F1第17戦アメリカGPのフリー走行2回目が行なわれ、レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスがトップタイムをマークした。
2年ぶりの開催となる今回のアメリカGP。その舞台は、テキサス州・オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)である。全長5.513kmのコースに20個のコーナーが散りばめられ、急坂を駆け上がっていくターン1や鈴鹿サーキットにも似たS字区間などが特徴だ。
【F1動画】2021年F1第17戦アメリカGP金曜日FP1&FP2ハイライト
インディカー・シリーズやNASCARなど独自のモータースポーツ文化を持つアメリカだが、金曜日からCOTAには多くのF1ファンが訪れていた。グランドスタンドは人で埋まり、RVエリアには多くのキャンピングカーがひしめいていた。来季のマイアミGPの追加によるアメリカでの2レース開催に向け、アメリカでもF1人気が高まっているという。
FP2開始前の天候は晴れ。気温29度、路面温度38度とFP1よりも気温・路面温度共に上がっている。60分のセッションが開始されると、多くのマシンは硬めのハードタイヤとミディアムタイヤを投入。周回数を重ね、自己ベストを更新していった。
金曜日ながらも、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)は最終コーナーからターン1にかけてサイド・バイ・サイド。ある意味で”レース想定”ができたことになる。
2012年からF1カレンダーに復活したアメリカGPの舞台となっているCOTAは、2015年に水害に見舞われた影響か、路面には各所にバンプが出現するようになった。これは前回開催時にも指摘されたことであり、先日行なわれたMotoGPアメリカズGPの際にも問題に上がった。今回のF1アメリカGP開催に向けては、これを改善するために路面を研磨したとのことだが、FP1からマシンはバンプで跳ね、路面各所にはヒビが認められた。FP2でもバンプの影響かブレーキングミスでタイヤにフラットスポットを作ってしまうドライバーや、コーナー途中でマシンが暴れるドライバーも多く見られた。
セッションが20分を過ぎると、ほとんどのドライバーが新品のソフトタイヤに履き替え、アタックラップを開始した。各車がタイムを上げると同時に、トラックリミット違反によりタイム抹消となるドライバーも増えた。今回はターン9とターン19がその対象で、ルイス・ハミルトン(メルセデス)や角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)などが最終コーナー手前のターン19で白線を超え、タイム抹消となった。
予選想定プログラムを終え、残り20分という所で各車はユーズドタイヤを投入しロングランへプログラムへ移行した。
各車が精力的に周回を重ねる中、残り3分というところでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がターン19でスピンアウト。アロンソはリヤからウォールに当たったものの、大きなダメージもなく自力でグラベルから抜け出した。ただアロンソは、FP1からマシントラブルに見舞われ、さらにこのセッションでのスピン……初日から良い流れを掴めていないようだ。
結局このセッションのトップタイムは、1分34秒946をソフトタイヤでマークしたペレス。強みとしているロングランのペースもメルセデス勢と肩を並べており、良い形で初日を締めくくった。その一方チームメイトのフェルスタッペンは、アタックラップに入る直前の最終コーナーでトラフィックに捕まりアタックを断念。結果として新品ソフトタイヤでのタイム計測をせずにFP2を8番手で終えた。
2番手には、トップから0.257秒差の1分35秒203をマークしたランド・ノリス(マクラーレン)が付けた。メルセデス勢ふたりをはさみ、僚友ダニエル・リカルドが5番手タイムを記録するなど、マクラーレンはチームとしても良い仕上がりのようだ。
角田はトップのペレスから2.037秒差の1分36秒983を記録し16番手。24周を走り、自身初のCOTAでコース習熟を入念に行なうことができたが、1分36秒242僚を記録し12番手の僚友ピエール・ガスリーとの差は依然として大きいのも事実。FP3以降での改善が求められる。
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