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致命的なペナルティに「行き場がなかった」と不満のエストーレ。チームは抗議するも却下/ニュル24時間

掲載 更新 7
致命的なペナルティに「行き場がなかった」と不満のエストーレ。チームは抗議するも却下/ニュル24時間

 6月21~22日にドイツのニュルブルクリンクで行われた第53回ニュルブルクリンク24時間レースでは、レース終盤に入るまで僅差のトップ争いが繰り広げられた。そのバトルのなかで周回おくれのGT4マシンと接触、ペナルティを受けたことでマンタイEMAは優勝を逃す結果となったが、当時この911号車ポルシェ911 GT3 Rをドライブしていたケビン・エストーレは、「フラストレーションと失望」を露わにし、もし同じ状況がめぐってきたとしても「同じことをするだろう」と語った。

 エストーレがアイハンカン・ギュベン、トーマス・プライニングとともにドライブした911号車は、24時間レースのトップチェッカーを受けながらも、100秒のタイムペナルティが加算された結果、リザルトでは2位へと後退した。

ローヴェBMWが総合優勝。トップチェッカーのマンタイは100秒ペナルティに泣く/第53回ニュル24時間

 このペナルティは、エストーレがドゥーア・モータースポーツのアストンマーティン・ヴァンテージGT4(179号車)と接触した事故に対して科されたものだ。

 エストーレは、結果的に優勝することになるローヴェ・レーシング98号車BMW M4 GT3のラファエレ・マルチェッロとバトルを繰り広げていたが、カレンハルトとヴェールザイフェン間のセクションで、より遅いGT4マシンの後ろに追いついた。

 エストーレはロルフ・シャイプナーが運転する179号車アストンマーティンを追い抜こうとしたが、接触に至り、179号車はガードレールへとクラッシュし、コース上に跳ね返された後、ルーフを下にした状態で停止した。

 エストーレは自身の視点からこのインシデントについて説明し、当初はスムーズに追い越せるスペースがあると予想していたものの、内側の縁石に押しやられて「逃げ場がなかった」と主張した。

「僕らはトラフィックに巻き込まれていて、目の前のGT4は3回連続でブルーフラッグを受けていた」とエストーレはレース後の記者会見で述べた。

「彼はそのトリプルライトがあったため、ドアを開けたままにしていた。僕が内側に入ったときにはスペースがあったのに、彼が内側に曲がってきたら、もう僕にはスペースがなかった」

「彼が近づいてくるのが見えてブレーキをかけた。縁石に完全に乗り上げていて、逃げ場はなかった」

「彼は左側に充分なスペースがあったのに、明らかに僕のことを見ていなかったか、もっと後ろにいると思っていたのだろう。彼にとっては残念なことだ」

「彼が無事でよかった。レースにおいては、僕らは何度もこういう状況に直面することになる」

「正直に言うと、もし同じ状況が再び訪れたとしても、僕は同じことをするだろう。だから、僕にとっては何も間違ったことはないんだ」

「これはレーシング・インシデントだ。もちろん、インシデントには必ず2台が関与するものだが、僕はインサイドにいた」

「そこには少しスペースがあった。僕がインサイドにいたということは、アウトサイドのクルマは1台分のスペースを空けなければならないと思うのだが、それはなかった」

「僕の前輪が彼のドアに接触したから、ブレーキをかけた時は彼の横をかなり横切っていて、彼がドアを閉めてくるのが見えた。それでインシデントが起きた」

 マンタイは当初、100秒のペナルティが科された際にそれを消化せず、レース終了のわずか数分前に抗議を申し立てたが、却下された。

 その結果、ペナルティは911号車の最終レースタイムに加算されることになり、彼らは最終リザルトでは98号車BMWの後塵を拝することになった。

「彼らは決定を下した。僕らは抗議を試みたが、彼らは抗議を受け入れなかった」とエストーレは語った。

「その後はご存知の通りだ。僕らは先にフィニッシュラインを通過したが、大きなペナルティを受け、レースに敗れた。だから、それは確かに我々にとって悲しい瞬間だ。素晴らしいレースができたと思っている。レース中のたった一度の接触が、結果を大きく台無しにしてしまったのだ」

「それでも、マンタイにとって、ポルシェにとって、そしてふたりのチームメイトにとって、素晴らしい週末となった。彼らはよくやってくれた。マシンは素晴らしく、ずっと先頭を走っていた」

 事故当時、エストーレのすぐ後ろを走っていたマルチェッロは、制御不能になったアストンマーティンを避けようとして縁石の上で大きく跳ねた。

「ビデオを見ると、おそらくアストンに接触することなく直進できたはずだ」とマルチェッロは語った。

「でも、車内にいてそのクルマがこちらに来るのが見えたので、『来るぞ』と思い、進行方向を変えた」

「でもその時、僕は縁石があんなに高いとは思わなかったんだ。問題は、僕が縁石にはぶつからなかったことだ。縁石は避けたのだけど、芝生が割れていて、そこにぶつかって飛び上がってしまった。芝生が原因だったと思う」

[オートスポーツweb 2025年06月23日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

7件
  • uwn********
    世界最大の草レースとはいえブルーフラッグを何度も無視しての接触はエストレも可哀想。
    抜かれる方にも一定の技術が求められる。
    狭いコース所以のアクシデントとはいえペナルティも重すぎると感じる。
  • hom********
    リアルタイムで見てましたけど、あれはどっちが悪いかは素人では分かりませんでした。このレースは色々なカテゴリーが一緒に走るレースで、遅い車はスピード落とさずに横によりそれを速い車が抜いていくという場面がいくつもあり、プロレーサーが阿吽の呼吸でレースを作り上げている感じがすごく伝わってくるレースでした。なので遅い車が疲れや一瞬の判断ミスで進路を変えてしまえば抜いていく車は追突してしまいます。まさにこれが起こった状態で、レーシングンインシデントにも見えました。レースは運も必要なので運がなかったなあと思ってしまいますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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