現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フロント3面フィルムを普及させる「ゴーストフィルム ワークショップ」レポート

ここから本文です

フロント3面フィルムを普及させる「ゴーストフィルム ワークショップ」レポート

掲載 61
フロント3面フィルムを普及させる「ゴーストフィルム ワークショップ」レポート

自動車アフターマーケット最後のヒット商品とも言われる、フロント3面ガラスに貼る「ガラスフィルム」。人気はうなぎのぼりだが、比較的高価なこともあって普及率は伸びていない。まさに、これからの商品。

そこで、施工技術者を増やし、施工技術を高めることで、安心して「ガラスフィルム」「カーフィルム」の高機能を享受できるようにするべく、施工店と「ゴーストフィルム」で有名なブレインテックがタッグを組んで行っているワークショップをレポートする。

「トミカ」が「プロ野球」とコラボレーション!「プロ野球トミカ」発売

筆者もクルマのフロント3面(フロントウインドウと前席のドアガラス)にフイルムを貼るのはNGという認識があったが、それは明らかに間違いである。自動車ガラス用フィルムにおいては、リアガラス、リアサイドには法的規制がないため、スモークフィルムを貼ってもお咎めはない。しかし、フロント、フロントサイドのガラスについては道路運送車両法第29条と細目を定める第195条で記載された「窓ガラスを規定する保安基準」で可視光線透過率が70%以上と定められている。貼ってはいけないのではなく基準値に適応すれば貼ってもよいのだ。

スモークフィルムが爆発的に流行ったときに、フロント3面に貼ると車検に通らないから貼れないといった話が「フロント3面に貼るのはダメ」という言葉になり独り歩きした状態だ。因みに、今ではスモークガラスが普及したためスモークフィルムは影を潜めている。しかし、今やほとんどのクルマが後席とリアウインドウが真っ黒で前席とフロントウインドウは透明な状態だが、なんとも中途半端でカッコ悪いと思うのは私だけだろうか。

フロント3面にフィルムを貼ること自体はご法度ではない運転に支障をきたす恐れのあるフロント3面のガラスについては「可視光線透過率」が定められているために、スモークフィルムを貼ることができなかったのだ。当然、その「可視光線透過率」が規定値に収まらなければ車検に通らないだけでなく道路交通法違反となる。

「ゴーストフィルム」のサンプル。Photo:ブレインテックそこに現れたのが「ゴーストフィルム」という商品、通称「オーロラフィルム」といったオーロラ状に着色しているように見えるガラスフィルムだ。

今まで貼ることができなかった(できないとされていた)フロント3面に貼ることができて、ファッション性もあることから注目度はうなぎのぼりだ。自動車アフターパーツ市場でも久しぶりのヒット商品として注目されている。

ゴーストフィルム施工例。もちろん車内からは発色、オーロラ状には全く見えない。Photo:アクティブガレージ「ゴーストフィルム」は遮熱、広範囲の紫外線遮蔽、調光(偏光)することで、狭いクルマの室内温度の上昇を抑えて、快適性能を上げるために開発された商品であるが、もともとは建築物のガラスに貼るUVカットフィルムがあって、それがクルマに転用されたという経緯がある。

「ゴーストフィルム」開発秘話:https://autobild.jp/27573/

スモークフィルムより性能は高く、ガラス全面に貼ることでエアコンの稼働率を下げることが可能だ。また、目に悪影響を与える恐れのある光線を反射するため、サングラスと同様の機能がある。

株式会社 ブレインテックの宮地社長による商品知識、合法施工に関する情報共有など座学が行われた。Photo:カーメイクアートプロしかし、最近のクルマの多くには、UVカットガラスが使われているため簡単ではない。「可視光線透過率」を基準値に収めることが難しい場合があるのだ。

人気が先走ったためにネガティブイメージがあるのも事実。その原因は販売・施工店側にもあるようで、アフターマーケットパーツによくある「車検対応」だからと商品知識も基準値の知識もなく施工した結果、車検に通らなかったりするケースが出れば、ユーザーからすれば詐欺商品というレッテルが貼られてしまうのは当然で、そのようなケースは今でもあるようだ。

ワークショップを協賛した、株式会社ブレインテックの宮地社長は長年、高機能ガラスフィルムの開発に携わっている自動車用ガラスフィルムの第一人者で、商品開発だけでなく、商品知識、施工方法の講習をはじめ、車検整備関係各所とも連携してその機能を存分に享受できるよう努力を重ねている。

