オートポリスで行なわれたスーパーフォーミュラ第4戦では、レース序盤の5周目に小林可夢偉(KCMG)と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が接触し、小林は2コーナー外側のバリアに激しくクラッシュした。当時の状況について、坪井が口を開いた。
中継映像では鮮明な映像が映し出されず、詳しい状況が明らかになっていなかったこの接触だが、当事者の証言によってその全貌が明らかになってきた。
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「1コーナーにかけては僕と可夢偉選手の2台で争っていて、僕はアウト側でした。ブレーキングでは抜けないと思い、クロスラインを取るような形で、2コーナーにかけては可夢偉選手がアウト側、僕がイン側で立ち上がっていきました」と語るのは坪井。彼はさらにこう続ける。
「僕の方が出口の加速が良かったので、3コーナーで抜けそうだと思い、インをキープしたいと思っていました。当然、可夢偉選手は抜かれたくないので防御に入る訳ですが、彼が防御に入ったタイミングと僕が抜きにかかったタイミングが合わなかったんです。可夢偉さんは僕を見て少し隙間を空けてくれましたが、その段階で僕は右フロント、右リヤのタイヤが(2コーナーのイン側の)ダートに落ちていていました」
その結果2台は交錯し、坪井のフロントウイングが小林の右リヤタイヤをカットしてしまった模様。そして体勢を崩した小林は200km/h以上のスピードでウォールにぶつかってしまった。小林は「僕は大丈夫ですが、マシンは残念ながら大きなダメージを負ってしまいました。彼(坪井)も熱くなっていたんだと思います。彼は謝罪してくれていますが、避けられたアクシデントだったと思っています」と話している。
坪井はこの接触に関する非があったと判定され、ドライブスルーペナルティを受けた。「ダートに落ちる前に僕が『これ以上は無理だ』と思ってブレーキを踏めば間に合ったかもしれませんが、そこの判断が少し遅かったかもしれません。走る中での意思疎通ができずにぶつかってしまったのだと思います」と語る坪井。13位フィニッシュとなり、ポイント獲得はならなかった。
今週末、坪井はマシンに手応えがあったという。しかし、予選Q1では計測1周目でのアタックを敢行すると、ライバルたちが計測2周目でのアタックを前提にゆっくりとタイヤをウォームアップしていたために自らの思い通りに走行ができず、Q1落ちの13番手。「予選であの順位になったことが全ての引き金になっているように感じます。流れが悪い時はとことんこうなるんだなと……」とさすがに落ち込んだ様子を隠さなかったが、それでも「めげてもしょうがない」と語った。
「今季は速さがある中で結果に全然繋がらないので、精神的に辛い部分はありますが、めげてもしょうがないです」
「速さはあると言っても、もう少し必要だと思います。もう1ステップ上に上がることができれば、楽にQ1を通過できるはずなので、少しミスがあればQ1落ちしてしまうようなレベルではなく、常にトップタイムを出せるレベルまで速さを磨きたいです」
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