2024年7月、トヨタ GR86とスバル BRZの年次改良が発表された。両モデルに共通するものとしては細かないくつかの改良が入ったが、走りに楽しさが増す興味深い改良となっていた。超ウェットコンディションの中、国沢親方が試乗する!!
※本稿は2024年7月のものです
文:国沢光宏/写真:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年8月26日号
[GR86]に”ハリアーの技術”投入で質感爆増!! 走る楽しさがさらにアップ! BRZとの細かすぎる違いとは?
■細かな改良でさらに楽しく
ヘビーウェットとなった今回の試乗だが、それだけに挙動がわかりやすく伝わった面もある。細かな改良の効果がわかった
年次改良を行ったGR86とBRZの試乗会が富士スピードウェイで行われた。年次改良のため、大きな変更点は「なし」。
両モデルに共通するのは、
1.ダンパー特性の変更
2.電動パワステのアシスト特性変更
3.アクセルレスポンスの変更
4.AT車のシフトダウン可能回転数を1500回転アップする
という4点。
1.から試してみたい。GR86について言えば開発段階からシャープなハンドリングを狙った結果、少しばかりヤンチャな傾向を持っていた。
今回のようなヘビーウェットだと滑り始めのコントロール性が少しばかりシビア。上級ドライバーじゃないと自由自在に振り回すのは難しかったように思う。
という点を開発チームも認識していたということで、滑り始めの味を追求したそうな。
改良型でコースインして攻めてみたら、なるほど! 私くらいのテクニックでも(普通の人の上限といったイメージ)コントロールできるようになっている。
この傾向、BRZも同じ。デビュー当初から滑り始めのインフォメーションはGR86より明確だったけれど、今回の改良で横Gをかけた時の手応えが“明晰”になっており、一段と意のままに走れるようになった。
全体的なコントロール性はBRZやや優位にあるけれど、ドライ路面でイッキにテールを流そうとする運転を好むのなら、GR86って華やかです。楽しいと表現してもいい。
また、走り出してすぐ感じるBRZの上質感は依然として明確。ナックルの素材の違い(GR86が鋳鉄。BRZはアルミ)による振動特性の差、大きいです。元気なのはGR86で、しっとりした乗り味を好むのならBRZとなる。
■GR86とBRZにある微妙な味の差
キャラクターの違いはやや小さくなったが、元気なGR86、しっとり系のBRZという性格は変わらず
2.はスバルの開発陣も認めるトヨタの技術である。
現行ハリアーから突如電動パワステのフィールがよくなった。そのノウハウをGR86/BRZにも導入したということ。素直な操舵感と、微細なコントロールを受け付けてくれるようになった。
ヘビーウエットだとハンドル回しっぱなしでステアフィールなんか関係ないかと思いきや、カウンターステア当てた時のリニアリティがよくなってます。
3.について言えばGR86とBRZで方向性が違う。
GR86はペダル開度に対しアクセルを敏感に開ける方向。BRZの場合『スポーツ』というモードを作り、昔のワイヤーコントロールと同じく、アクセル開度とスロットルの開け方を1対1にしている。これまたGR86は華やかさ重視。BRZが自然なエンジンフィールを重視したと考えていい。
明確な違いがあるかと聞かれれば「コースインしてアドレナリンどばっと出ちゃえばどちらも楽しい」というしょうもない試乗インプレッションになっちゃいます(笑)。好みでどうぞ。
トヨタ GR86/スバル BRZ 価格表
●このクルマのPOINT
・走りに手を入れる改良は、2代目のデビュー以来初めて
・スロットル特性、ダンパーセッティング、MT&ATの制御を細かく改良
・デイライトの新規設定以外、内外装の変更点はなし
●トヨタ GR86 RZ 6MT 主要諸元
・全長×全幅×全高:4265×1775×1310(アンテナ含む)mm
・ホイールベース:2575mm
・車両重量:1270(1290)kg
・最低地上高:130mm
・エンジン:FA24型/フラット4、2.4L・DOHC
・最高出力:235ps/7000rpm
・最大トルク:25.5kgm/3700rpm
・WLTCモード燃費:11.9(11.7)km/L
・使用燃料/タンク容量:ハイオクガソリン/50L
・駆動方式:FR
・サスペンション形式:ストラット/ダブルウィッシュボーン
・タイヤサイズ:215/40R18
・価格:351万8000円(361万6000円)
※( )は6AT車
【画像ギャラリー】まだまだ改良の余地あり!! 理想の走りを貪欲に追求するトヨタ GR86/スバル BRZ(28枚)
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読みにくい伝わらない妄想ばかりの記事
読む価値も無い