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【試乗】静かで速くて室内も広々! 新型XC90のPHEVモデルは選んで間違いナシの1台だった

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【試乗】静かで速くて室内も広々! 新型XC90のPHEVモデルは選んで間違いナシの1台だった

 この記事をまとめると

■ボルボXC90にマイナーチェンジが施された

安全神話だけじゃない? 世界的に見れば小メーカーのボルボが日本で伸びる理由とは

■桂 伸一さんがUltra T8 AWD Plug-in hybridに試乗

■デザインや走りについて詳しく解説する

 顔つきが大きく変わった新型XC90

 2014年の誕生からすでに10年。何度かのMC=マイナーチェンジを受けた今回はおそらく最後のMCだろう(筆者予想)新型XC90が上陸した。ボルボはひとつのモデルの寿命が長いことに加えて、MCでも、オーナーにこそ違いはわかるが、一般的にはどこが変わったのか詳しく解説されてはじめてわかるレベルなのも含めてか、古臭さを感じない。

 しかし今回は、パッと見でこれほど印象が変わったボルボも珍しい。いえばAピラーから前はすべて一新した。XC90のフロントグリルは従来の縦格子から、ボルボのエンブレム(アイアンマーク)に因んだ斜めのルーバーが左右から降りてくる大胆なデザイン。「ボルボユーザーのひとりとしてどうですか!?」と聞かれると、正直「?マーク」!! つまりイマイチ。ヘッドライトは新しいトールハンマーデザインに形状が変わり、バンパー、フェンダーやボンネットもそれに合わせて、シンプルでクリーンだが個性的なマスクに変身した。

 今回試乗したのは最上位モデルのXC90 Ultra T8 AWD Plug-in hybrid。エンジンは2リッター直列4気筒16バルブのガソリンターボに、前後それぞれにモーターをもつPHEV=プラグインハイブリッドを早速試乗。

 18.8kWhのリチウムイオンバッテリー搭載は、カタログ値で73kmのEV走行を可能にする。ちなみに我が家はボルボXC40リチャージPHEV T5を愛車にするが、EV走行のみで30~40km弱ほどは行く。すでに5年目だが、ディーラーに入庫するたびにEV走行率が増えて戻って来る気がする。メーカーからのアップデートで、バッテリーの使い方に安全マージンとして設定した余裕ぶんを、走行に使えるよう変換しているようだ。

 それを少ないとみるムキは多いだろうが、我が家の使い方では2~3日はEVのみで過ごせている。何がいいたいかというとカタログ値の航続距離が45.6kmなのに対して、実走行距離が30~40km。

 本題のXC90 T8 PHEVのカタログ値は73kmなので、今日の都内のみの限られた試乗時間ではEV走行に終始する可能性と、一方でバッテリー残量が気になるほどの距離は走れず、確認できない点がじつに残念だ。ボルボ関係者の話では「50kmは楽勝です」である。

 ドライブモードは標準がハイブリッドで始まる。ほかにパワー、AWD、オフロードと選べるが、標準で十分。走り出してEVのモーター走行があるところがHEV、PHEVらしさである。その意味では未試乗だが、T8以外のMHEVモデルは高効率だろうがEV走行が得られない点で残念に思う。

 新型XC90の静粛性の高さに驚き

 アクセル操作に対してスーッと音もなく軽々と転がる2.7トンの巨漢にモータートルクの偉大さを改めて感じる。バッテリー残量は満タン・満充電に近いので通常走行ではほぼエンジンは始動しない。アクセルを強く踏み込めばエンジン始動になるが、それなりの速度が出てしまうので、普段からアクセルをジワリと踏む者としては、走行モードをパワーにして状況を伺う。

 エアサスのT8はパワーユニットのレスポンスの変化とエアサスもハードに変化して、それまでの滑らかなストローク感と22インチタイヤのマスを感じていなかったが、いきなり路面からの入力の大きさに273/35扁平のタイヤの存在を感じられる。ハードなサスはボディの動きが硬くなる。

 驚きはエンジンが始動しているにもかかわらず、その静粛性の高さで、モーター走行時も含めて車外騒音、ロードノイズのたぐいもほぼシャットアウトで、無音空間のよう。これはAピラー内部に発泡剤を入れるほか、ウインドウのガラスがラミネートの合わせになることとエンジンルームとの壁、ファイアーウォールにも遮音材を追加したことでコクピットへの音の侵入を抑えたことが効く。静寂な空間はそれだけで上質な雰囲気づくりに貢献してXC90のキャラクターにマッチする。

 エンジンが介入した状態でフル加速すると0-100km/hは5.3秒と2リッター級スポーツカーと対等。もちろんこの瞬発力は市街地ではまったく無用で、通常はハイブリッドで十分。

 愛車でも頻繁に活用する操作方法はDレンジからもう一度レバーを手前に引くBモード。それはT8も同様でモーターから回生させて減速が強弱する。T8はクリープのON~OFFが選べ、OFFでBモードにするとアクセル操作のみで停止まで行くワンペダルドライブも叶う。

 操縦性は操作に自然に応答する。バッテリーをセンターに配置し、リヤモーターも含めて前後重量バランスは前1170kg後1130kgと優れている点と、2985mmのホイールベースが前後の沈み込みを、左右のロールをエアサスが自然な姿勢変化として、乗り味が優しい。

 XC90は3列シートが標準で、さすがボルボと唸るのは、1-2-3列目でも乗員の安全性確保は同様だという。3列目を試すと、足もと、ヘッドクリアランスも170cmまでなら不自然な姿勢を取らされることもなく余裕。

 XC90の売れ線であるMHEVの2モデルもラインアップするが、BEVメーカーになると宣言したボルボは、それにPHEVも加えて2030年を目指す。ならばPHEVのT8をおすすめするが、唯一残念なのは外部充電が200V、つまりスローチャージにしか対応していない。といいながらXC90のラインアップからどれを選ぶか? と聞かれたら、迷わずT8だ。

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みんなのコメント

5件
  • be_os_opendoc
    EuroNcapで3列目の乗員の安全が確認されたのはXC90とCX-80(8)だけだから。
  • ysk
    コンタクトしてなかったからマツダかと思った。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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