F1第7戦モナコGPのフリー走行が実施された。トップタイムをマークしたのは、フェラーリのシャルル・ルクレールだった。
現地時間17時からのスタートとなるFP2。しかし気温は31度、路面温度52度というかなり暑いコンディションで走行開始時間を迎えた。
60分のセッションが開始されると、まずは多くのマシンがミディアムタイヤでコースイン。FP1でミディアムタイヤをすでに2セット使ったフェラーリ勢は、ハードタイヤで走り出した。
FP1でマシントラブルに見舞われたミック・シューマッハー(ハース)がセッション序盤からコースインした他、同じくFP1でトラブルが発生しほとんど走れなかったバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は10分ほどピットで過ごした後、コースインした。
アルファタウリの角田裕毅は、タイヤスモークを上げながらターン1のエスケープゾーンに逃れる場面も。タイヤにダメージを負ってしまったのか、振動がひどいと訴えて早々にピットに戻った。
各車マシンの感触を確かめ、限界を見極めるように少しずつタイムアップしていく中、セッション開始から14分を過ぎたところで、ダニエル・リカルド(マクラーレン)がプールサイド・シケインへのアプローチで挙動を乱してクラッシュしてしまった。
これでセッションは赤旗中断。リカルドは走行開始直後、2周目のクラッシュでセッションを終えることになってしまった。
セッション残り37分でセッション再開となると、ここで各車が続々と新品のソフトタイヤを履いてコースイン。モナコでは最重要セッションとなる予選を想定したアタックを開始した。
まずはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が1分13秒台に入ると、それをレッドブル勢が上回っていった。トップに立ったのはセルジオ・ペレス。1分13秒324をマークし、0.031秒差でマックス・フェルスタッペンが続いた。
これをさらに上回ったのが、地元のルクレール。1分13秒125を叩き出し、ペレスに0.199秒差をつけた。その後、フェルスタッペンが負けじとトップタイムを塗り替えるものの、ルクレールがつき放すように1分12秒764をマーク。チームメイトのカルロス・サインツJr.も僅差でフェルスタッペンを上回る2番手に飛び込んだ。
ルクレールの勢いは衰えることなく、3度目のアタックでさらにタイムアップに成功し、1分12秒656を叩き出した。サインツJr.やレッドブル勢もその後アタックを繰り返し、サインツJr.は0.044秒差まで肉薄したものの、ルクレールのタイムを上回ることはできなかった。
セッション残り15分を切ると、ピットに戻っていたマシンがコースに戻りロングランを開始。フェラーリ勢も、残り9分頃に走行を再開した。
短い時間ながらも各車がソフトもしくはミディアムタイヤのデータを集める中、60分のセッション終了。FP1に続いて、地元のルクレールがトップタイムとなった。
フェラーリはサインツJr.も揃って好タイムをマーク。ライバルであるレッドブル勢に対して0.3秒の差をつけており、フェルスタッペンの連勝を3勝で止めるべく、好スタートを切ったと言えよう。特にF1モナコGPを完走した経験すらないルクレールは、母国レースでのジンクスを今年で断ち切りたいところだ(2018年は完走扱いだがチェッカーを受けられず)。
レッドブル勢はペレスが3番手、フェルスタッペンが4番手。モナコはオーバーテイクが難しく、今季の強みになっているレースペースの良さとタイヤマネジメントが武器にならない可能性が高い。金曜日の夜は、改善を目指してデータを分析することになりそうだ。
この2チームに次ぐポジションにつけたのはマクラーレンのランド・ノリス。チームメイトがクラッシュする中、好位置につけた。メルセデスはジョージ・ラッセルが6番手となった一方、ルイス・ハミルトンが12番手に沈んだのは気になるところだ。
2台揃って同じようなタイムを出しているチームは少なく、アルファタウリもピエール・ガスリーが7番手、角田はそこから0.5秒ほど遅れて10番手となった。ただ角田はソフトタイヤで連続14周走った中でベストタイムを出しており、タイムアップの余地は多くありそうだ。
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