「ゴーストフィルム ワークショップ」第1回は大阪のカーメイクアートプロにて開催された。Photo:カーメイクアートプロ今回のワークショップは、施工店である大阪のカーメイクアートプロと東京のアクティブガレージが同業者を集めて、高い施工技術を持った技術者が増えるようにと、商品知識、施工方法を共有する「ワークショップ」を開催した。

リーガルゴーストショップブレインテックは「リーガルゴーストショップ」を作って、ネットワーク化してユーザーが安心して「ゴーストフィルム」を利用できるように環境整備を行っている。

技術講習の様子。カーメイクアートプロはいち早くリーガルゴーストショップ認定店になっている。Photo:カーメイクアートプロリーガルゴーストショップ認定店は現在、全国に100を超える店舗がある。上海にもあって、アジア圏にも広がり、さらに広がる勢いを感じる。

「リーガルゴーストショップ」とは、道路交通法・道路運送車両法・道路運送車両の保安基準に準拠した施工、保安基準に規程された要件を満たす測定器により可視光線透過率の測定、可視光線透過率測定結果証明書の発行が可能なショップで、商品知識はもちろん、必要な施工技術を有するため安心して「ゴーストフィルム」の施工を依頼することができる。

施工完了。参加者は実際に施工を体験して技術を習得することができる。Photo:カーメイクアートプロスペシャリストが終結ワークショップは、大阪のカーメイクアートプロで初回が行われた。すでにガラスフィルムを取り扱っているショップをはじめ、導入を検討しているショップが参加して、商品知識講習、施工技術の体験デモンストレーションが行われた。

アクティブガレージには東京近郊はもとより、山梨県、群馬県など関東のカーディテイリラーが集まった。Photo:アウトビルトジャパンブレインテックと施工店(リーガルゴーストショップ)が行うワークショップは参加者にとって、商品知識、施工技術を高めることができて、高価なフィルムを練習に使うことができるチャンスでもある。

ワークショップの2回目は東京に場所を移し、高い施工技術を誇るアクティブガレージにて行われた。

アクティブガレージでは2台が用意され、参加者は熱心に講師の説明に耳を傾け、実際にフィルムを使って施工を体験した。Photo:アウトビルトジャパン注目度が高い「ゴーストフィルム」だが、施工事例はまだ少ないこともあって、フィルム自体の金額が高価であるのが現状。また、誰でも気軽に貼ることができる商品ではないため、施工はプロフェッショナルに任せる必要がある。ただし、今後利用者が増えれば料金は下がっていくと言われている。

ガラスの外側にフィルムを仮置きして、熱を加えながらガラスの局面にフィットさせる。Photo:アウトビルトジャパンファッション性が高いこともあり、プライバシー保護のために利用されることもあるが、紫外線、赤外線から目を守るためにと、スポーツ選手がこぞって利用しているとアクティブガレージの阿部社長が話していたのが印象的だった。

ゴーストフィルムはガラスの内側に貼るのが特徴。Photo:アウトビルトジャパンカーディテイリング業界では今回のガラスフィルムをはじめ、コーティングやインンテリアリペアなどのサービスに関する商品知識、施工技術の伝授、共有がイベント、セミナーという形で盛んに行われていて、各ショップが業界を盛り上げようと活動していることを知ることができた。

(左)車検場でも指定測定器となっている可視光線透過率測定器PT-500で計測。(右)PT-500以外の測定器では正確な可視光線透過率を計測することができない。Photo:アウトビルトジャパン個社がしのぎを削って競争する時代は終わったのだ。業界をあげて施工者数を増やし、施工者の技術を上げることがユーザーのため、業界のためになると立ち上がったのがワークショップを開催した2社。今後もこのワークショップは続いていくようなので、それによってカーメイクアートプロ、アクティブガレージのような優良店が増えていくだろう。そして、「ゴーストフィルム」の普及でユーザーも、業界もメリットを享受できるようになる。持続可能な発展が実現される。

ブレインテック:https://www.braintec.co.jp/リーガルゴーストショップ:https://www.braintec.co.jp/legal-ghost-shop/カーメイクアートプロ:https://www.art-pro.co.jp/carfilm/ghost/アクティブガレージ:https://activegarage.co.jp/

Text:アウトビルトジャパン

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web

みんなのコメント

61件
  • katsuage
    今後車検NGになるかも知れないゴーストフィルムを記事にするとは。どっかからの案件ですか?
  • 名無し
    何回言わせるねん。このクソフィルム貼ってる車は運転手の姿が見えない。出会い頭の事故誘発まったなし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村