さらにスポーティさに磨きがかけられた“S”
1970年台に活躍した伝説のラリーマシン、アルピーヌ A110。
その名称を継承し2018年に復活を遂げたニューアルピーヌ A110。ピュアモデルには、デビュー後間もなく富士スピードウェイと公道で試乗していた。
少し上から目線のコメントにはなってしまうが、とにかく“申し分のない”パッケージングだと感じた。
アルピーヌ A110 ピュアモデルの試乗記を見てみるA110にはいくつかのグレードがラインナップされている。
後日あらためて試乗したA110 リネージは、ブラウン系のレザーで仕上げられたノーブルなインテリアとシートのマッチングが非常に良く、座ってすぐに質感の高さを感じさせるものだった。
また、このリネージには、少し幅が狭い専用ホイールが装着されていた。
ドライビングにおいて鳴らした経験がある人ならば、きっと最高の前後バランスだと思えるに違いないセッティングになっていた。
そして、A110シリーズに新たに追加されたのが、今回試乗したA110S。
カーボンのルーフやスポーティな素材のシートを採用しているが、見た目はピュアモデルと大差がない。
しかし、このA110Sの真価は、表面的な部分ではなく、出力が40psも向上した点にある。
また、出力アップに合わせて、サスペンションとタイヤも専用にセッティングされているという。
今回の試乗の舞台は筑波サーキット。ハイパフォーマンスぶりを、存分に味わうことができそうだ。
A110Sのパフォーマンスをより理解すべく、A110ピュアと乗り比べることができたので、その様子をレポートする。
アルピーヌ A110(現行型)の中古車を見てみる
アルプスで鍛えられた開発ドライバーの限界を引き出すモデル
いきなり結論を申し上げて恐縮だが、2つのモデルを乗り比べた結果、個人的にはA110ピュアの方が気持ち良く思いどおりに走らせられると感じた。
ただし、それは決してA110Sが劣っているというわけではなく、それほどまでにドライバーを選ぶストイックなモデルだということだ。
A110Sのドライバーズシートに座ると、ポジションが低いことが良くわかる。これが、リアルスポーツカーの証しと言える。
1周目はゆっくりと回り、2週目から徐々にスピードを上げ、6割くらいのペースで第1コーナーを抜けていく。
以前乗ったA110ピュアよりも、ずっと軽快な雰囲気が漂う。次のヘアピンへと続くわずかなストレートで、一気に加速する。これは速い。
ヘアピンコーナーで強めにブレーキングしても、バランスを崩すことはない。
コーナリングフォースが高くしっかりと曲がっていくが、少し油断して速度を上げるとリアが一気に流れるような挙動を示す。
パイロンを設置して設けられたシケインセクションでも、グイグイ曲がって行く。
高速コーナーでは一気にペースを上げたが、とても気持ち良いフィーリングだ。まさにタイムアップを狙ったセッティングと言える。
続けてサーキットで最もRのきついヘアピンへ向かい、フルブレーキング。
7速DCTのシフトプログラムは、ブレーキングでのスピードダウンを十分に踏まえ、最適なタイミングでシフトダウンを行なうように組まれている。
コーナリング出口での挙動に乱れはなく、ロングストレートに向かって一気に速度を上げることができる。
シフトダウンとブレーキでスピードをコントロールし、長い旋回の続く最終コーナーに突入。スロットル開度を一定に保ちながら走り抜ける。
コーナー出口では、コース幅を目いっぱい使って加速。最高のエグゾーストノートだ!
その後、何周か試乗を続けたが、ブレーキング時にリアがスッと流れる場面があった。油断も隙もあったもんじゃない。
決してタイヤのグリップが高いわけではないので、慎重なステアリングとアクセル操作が必要になってくる。
ポテンシャルが相当高く、あっという間に速度がのってしまうからこそ、タイヤだけに頼るドライビングではこの車は操れないだろう。
車の動きをしっかり把握しながら、アクセル・ブレーキ・ステアリングをコントロールするスキルが求められるモデルであることは間違いない。
アルピーヌというメーカーは、果たしてどこまで本気で車のパフォーマンスを上げようとしているのだろう。
アルプスのワインディングロードで鍛えられた、アルピーヌの開発ドライバーの限界を試そうとしている。それほどまでにストイックなモデルであると感じた。
腕に覚えのあるドライバーには、ぜひ試していただきたい。
Sが付くか付かないかで、ここまで違いを感じさせる。
A110Sは、1967年のポルシェ 911と911Sのような雰囲気を感じ取れた、人間味あふれるリアルスポーツカーだ。
文/松本英雄、写真/尾形和美、篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●A110S型式7BA-DFM5P最小回転半径5.8m駆動方式MR全長×全幅×全高4.21m×1.8m×1.25mドア数2ホイールベース2.42mミッション7AT前トレッド/後トレッド1.56m/1.55mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1110kgシート列数1最大積載量-kg乗車定員2名車両総重量-kgミッション位置コラム最低地上高-mマニュアルモード◯標準色ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼMオプション色グリ トネール マット掲載コメント※2020年2月9日23:59まで先行予約を受け付け中型式7BA-DFM5P駆動方式MRドア数2ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼMオプション色グリ トネール マットシート列数1乗車定員2名ミッション位置コラムマニュアルモード◯最小回転半径5.8m全長×全幅×全高4.21m×1.8m×1.25mホイールベース2.42m前トレッド/後トレッド1.56m/1.55m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1110kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高-m掲載用コメント※2020年2月9日23:59まで先行予約を受け付け中エンジン型式M5P環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量45リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量1798cc燃費(WLTCモード)12.8km/L└市街地:8.3km/L└郊外:13.8km/L└高速:15.8km/L燃費基準達成-最高出力292ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm320(32.6)/2000エンジン型式M5P種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1798cc最高出力292ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm320(32.6)/2000環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量45リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)12.8km/L└市街地:8.3km/L└郊外: 13.8km/L└高速: 15.8km/L燃費基準達成-
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