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かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!

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かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!

ないならば作ってしまえ!

高級でラグジュアリー志向のSUVが増えるなか、硬派なタフネスカーを求める層も一部存在します。既存のメーカーが作らないのならば自分で作ってしまえ、とばかりに立ち上げたイネオス・オートモーティブ社でつくられた「グレナディア」を紹介します。

イギリスのファッションデザイナーがボディに27色を配した初代L316型「ポール・スミス・ディフェンダー」を展示!

クラシックディフェンダーの真似ではない、新設計のタフネスカー

イネオス・グレナディアというクルマをご存知だろうか? かつて、英国ランドローバー社が世界に向けて輩出していたタフネスカーの代表的な1台に、「ディフェンダー110」があった。日本でも正規輸入車として販売もされており、今では次世代の現行型が、デザインも洗練されて、シティラナバウトからオフロードまで、オールラウンダーな出立ちのクルマとして名称が継承されている。

しかし、ミリタリーシーンや、アフリカなどの大自然の移動手段として長年活躍を見せたクラシックディフェンダーの姿を映像等で見た記憶がある方は、ヘビーデューティでどこかエモいスタイリングにオフロード車の象徴的なイメージを重ね合わせている人も多いだろう。先代ディフェンダーの不整地での走破性を支えるラダーフレームやコイルリジットアクスルなどの構造と、シンプルかつ堅牢なクラシックディフェンダーを愛車としていたイギリス人の実業家ジェームス・ラットクリフ氏もそのひとりだ。

ラットクリフ氏は2016年で生産を終える際、クラシックディフェンダー後継車種への耐久性、堅牢性を危惧して、ジャガー・ランドローバー社に金型購入を打診するも、断られてしまう。そこで、自身が率いる世界有数の化学会社グループ「INEOS」にイネオス・オートモーティブ社を設立。自らが理想とするクラシックディフェンダーの後継となる車両の設計、製造開発に乗り出す。その名も「プロジェクト・グレナディア」の誕生だ。

BMWのパワートレインを使ってメルセデスの工場で

2019年3月にBMWとパワートレインに関する提携を発表、同年9月にはウェールズに専用の新工場で製造を発表し、その後ポルトガルにもシャシーとボディの工場を建設する予定でいた。さらに12月にはオーストリアのマグナシュタイヤー社とグレナディア開発におけるエンジニアリングパートナーシップを結び、実車の量産製造に向けての具体的な準備や作業監督等を担うこととなった。ちなみに、オーストリアのマグナシュタイヤーはメルセデスGクラスの生産拠点でもある。

こうして、量産に向けて一歩一歩着々と進めていく中で、クラシックディフェンダーのウィークポイントであった設計の古さを見直し、より信頼性の高いクルマにするべく、様々なクロスカントリービークルが参考にされた。ジープ「ラングラー」、トヨタ「ハイラックス」「ランドクルーザー」、日産「パトロール」、フォード「ブロン」、メルセデス・ベンツ「Gクラス」、三菱「パジェロ」、そして「ウニモグ」や軍用車、バン、トラック、トラクターに至るまであらゆる同じカテゴリーに当てはまりそうなクルマを調査し、高性能でありながら、とても実用的でシンプルな車両を目指す事となった。

そして、2020年7月1日にオンライン発表会にてグレナディアのエクステリアデザインを初公開。改めてグレナディア・プロジェクトは、当時の他社のクロスカントリービークルがよりラグジュアリー志向へと向かうなか、世界の最も過酷な環境下にも対応できる高性能かつ耐久性、堅牢性に優れ、トラブルが起きてもその場でリカバリーがしやすいオフロードカーを目指すことをアピールする。

この後、過酷な180万kmに及ぶ走行試験を世界の様々な環境下に持ち込んで行っていくことになる。

2020年12月にはメルセデス・ベンツが所有していたフランスのハンバッハ工場を買収し、こちらでの生産を発表。買収の理由としては、自動車業界に精通した人材、サプライチェーン、販売目標とするユーザーへのアクセシビリテなどを挙げた。

2022年10月には生産が開始となり、装備に応じてベースグレード、トライアルマスターエディション、フィールドマスターエディションの3グレードを設定。2023年の7月には更に305mmロングホイールベース化したピックアップトラックモデルの「グレナディア・クォーターマスター」を新たにラインアップが増え、現在に至る。

2023年にはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて水素燃料電池を搭載したプロトタイプも展示。現在、BMWが開発した燃料電池ユニットを搭載した開発車両でテストが行われている。インフラの事情と相まって、発売はまだまだ先の話のようだが、オフロードビークル好きには目が離せないクルマが日本の公道を走る日は、そう遠くない未来のようだ。

問:ineos life TEL:045-979-4001

文:Auto Messe Web 犬塚直樹(INUZUKA Naoki)
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みんなのコメント

5件
  • tmcinc
    これ、BMWのパワトレですが本当に大丈夫?
    とは言え、ディフェンダー自体もランドクルーザーの様な極限のマーケットはとっくに撤退していたので構わないのかな。
    今度のイランからの陸路脱出も、ランドクルーザー ハイエース ハイラックスが使われるでしょう。
  • fxnhe501
    「まったく、こんなことになるなんてね。でもジェネシスがもうやらないのだったら、僕達がやるまでさ」
    (1980年代に活躍した「ネオ・プログレ・バンド」の雄、マリリオンのボーカル・フィッシュの言葉)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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