2022年4月16日に、新秦野~伊勢原大山IC間が開通した新東名高速道路。御殿場JCT~浜松いなさJCT間の開通から10周年を迎えて、2020年の御殿場~浜松いなさ間の全線6車線化や最高速度規制120km/h化などますます快適に移動できるようになっている。
そこで、今回は新東名高速と並行して走行する東名高速を走行した場合、疲労度はどれくらい違うのかを計測器を使用して検証してみた。
疲労ストレス計で実測テスト!! 東名高速と新東名、どっちが疲れないのか?
文、写真/萩原文博、取材協力/村田製作所
静岡県内の最高速度が120km/hとなり、より快適になった新東名高速
ドッグランも併設されている足柄SA下り
新東名高速道路は、2012年4月14日に御殿場JCT~浜松いなさJCT間の約145kmそして、約4kmの清水連絡路、約13kmの引佐連絡路の合計約162kmが開通。その後浜松いなさJCT~豊田東JCT間が開通し、利便性が向上した。現在建設中の新秦野~新御殿場IC間の開通が待ち遠しい。
新東名高速道路は、御殿場~浜松いなさ間の全線6車線化や最高速度規制120km/h化だけでなく、東名高速道路と比べると勾配が緩やかなこと。そしてカーブも緩やかなこともあり、快適に運転することができる。
新東名高速の開通によって、静岡県で発生する東名・新東名で発生する渋滞が約7割減。2011年当時は1年間の渋滞発生件数は約985回から約297回へと減っている。また、渋滞と同様に、事故の発生件数が約3割減少したのも特徴だ。
そして、新東名高速の6車線化により、車線ごとの速度が4車線時の走行車線83km/h、追越車線99km/hから6車線化により第1車線81km/h、第2車線96km/h、追越車線114km/hなっている。
また、大型車の混入率も4車線時の走行車線49%、追越車線29%から6車線では、第1車線82%、第2車線37%、追越車線10%と車線ごとの利用形態が変化。追越車線に大型車の走行が少ないため、快適に走行できるようになっているのだ。
今回のテストに使用したのは、アウディA4 35TDI アドバンスド。最高出力163ps、最大トルク380Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載。さらに。このエンジンにはマイルドハイブリッドシステムが組み合わされ、優れた加速&撮影燃費性能を発揮する。
また計測器として使用したのは、村田製作所が販売している「疲労ストレス計 MF100」。この計測器は、電気的と光学的の2つの方法を使用したハイブリッドで、心拍と脈拍の揺らぎを測るというもの。
この計測器の中に、Bluetoothを内臓。専用のアプリをダウンロードしたスマホやタブレットに転送。これをアプリの開発元である、株式会社疲労科学研究所のサーバーに送って、自律神経の働きを解析することで、その人の疲れ具合を数値化するというもの。
例えば、運動をする時に手や足を動かす。それを指示するのは脳だが、その行為を行った結果、心拍数が上がる、汗をかく、息が荒くなったりする。これをコントロールするのが自律神経なのだ。自律神経をフル回転させてしまうと、最終的には脳が疲れてしまい、「疲れた」というシグナルを出す。これがいわゆる「疲労」の正体なのだ。
MF100によって疲労の度合いはこのグラフで表示される
表の縦軸は疲労の度合いを示していて、偏差値で表し42以上が許容範囲で、それ未満になると、疲れているという状態。そして横軸はストレスのバランスを示していて、2.0より左に行くと、リラックスした状態。右に行くとストレスが掛かった状態ということになる。
表左上の青い部分は、クルマに例えると、アイドリングストップなどもできてエコ運転を行っている状態。右上はアクセル全開で走行している状態。右下はアクセルを踏んだ状態が続いて、かなりお疲れの状態。そして最もピンチなのは左下でここは完全にガス欠の状態。眠くてだるくて仕方ない状態となっている。
ただし、就寝前にこの左下にあるのは正常なことで、しっかりと良い睡眠を取ることでリフレッシュして、左上の健全エリアに入るということになるのだ。
また自律神経の働きは、年齢によって衰えると言われており、比べてみると20代と40代では半分くらいなのだ。若い頃は徹夜で遊んでも、仕事できたのに40代、50代になって徹夜したら、疲れて仕事ができない。それは自律神経の衰えによるものなのだ。
この村田製作所の「疲労ストレス計 MF100」はデータ入力時に年齢などを入力し、ユーザーの年齢に合わせた基準値で測定することができ可視化できる。
今回のテストは、往路が新東名高速を走行。翌日の復路に東名高速を走行した。両日ともに全く渋滞がなく、交通量も少なく非常に走行しやすい状態だった。
車線変更が少なくスムーズに走れる新東名のほうが疲れにくい
村田製作所の疲労ストレス計にて計測した
往路は東名高速の足柄SA~新東名の浜松SA間で計測。復路は東名高速の浜松SA~足柄SA間で計測した。
新東名高速走行時のデータ
計測データを見ると、新東名は出発時より到着時のほうが右側に移動。逆に東名は左側に移動している。これを検証すると、新東名はほとんど疲労に変化はないが、東名は疲れが出ているという結果となった。
新東名、東名どちらも渋滞はなくスムーズに走行できたのだが、新東名は最高速度120km/h化、全線6車線化により、追越のための車線変更も少なく非常にストレスなく走行できたのだ。
東名高速走行時のデータ
一方の東名はスムーズな走行ではあったのだが、2車線のため追越のための車線変更の回数も多く、アップダウンがあり速度変化が大きいため神経が疲れやすくなっているのだ。
スムーズに走行しても疲労するわけだが、渋滞に巻き込まれると短時間でも大きなストレスを感じて疲れることがグラフを見るとハッキリと出ているのだ。
上のグラフが渋滞あり、下が渋滞なし。数値は如実に異なる
ロングドライブを快適に行うためには、渋滞を避けるために時間差で移動を行うことや、渋滞前にしっかりと休憩をとってリフレッシュすることが安全運転に繋がると言えるだろう。
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みんなのコメント
とくに加速が遅く一度速度が下がると
なかなか速度が出にくい貨物車だと
速度が維持しやすいから一定の速度で走れる。
そもそも、設計速度も120ですし。