝して、ARRCにも役に立つように成長したいです」と阿部。

　マシンセットは昨年のデータと今年の名越セッティングを足して割ったようなもので、それが思いのほか良い方向にいったとテスト後に本田光太郎監督は語っていた。6月18～19日に予定されている鈴鹿主催の8耐テストは、暑くなる予報だ。各チームとも本番を想定したコンディションにいかに合わせ込むかが課題となりそうだ。

[オートスポーツweb 2025年06月16日]