ポルシェ・モータースポーツの責任者であるトーマス・ローデンバッハは、スポーツプロトタイプの最高峰カテゴリーにおける共通ルールセットに関する議論が活発化する中、2030年までにWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で、単一のトップクラスのプロトタイプ・プラットフォームを導入することについて「可能」だと考えていると述べた。
■「メーカーが同意すればどんな変更も可能」
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以前から、現行のLMDhとLMH(ル・マン・ハイパーカー)の2方式に代わる統一プラットフォームのアイデアを提案していたローデンバッハは、この構想がメーカーのワーキンググループ会議において引き続き重要な議論の焦点となっていることを示唆した。
9月初旬にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されたWEC第6戦の際、ローデンバッハは記者団に対し、WECがハイパーカー・カテゴリーの2032年までの延長を発表したにもかかわらず、FIA、ACO、IMSAはトップクラスの正確なルールをまだ確定させていないと指摘した。
「正確に言うと、当初は2027年までの5年間のホモロゲーション期間があった。これは、2029年まで延長された」とローデンバッハ。
「その後、ハイパーカー・クラスの2032年までの延長が発表されたが、ホモロゲーションやルールについては一切触れられていなかった」
ローデンバッハの発言は、IMSAジョン・ドゥーナン会長の発言と一致する。ドゥーナンは6月、Sportscar365に対し、今後10年間でハイパーカー/GTPテクニカルクラスのレギュレーションに「進化」が見られる可能性があると示唆していた。
2030年より前にレギュレーション変更が行われる可能性について問われたローデンバッハは、「もっと早ければ最高だ。ただ、それが可能かどうかは分からない」と答えている。
さらに彼は、「結局のところ、マニュファクチャラーが同意すれば、統括団体はどんな変更もできると思う」と付け加えた。
「だが、現状では、実際の車両のホモロゲーション期間は2029年までだ」
「このふたつの、いわば難しい技術規則を統合するというアイデアを支持するかと聞かれたら、もちろん賛成だ。私は1年半前にもそう言った」
「ほとんどの人は笑っていたがね。ただ、状況は大きく変わったと思う。私がそう提案したのは、今我々が目にしているような、ある種の期待を抱いていたからだ」
「他のメーカーの同僚や、そして統括団体との話し合いを踏まえると、これは良い一歩になるという点で、ある程度の合意が得られていると思う」
「それをどのように行うか、具体的な時期については私からは言わない。もちろん、いくつかの制約はあるが、一般的に言えば、確かに良い一歩になると思う」
FIAとACOはこの件について公式コメントを出していないものの、ジェネシス、フォード、マクラーレンといった新規参入メーカーが今後2年以内にLMDh仕様のマシンをデビューさせる予定であることから、2030年より前に技術規則が変更される可能性は低いと見られている。
さらに、プジョーは2027年シーズンに向けてWECに新型マシンを投入する計画を進めている。
しかしローデンバッハは、議論の中心は『LMHの廃止と現行LMDh規則の採用』ではなく、『メーカーが独自のシャシーとハイブリッドシステムを開発できる可能性のあるLMDhの修正版』であるべきだと強調した。
現在、LMDhのOEMは4つのシャシーメーカーから1社を選択しなければならず、さらにLMDh車両は後輪駆動の共通ハイブリッドパワートレインを搭載している。
LMH規則で認められ、トヨタ、フェラーリ、プジョーが採用している四輪駆動が障害となっているかと問われると、ローデンバッハはより細かい点が重要だと答えている。
「一連のルールが、誰もに同じベースを提供することは、ほぼ確実だと私は考えている」と彼は述べた。
「それが、我々が話していることだ。現在のLMDhに厳密に従う必要があるというわけではない。原則として、誰もが同じ可能性を持つ必要があるということだ」
「我々は、多くのメーカーがトップレベルで参戦するFIA世界選手権について話し合っている。もっとも重要なのは、小さな違いが違いを生むということだ。誰もが同じ可能性を持つようにするべきだ」
シャシーとハイブリッドシステムに加えて、ソフトウェアチューニングに関しても同等の自由度を認めることの重要性をローデンバッハは指摘する。それは現在、LMDhではLMHよりも大幅に制限されているものだ。
「LMDhマシンには共通のハイブリッドシステムが搭載されており、我々は実際に手を加えることはできず、ただそれを使うだけだ。(キャリブレーション以外の)ソフトウェアは一切使えない」
「LMHであれば、制御システムのソフトウェアも使える。これは大きな違いだ。独自のシステムなら、ソフトウェアを操作できる。これは、誰にとっても同じであるべき点だ」
[オートスポーツweb 2025年09月16日]
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みんなのコメント
そんな自動車レースの根源を否定するようなことするくらいなら最初からワンメイクでやれよ。
トヨタは継続する意思さえあれば勝手に合わせてマシン作れるし。
そもそも力のある大きなメーカーがWECから居なくなったからBoPを適用しなくちゃいけなくなったんだ。