WEC：GTE Amドライバーがコロナ禍の救援飛行を無料提供。自身が会長務める航空会社での支援を表明

　WEC世界耐久選手権のLM-GTE Amクラスに参戦しているトーマス・フローは、自身が会長を務める航空会社ビスタジェットで、新型コロナウイルス（COVID-19）の大流行が続く間、無料で救援フライトを提供することを申し出た。

　GTE Amクラスの常連であるフローは現在、新型肺炎の蔓延による影響で中断を余儀なくされている2019／2020年シーズンのWECにフェラーリで参戦。AFコルセの54号車フェラーリ488 GTE Evoをフランチェスコ・カステラッチ、元F1ドライバーのジャンカルロ・フィジケラとシェアしている。

　そんな彼が2004年設立したビスタジェットは、ボンバルディア・グローバルおよび、チャレンジャーの航空機を所有する、ビジネスジェットフライトに特化した航空会社だ。フローは自身が立ち上げた会社の機体を用い、政府による渡航や医療輸送を無料で提供すると約束した。

　フローはBBCニュースに対し、新型コロナウイルスによる世界的な危機が航空会社の運営を大きく妨げているなか、ビスタジェットが支援を提供することは「刺激的」であると語った。

「この計画には115機以上の航空機が利用可能だ」とフロー。

「私たちは引き続きクライアントの旅行のニーズをサポートしていく。しかし、我々が実際に目にしてきたのは、こうした支援に取り組む機会がチームに非常に大きな刺激を与えてきたということだ」

「その点で、政府や医療機関を支援し非常に重要な医療品の輸送を支援することは、私たちにとってとても興奮することだ」

　マルタに本拠を置く同社は通常、スクーデリア・フェラーリF1チームを含む個人の顧客を対象にしたロジスティクス・ソリューションを提供している。新型コロナウイルス感染症の発生後、ビスタジェットはこの新型感染症への対応策の一環として、フライトに搭乗する乗務員の安全を確保するために、特別な安全対策を実施しているという。

「私たちは新型コロナウイルスの流行が発生した非常に早い段階で、乗組員と顧客の安全を確保するために非常に厳しい安全対策を講じた」とフローは説明する。

「それを可能にしているのは、我々が115機の航空機とインフラ設備を所有し、これらのフライトで“エンド・ツー・エンド”のプロセスを全体で管理しているためだ」

「それゆえ、すべてが私たちの管理下に置かれることになり、必要な安全対策はすべて我々によって実施されている」

「我々は通常、本国への帰還や医療輸送のためのフライトを提供していないが、最終的にはロジスティクス企業であり、できる限り国際社会を支援するためにここにいるんだ。私たちは世界規模の戦いに一緒に参加している」