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EVの霊柩車 ロングボディの日産リーフ、海外で注目度アップ 電動ならではの課題も

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EVの霊柩車 ロングボディの日産リーフ、海外で注目度アップ 電動ならではの課題も

重量増加はわずか 静かな霊柩車

日産リーフの「霊柩車」仕様が英国で登場した。62kWhバッテリーのリーフをベースに、葬儀用車両やリムジンのコーチビルダーである英国のウィルコックス・リムジン社が改造したものだ。

【画像】霊柩車もEV化の時代?【日産リーフの霊柩車仕様と標準モデルを写真で比較する】 全45枚

この霊柩車は、前席にドライバーと葬儀のコンダクターを、後方に長さ2mの棺など最大230kgの積載物を載せることができる。

ウィルコックス・リムジン社は、純正のルーフとピラーを取り外し、リサイクルされたカーボン製パーツに交換。専門デザイナーがスタイリングを手掛けた。ボディは80cm延長され、バッテリーパックは重量配分を最適化するために後方に移動。リアセクションは剛性とブレースが強化されている。

このような改造を施し、全長・全高ともにサイズアップしたにもかかわらず、標準のリーフより3%しか重くなっていないという。その最も大きな理由は、リアドアとリアシートが取り除かれていることだ。従来の霊柩車は少なくとも4人が座れるシートを備えているが、今回のモデルは2人乗りとなっている。

ウィルコックス・リムジン社の創業者ウィリアム・ウィルコックスの孫にあたるルイス・ウィルコックス氏は、この霊柩車仕様のリーフが英国内の大手葬儀会社から好評を得ているとし、環境意識の高い顧客のために、より環境負荷の低い霊柩車が求められていると述べた。

「リーフの霊柩車は、愛する人のために、シンプルで環境に優しい埋葬や火葬を求める人が増えている中で、理想的なモデルです」

走りは上々 EVならではの悩みも

編集部は、同社が開発した霊柩車仕様のリーフを、荷を載せずに試乗した。リスタイリングはシンプルでありながらインテリジェントかつ繊細で、製造品質も非常に高いものだった。ハイルーフに大型テールゲートなど、日産純正のステーションワゴンと見紛うばかりのまとまりのあるデザインだ。

走行性能としては、わずかな車重増加による影響も受けず、淡々とした走りを見せる。郊外のでこぼこ道では落ち着いていて快適。速度を上げても、狙い通りのコーナリングを見せてくれる。唯一の不満は、深めの段差を乗り越えるときに顕著な衝撃を受けることだ。62kWhバッテリー搭載車の最大航続距離は340kmで、標準より若干短いという。

電動ゆえに静かなのは当然だが、これは霊柩車というクルマの特性にとって理想的である一方、仇となるケースもあることをウィルコックスは認めている。

「葬儀の行列で霊柩車の前を歩くコンダクター(葬儀ディレクター)は、振り向かずに車両の位置を把握する必要があります。しかし、リーフでは車両が動いているかどうか気付けない可能性があります。こうした事態を避けるために、リーフのバック警告音を応用して音を出すことにしました」

注目度は高いが車両重量に課題も

リーフの霊柩車仕様は10万9950ポンド(約1770万円)からで、ジャガーXJの霊柩車仕様14万5000ポンド(約2340万円)より安くなっている。ウィルコックス社は、7月にロンドンの王室葬儀を担当する葬儀社Leverton & Sons社にリーフ霊柩車を納車した。現在、他の葬儀会社からも12台を受注しており、今後4か月の間に納車する予定である。

一方で、懸念もある。英国では2030年にガソリン車とディーゼル車が、2035年にはハイブリッド車の販売が禁止される。しかし、ウィルコックス社は、EVの霊柩車への改造、特に英国の葬儀業界が慣れ親しんでいる8人乗りのリムジンについては、厳しい時期が続くと予測している。

「車両積載量が問題です。公称積載量を最大25%増やすことが認められていますが、これには改造の追加重量と乗車定員の重量が含まれています。EVはもともと重いクルマなので、ガソリン車やディーゼル車よりも積載量が少なく、乗員を増やすことは難しいのです」

そのため、まだしばらくは従来の化石燃料で走る霊柩車やリムジンが主力となることが予想される。EVが十分に軽量化されれば、電動の葬儀車両も普及していくだろう。

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