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「ジムニー」意外と弱い!? 水没した道もへっちゃら 悪路走破性ナンバー1のクルマはコレだ!

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「ジムニー」意外と弱い!? 水没した道もへっちゃら 悪路走破性ナンバー1のクルマはコレだ!

集中豪雨が発生する梅雨の時期、道路の冠水に要注意

 昔から1年で最も過ごしやすいといわれる5月が終われば、雨がシトシトと降り続き、ジメジメと湿った空気が不快な梅雨がやってきます。

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 梅雨で問題となるのが、集中豪雨による道路の冠水です。短時間に激しい雨が降ると側溝などの排水設備の処理能力が間に合わず、道路に深い水たまりができて交通に支障をきたすことがあります。特に立体交差などのアンダーパスでは、道路が掘り下げられていて水が溜まりやすいことに加え、近づくクルマのドライバーは冠水した路面が見えにくく、深さがわからずに突っ込んでしまう恐れがあります。

 スピードが出ている状態でクルマが勢いよく水たまりに突っ込むと、吸気口からエンジンに水が入り、ウォーターハンマー現象によってエンジン内部を破損させる恐れがあるほか、エンジンオイルへの水の混入や電気系のショートなどが原因の故障を招く可能性があります。また、クルマの破損や故障だけでなく、クルマが水没すると、パワーウインドウが故障して窓が開かなくなったり、水圧でドアが開かなくなったりして、車内に閉じ込められてしまう危険性があります。

 集中豪雨やゲリラ豪雨のとき、もしアンダーパスや窪地を通過することになったら、スピードを落として注意しながら進み、冠水している場合は立ち入らないというのが基本です。

 万が一、迂回路がなく止むを得ず冠水路を通過する場合には、水の流れがないことを確認し、可能ならクルマが通過できるかどうか水深を確かめてから、アクセルペダルの踏み込む量を一定にしたまま、徐行しなければなりません。

 一般に自動車の通過が可能な水深はタイヤの半分の高さまでとされ、最低地上高の低い乗用車の場合、水深15~20cmが限界となります。クロスオーバーSUVなど最低地上高が高めの場合、車種によっても異なりますが、おおよそ20~25cmの水深までは走行できるようです。ただし、走破性能は乗用車にほぼ準じるため、過信は禁物です。

クロカン4WDでナンバー1の渡河性能を持つ車種は?

 一方、オフロード走行を前提に設計されたクロスカントリー4WD(以下、クロカン4WD)の場合、渡河能力を有していることが多く、車種にもよりますが、かなりの水深まで走行が可能なようです。

 一例を挙げると、ドイツ語でオフローダーを意味する「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字が付いたメルセデス・ベンツ「Gクラス」の場合、その出自が軍用車ということもあり、先代の「W463」型が60cmまで、現行型の「W463A/W465型」では水深70cmまで走行可能です。また、日本を代表するクロカン4WDのトヨタ「ランドクルーザー」は、「70系」「250系」「300系」のいずれも無改造の状態で水深70cmまでの渡河深度がメーカーにより保証されています。

 そして、「Gクラス」や「ランドクルーザー」を上回る渡河性能を誇るのが、ジープ「ラングラー・アンリミテッド」です。その最大渡河深度は76.2cmと、さすがは第2次世界大戦を連合軍の勝利に導いたと評される軍用車の末裔といった印象です。

 しかし、ジープをさらに上回る渡河能力を持つクルマがイギリスに存在します。それはキング・オブ・オフローダーといわれるランドローバーの「ディスカバリー」、「ディフェンダー」、「レンジローバー」です。その最大渡河深度はじつに90cmあります。

 本格的なクロカン4WDの「ディスカバリー」と「ディフェンダー」はともかくとして、高級SUVの「レンジローバー」が世界トップクラスの渡河性能を持つことに驚きを感じる人がいるかもしれません。このクルマの生みの親であるスペン・キング技師が、乗用車と変わらぬ快適性を持つ究極のクロカン4WDとして初代「レンジローバー」を開発したことから、ラグジュアリー色の強くなった現行モデルも妥協のないオフロード走破性能を引き継いでいるのです。

「ジムニー」は意外と水に弱い。冠水路の走行は要注意

 さて、ここで気になるのが軽自動車/小型乗用車ながら本格的なクロカン4WDとして誕生した「ジムニー」シリーズです。結論を言ってしまうと、このクルマの最大渡河深度はノーマルの状態で30cmと、乗用車よりも多少マシな程度の性能しか持ち合わせていません。それというのも、「ジムニー」シリーズはデファレンシャルという機械部分の防水対策が施されておらず、水中を無理に走行すると内部に水が浸入し、不具合を起こす可能性があるからです。

「ジムニー」シリーズで冠水した場所を走る場合は、デファレンシャルの内圧を下げるブリーザーに延長ホースを取り付けることで、30cmを超える深さでも走行が可能になります。また、サスペンションをリフトアップすることでも最大渡河深度を引き上げることができます。しかし、ブリーザーに延長ホースを取り付けても、トランスファーが防水設計となっていないため、ノーマル車高の場合、50cmを超える水深は走行できません。

 また、いずれの車種の場合でも、水底の障害物に乗り上げるなどして水の中でエンストするとマフラーから水が侵入し、排気ガスを浄化させるための触媒が破損したり、エンジンが壊れてしまったりする恐れがあります。

 本格的なクロカン4WDを運転する場合でも、あくまでも冠水路の走行は最終手段であり、避けられるものならなるべく避けるべきでしょう。(山崎 龍(乗り物系ライター))

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みんなのコメント

61件
  • bil********
    ひき逃げの解体作業中国人が、どうやってディフェンダーを手に入れたのか疑問だ。
  • ore********
    そもそもジムニーは書いてある通りの他、車幅がなく高さがあってバランスが悪く、かつとてつもなく軽いので、間違っても流れのある所に入っていかない方がよい。元23より
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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