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近頃よく目にする「親ガチャ」。この視点で国産現行車を俯瞰してみる!

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近頃よく目にする「親ガチャ」。この視点で国産現行車を俯瞰してみる!

 近ごろ「親ガチャ」というネットスラングをしばしば目にする。

 親ガチャとは要するに「どんな親のもとに生まれるかで人生はほぼ決まる」「どんな親のもとに生まれるかは運次第(おもちゃ売り場やソーシャルゲームのガチャと同じ)」というような意味で、主に若い世代が使っている言葉だ。

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 親ガチャという言葉自体についてはいろいろ言いたいこともある。だがそれはとりあえず後回しにして、クルマの場合は「先代モデル」が「親」であるといちおう定義したうえで、「車界における親ガチャ」のあれこれを見てみよう。

文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部、トヨタ、日産、ホンダ、photoAC

[gallink]

■親ガチャ成功例の筆頭、現行型ハリアー!

 子(現行モデル)から見た場合の親ガチャ成功例といえば、まずはトヨタハリアーであろうか。

親ガチャ成功例の筆頭 2020年4月に誕生した子(現行モデル)のハリアー

親ガチャ成功例の筆頭 2013年に発売の親(先代モデル)の3代目ハリアー

 2020年4月に誕生した子(現行型ハリアー)は、新世代のTNGAプラットフォーム(GA-K)とクーペ的なフォルムを採用したことで大人気となっており、今年8月の販売台数ランキングでも全体の9位につけている。

 これもひとえに子(現行型)の実力の賜物ではあるが、とはいえその成功は、ハリアー家の歴代家長が築いてきた「ブランド性」「信頼性」という無形資産に負っている部分もデカい。

 なぜならば、仮に現行型ハリアーとまったく同じデザインでまったく同じ性能のSUVが、よくわからない弱小メーカーから「ヴァリアー」とかいう車名で発売されていたとしたら、おそらくは大して売れていなかったと思われるからだ。

 決して現行型ハリアー君の実力を否定するものではないが、「太い実家がある奴はうらやましいのぉ……」とは思うのである。

■そのほか親ガチャ成功例のクルマ6台

 そのほか、これに類する「親ガチャ成功例」はおおむね下記のとおりだろうか。下表は左側が車名と2021年8月の販売台数順位で、右が「人間になぞらえた場合のイメージ」である。

●トヨタカローラ(5位) やや没落気味の名門家庭に生まれたが、子は奮起して一橋大にみごと合格。

親ガチャ成功例その1 トヨタカローラ 12代目

●トヨタアルファード(6位) 柔道の重量級有力選手を輩出してきた一家に生まれる。子はややチャラい方向に進んだが、それが逆にウケて芸能界のスターに。

親ガチャ成功例その2 トヨタアルファード 3代目

●ホンダフリード(8位) 幸せな中流家庭に生まれ、まあまあの上場企業に就職内定。

親ガチャ成功例その3 ホンダフリード 2代目

●スズキソリオ(19位) 堅実で繁盛している工務店に生まれる。店を継いだ子は、工務店業に加えてちょっとおしゃれなリノベーション業も開始し、なかなかの売上に。

親ガチャ成功例その4 スズキソリオ ワゴンRソリオから4代目

●スバルインプレッサ(23位) 親は群馬県庁を定年退官。子も群馬県庁に就職。

親ガチャ成功例その5 スバルインプレッサスポーツ GC/GF型インプレッサから5代目

●スバルレヴォーグ(25位) 親は群馬県庁を定年退官。子は東京都庁に就職。

親ガチャ成功例その6 スバルレヴォーグ 2代目

 以上が車親ガチャの主なアタリ例だが、ハズレの例、つまり「親がイマイチだったせいで子もイマイチに……」という例を探してみたのだが、現行モデルではあまり見つけることができなかった。そういった「家系」は代々続くことなく、いつの間にか消滅してしまう――ということなのだろう。

■日産マーチは親ガチャの失敗例?

