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パイクスピークにも出場した “魔改造”された40年前の「パンテーラ」をオークションで発見 レース仕様のスゴい“デ・トマソ”とは

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パイクスピークにも出場した “魔改造”された40年前の「パンテーラ」をオークションで発見 レース仕様のスゴい“デ・トマソ”とは

特注レース仕様の外観と中身

 2025年5月にアメリカで行われたオークションにおいて、特注のレーシング仕様に仕立てられたデトマソ「パンテーラ」が出品されました。

【画像】スーパーカー世代にはお馴染みの「パンテーラ」レース仕様を画像で見る(28枚)

 グループ5スタイルを模したこの車両は、どのような特徴を備えていたのでしょうか。

 パンテーラは、イタリアのデ・トマソ社が1971年に発表したスーパーカーで、北米市場ではフォード系ディーラーで正規に販売され、ZF製5速MTや4輪ディスクブレーキなどを備えた高性能モデルとして知られました。

 フェラーリやランボルギーニよりも手頃な価格でありながら、その実力とデザイン性で高い人気を博しました。

 今回出品された車両は、1980年代半ばにDale Bargman Racingによって製造された個体で、グラスファイバー製のGT5スタイルボディとカスタム製クロモリチューブシャーシを組み合わせた特注モデルです。

 公道走行は不可能なレース専用車で、ボディは赤白黒の3色で塗装され、「#77」のナンバーと共に存在感を放ちます。

 カリフォルニアのLong&Newman Enterprisesによって組み立てられたとされる外装には、大型のクラムシェルフード、フロントスポイラー、2段リアウイングが装備されています。

 デュアルエキゾーストや外部キルスイッチなども備え、純正仕様とは一線を画します。

 足まわりには16インチのJongbloedレーシングホイールを装着し、タイヤは交換が必要なHoosier製レーシングスリックです。

 サスペンションは前後とも独立式で、Koni製の調整式コイルオーバー、前後アンチロールバー、可動式アーム類を備えています。ブレーキはウィルウッド製6ピストンキャリパーとスロット付き2ピースローターの組み合わせです。

 インテリアには黒布張りのKirkey Racing製固定バックバケットシートが1脚のみ設置され、Crow Enterprisesのマルチポイントハーネスを装備。パッド付きのロールケージにはドアバーを組み込み、消火システムも完備されています。

 ダッシュボードはアルミ製で、10krpmタコメーターと各種補助計器を装備し、速度計やオドメーターは非装備です。代わりにホッブズ製の時間計が設置されており、94時間を表示しています。

予約価格には達しなかったため落札には至らず

 パワートレインは396ci(約6.5L)のV8エンジンで、9.2インチのフォンタナアルミブロックをベースにCNCポートのErnie ElliotシリンダーヘッドやJEピストン、Bryant Racingクランクシャフトなど高性能部品で構成されています。

 ホリー850-CFMキャブレターや180度エキゾーストヘッダー、ドライサンプ潤滑、オイルクーラーなども装備され、サーキット仕様の内容です。

 トランスミッションはZF製5速MTで、リミテッドスリップディファレンシャルとリンクされ、レーシングアクスルを介して後輪に動力が伝達されます。

 燃料供給系も改造されており、燃料ブラダーが必要な17ガロンの燃料電池をキャビン前方に配置し、SPAL製電動ファンを備えたアルミラジエーターと組み合わせられています。

 このパンテーラは、これまでにロード・アメリカやパイクス・ピーク、アスペン・モータースポーツ・パークなど複数のレースイベントに参加しており、今回の出品にはスペアパーツも多数含まれていました。

※ ※ ※

 今回のデトマソ「パンテーラ」グループ5スタイルレースカーは、2025年5月20日に6万7600ドル(日本円で約1050万円)で最高入札されましたが、予約価格には達しなかったため落札には至りませんでした。

 カスタム度の高さと希少性から注目を集めたものの、公道不可という制限も評価に影響したと考えられます。(Peacock Blue K.K.)

文:VAGUE Peacock Blue K.K.
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