ロータス・エリーゼを探していた
6月15日、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)において開催された欧州車を対象としたミーティング、『ミラフィオーリ2026』。
【画像】正規輸入80台の超希少車!ロータス・エリーゼとはきょうだい関係の『オペル・スピードスター』 全5枚
その会場には様々な欧州車が並び、まさに『移動自動車博物館』のようだった。その中に1台、珍しいクルマがいた。それが今回ご紹介する、鈴木航平さんが所有する『オペル・スピードスター』だ。
「実はロータス・エリーゼを探していたんです」と、購入当時を振り返る鈴木さん。
しかし、じりじりと価格が上がり続ける時期と重なりどうしようかと悩んでいたところ、たまたまオークションサイトを中古車店で見ていた際に、オペル・ブランドが複数台出品されていることに気付く。何気なくそこを見たところ、今回購入したスピードスターを発見した。
オペル・スピードスターは、オペル自動車製造100周年記念モデルとして、コンセプトモデルを1999年のジュネーブ・モーターショーで発表。ロータス・エンジニアリングの協力の元で開発されロータスの工場で生産された、言わばエリーゼとはきょうだい関係にあるクルマだ。
最高出力147ps、最大トルク20.7kg-mを発揮する2.2L直列4気筒NAエンジンを、リアミドシップに搭載。日本には80台が正規輸入され、鈴木さんのスピードスターもその中の1台となる。日本での当時価格は449万円だった。
よくよく調べるとエアコンがなかった
鈴木さんは「思った以上に安かったんです。しかも希少性もありますし(笑)。広い意味ではエリーゼとあまり変わらないんじゃないか、面白いから買ってみよう」とすぐ行動に移した。「朝は思ってもいなかったクルマを、その瞬間に買っちゃったという話ですね」と楽しそうに話す。
しかしよくよく調べると、エアコンがないなど知らないことも多かった。さらに手元へクルマが届いてみると、外装の程度があまり良くなかったそうだ。しかし、ここでめげる鈴木さんではなかった。
「とにかく機関はすごく良好で、そのコンディションは今も維持していますし、それはすごくありがたいですね」と言うが、「外装は5年、6年かけてそれなりに見えるようにしていこう」という目標を立てた。そこで鈴木さんは得難い体験をする。
「たぶん、他のクルマ以上に友達の輪が広がったんです。スピードスターを見て何これ? ちょっとお話を聞かせてと言ってくる人たちがいて、そこから会話が弾み友達になりました。このクルマに出会えたことで、僕の生活や人生まで色々変えてくれたんです。そういう意味では安いうえに、お買い得でしたね(笑)」
人と繋がれるのがとても楽しい
その縁が元で、様々なアドバイスをもらえるようになった。
鈴木さんは「自分は全然メカとかはわからないのですが、得意な人に教えてもらいながら整備するのは楽しいです。クルマに乗る楽しさだけではなく、それ以上に人と繋がれるのがとても楽しいんです」と話す。
元々丈夫なクルマではあったが、ラジエーターからの水漏れには苦労したそう。しかしこれも友人たちとカウルを脱着し、個人輸入したラジエーターに交換した。「とても苦労しましたけれど、楽しい思い出のひとつです」。
また前述のとおり、ボディもクラックがあるなど程度はいまひとつ。そこも繋がりを持った友人たちに、ケミカル用品のアドバイスをもらいながら仕上げていったそうだ。
「例えばどういう用品を使うといいのか、磨き方も力任せではなくどうしたらいいのかなど、いろいろと知識が増えていきました」
「君はこのクルマとセットだ」
こうして、当初からは見違えるように仕上がった外装を見て、最初を知っている人たちからは「とてもきれいになったね」と言ってもらえるようになったそうだ。
「元色はシルバーで、前のオーナーが白に塗り替えていました。日本に1台か2台しか白はないんです。ですから目立ちますし、希少なクルマの中でもさらに希少なカラーなので、自分では気に入っています」と鈴木さん。
そして、「君はこのクルマに一生乗り続けないとね、あるいは、君はこのクルマとセットだと言われて、もうアイデンティティのように見られているみたいです」と語った。
オープンカー生活が恋しくなった
鈴木さんが最初に購入したクルマはBMW Z4(E85型)で、次に6代目フォルクスワーゲン・ゴルフRを購入。「工業製品としてのドイツ車の素晴らしさを気づかせてくれました。まさにメートル原器のよう」と印象を語っている。
しかし独り身ゆえに、荷物はそれほど載らなくてもいい。そうするとZ4で楽しかったオープンカー生活が恋しくなってしまった。「そんな頃にスピードスターと出会ったんです」。
「(実際に乗ると)エアコンがないことは大きな欠点ですが、この1台だけで乗り切ってきました。夏以外は全然余裕で、結構懐が深いんです。5速マニュアルですが、クラッチワークをミスしてもなんとか吸収してくれる、教習車でも使えるんじゃないかぐらいの乗りやすさ。
見た目とは裏腹に、全くハードじゃないクルマです。エリーゼがカチッカチッと動くような挙動だとすれば、こちらはとてもソフト。本当に乗ってみないとわからないものですね」
また、「軽さ、低さ、風が入ってくること、暑かったり寒かったりも含めて外と繋がれることが楽しい」とこのクルマの魅力を語る。そして「いつかはスピードスターの全国オフ会をしたいですね」夢を語ってくれた。
クルマを愛でるだけでなく、そこから繋がる縁を大切にしている鈴木さん。これからも少しずつ手を入れながら、スピードスターとその仲間ともにカーライフを楽しんでいくことだろう。
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みんなのコメント
エリーゼ、オペルスピードスター、ルノースポールは兄弟と言えますわな