 だがその逆の「親は立派だったのに、子はちょっと……」という例は容易に見つけることができた。日産マーチである。

親ガチャ失敗例 立派な親 日産マーチ2代目K11型(1992~2002年)

親ガチャ失敗例 立派な親 日産マーチ3代目K12型(2002~2010年)

親ガチャ失敗例 放蕩息子 日産マーチK13型(2010年~)

親ガチャ成功例? K13とは異母兄弟 日産マイクラ(MICRA)K14型(2017年~)海外で活躍

 「マッチのマーチ」こと初代K10型はおいといて、2代目K11型(1992~2002年)と3代目K12型(2002~2010年)は小柄ながら立派な実力者だったが、K12型の息子であるK13型(2010年~)は勉学もスポーツにも不得手で、かといって家の用事をいろいろと手伝うわけでもなく、タイやブラジルなどでぶらぶら遊んでいるあり様。

 K12型のもう1人の息子であるK14型(2017年~)は、「MICRA」とのクリスチャンネームでもってフランスを中心に大活躍しているのに……という、ありもしないお家事情が脳裏に浮かんでしまうのだ。

 このほかでは、先代型はi-DCDを搭載したハイブリッドで走りにも力を入れていたものの、現行型は車名をフィット ハイブリッドからフィットe:HEVに変え、思っていたほどの販売成績を残せていない現行型ホンダフィットも、「親は立派だったのに、子はちょっと……」という例のひとつなのかもしれない。

2013年に発売の親(先代モデル)の3代目i-DCDを搭載したホンダ フィットハイブリッド

2020年に誕生した子(現行モデル)ホンダ フィットe:HEV

 だが現行型フィットがそれなり以上の能力を持っていることは間違いなく、思っていたほどの販売成績を残せていない といっても「まったく売れてない」というわけではない。そのため、現行型フィットをこのカテゴリーに入れるべきではないだろう。がんばれ、フィット君。キミはできる男なはずだ。

■自分の実力でのし上がったクルマ

 というかクルマ界で目立つのは、親ガチャうんぬんとは無関係に「自分の代で、自分の実力によってのし上がったクルマ」だ。たとえばそれは以下のとおりである。

●トヨタヤリス(1位) 親はハッキリ言ってどうしようもなかったが、親に頼らず自力で日本一に。

自分の実力によってのし上がったクルマその1 トヨタヤリス。どうしようもない親はヴィッツ

●日産ノート(4位) これも、親はe-POWERという一芸以外は見るべき点がほとんどなかったが、息子は独学で全方位的なセンスを手に入れた。

自分の実力によってのし上がったクルマその2 日産ノート

●トヨタライズ(7位)/ダイハツロッキー(27位) 両親はこの世にいないので、親ガチャ以前の問題。だがそんなことはお構いなしに、一代で成り上がってみせた。

自分の実力によってのし上がったクルマその3 トヨタライズ

●ホンダヴェゼル(10位) 決して悪い親ではなかったが、正直、大した親ではなかった。

自分の実力によってのし上がったクルマその4 ホンダヴェゼル

●トヨタシエンタ(16位) 「おしゃれ」という概念がない家に生まれたが、自力でおしゃれセンスを手に入れた。

自分の実力によってのし上がったクルマその5 トヨタシエンタ

■クルマの「親ガチャ」まとめ

 ほかにもあるかもしれないが、まぁだいたい以上のとおりだろうか。いずれにせよ、ここからわかることは「人生、基本的には自分次第」ということである。

 もちろん、太い実家を持つ友人をうらやむ気持ちや、言ってはなんだが無能で貧乏な自分の親を恨みたくなる気持ちはわかる。……よくわかるつもりだ。

 だがそれでも、基本的には自分自身で切り開いていくしかないのが人生というものである。

 いわゆる「親ガチャ」の問題でふてくされたくなった時は、どうしようもない親(先代)から生まれながら、自らの力で日本一のクルマとなったトヨタヤリスの姿と道のりを、どうか思い出してほしい。

[gallink]

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