運営元:旧車王
著者 :野鶴 美和
いま、ネオクラシックカーを初めて手に入れたいと考える人が知るべき『5つの覚悟』とは?
1990年代から2000年代前半にかけて生産された「ネオクラシック」と呼ばれるクルマが人気だ。最近は若い世代のオーナーも増えつつある。幼い頃から、漫画やレース映像などで親しんでいたなどの原体験をもつオーナーが多いように感じられる。
いっぽうで、実際クルマを手に入れても「整備費用が払えずに手放した」とか「どこに相談すればいいのか分からなかった」という声も少なくない。
困難を乗り越えているオーナーの多くは、共通点を持っている。それは「主治医(かかりつけのショップや整備士)」との関係を築いていることだ。
愛車の変化に気づいてくれる。予防整備を提案してくれる。まるで主治医のような存在が、旧車の維持を可能にしてくれる。
今回は、旧車ライフに欠かせない主治医のような整備士が、なぜ重要なのかをあらためて考えてみたい。
■1.履歴と経験にひもづいた診断ができる旧車のトラブルは、突然発生するように見えて必ず予兆がある。これに気づけるか(事前に対応できるか)どうかだ。
異音や振動、匂いなどの違和感を見逃さず、先手を打つことが致命的なトラブルを回避できるかどうかの分かれ目になるといってもいいだろう。
そのためには、愛車の整備履歴を把握し、クセや傾向を読み取れる主治医の力が欠かせない。履歴と経験がひもづいたメンテナンスができる主治医の存在は、大きな意味を持つ。スポット対応の場合、それは難しいだろう。
例えばあるオーナーの話だが、愛車の水温計がいつもよりも高めの数値を示していることに主治医が気づいた。すぐに「クーリングファンが動いていないかもしれない」と判断。確認すると案の定、左右のファンのうち片方が停止していたそうだ。
こんな例も聞いたことがある。エンジンのかかりにくさを相談した際には「このクルマは○○(同メーカー別車種)と症状が似ている」と、経験と車種知識をもとに原因を的中させたという。
豊かな経験をもつ整備士は、クルマの過去と未来を見ることができる。
■2.トラブルを突破する実行力を持っている旧車ライフには、ある種の覚悟が求められる。ときに「乗り続けることが無理かもしれない」と思う瞬間が訪れる。
例えば部品が出ない、保険の見積もりが通らない。また、原因不明の不具合に行き詰まることもある。「詰んだ…」と思うような状況でも、経験とネットワークを持った整備士がいれば活路を見出せることもある。
あるオーナーは、廃番となった部品を製作してもらったことで、愛車を延命できたという。
こんな例もある。事故の際に部品代の見積もりが出せないことから、保険会社とのやりとりが滞ってしまった。そこで主治医が部品の実勢価格や入手ルートを調べ、根拠となる明細を提示したことで解決に結びついたそうだ。
こうした対応が可能なのは、日頃から「何が入手できて何が代用できるか」という部品の供給状況を把握しているからだ。
このように「修理できるかどうか」ではなく「どうすれば修理できるか」を一緒に探してくれる安心感が、愛車の維持にもつながる。
■3.不安な時間に寄り添ってくれる繰り返しになるが、旧車は壊れる。
そして修理には時間がかかる。部品待ち、優先順位の都合など避けては通れない。
それでも、何の音沙汰もないまま何週間も待つのと「今こういう状態です」「◯日から着手します」という進捗報告、必要なら写真や動画を添えてくれるのとでは、オーナーの心理的負担がまるで違う。
あなたの信頼する主治医を思い浮かべてほしい。豊かな経験と技術はもちろん、オーナーの気持ちも汲んでくれているように感じられないだろうか。
何が起きているかを共有しながら、まるで一緒に乗り越えているような感覚は、旧車を維持していくうえで心の支えになる。
■4.オーナーに合った整備を提案してくれる旧車の整備に正解はない。同じ症状でも交換部品の範囲や修理の方法、費用や時間は異なってくる。
だからこそクルマの状態、オーナーの予算、理想とするコンディションを把握したうえで、いわゆるオーダーメイドな整備計画を提案してくれる主治医は頼りになる。
一気にやるのか、段階を分けるのか。新品を使うのか、中古や代替品を利用するのか。主治医なら「この使い方ならここはまだいける」「ここをやるなら次はここが弱る」といった見立てができる。
限られた予算でやりくりする若い世代のオーナーや、日常使いしているオーナーにとっては心強い。
■5.主治医との関係そのものが愛車維持のモチベーションにつながる技術はもちろんだが、信頼できる主治医との関係性も、カーライフを支える大きな要素になることは間違いないだろう。整備方針を一緒に考えられる関係ができると、モチベーションも揺らぎにくくなる。
しかし「一見さんお断り」としているショップは少なくない。
それは、作業効率やトラブルの回避といった理由や、クルマとオーナーを長く見守っていきたいという姿勢の表れでもある。
そんな主治医と出会いたいが、実際に接してみなければわからない。最初から大きな修理を依頼するのではなく、オイル交換や軽整備などからはじめて、整備士の姿勢や考え方にふれたい。
言葉のキャッチボールを重ねながら少しずつ信頼を築いていくことが、長く付き合える主治医との出会いにもつながる。
■まとめ:主治医との信頼関係を築く際にはオーナーの姿勢も問われる5つの理由からもわかるように、主治医の重要性は多くのオーナーが実感していることだろう。加えて、整備士との信頼関係を築くには、オーナーの姿勢も問われていることを忘れないようにしたい。
たしかに、ようやく手に入れた1台に思いが強くなるのは自然なことだ。メンテナンスに対して意見したくなるのも、真剣さのあらわれかもしれない。
だが、主張を通そうとしたりネットで調べた知識や持論をぶつけたりするなど、疑うような態度で接してしまうと、主治医との信頼関係は築きにくい。
「謙虚になる」とは黙って従うことではない。希望や疑問は伝え、委ねるべきところは任せよう。そのバランスが主治医との信頼関係を育み、カーライフの土台となるのではないだろうか。
[画像・日産,Adobe Stock、ライター・カメラ / 野鶴美和]
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次の世代がいないのが大問題。