独ポルシェは2月23日、次期911シリーズ、すなわちタイプ992についての情報を初めて公式に発表した。911はいうまでもなくポルシェのコアモデル。長年、ポルシェというブランドの技術力や製品の優秀性、ブランドイメージを作り上げ、常にスポーツカーのトップランナーとして進化を重ねてきた。そしてその911が新たなステップを踏み出す時が近づきつつある。
次期911は、「フライライン」と呼ばれる特徴的なルーフラインを受け継ぐ。さらに車体後部に搭載した水平対向エンジンでリアを駆動するRRレイアウトや、ごく自然なドライブフィールもこれまでと変わらないという。
具体的には、ドライバーの体にしっくりと馴染むベストなシートポジションや水平対向エンジンならではのサウンド、パワフルでありながら扱いやすいエンジン、ブレーキやステアリングからのフィードバックなど、911らしさを形成している運転感覚はこれまで通り実現しているという。
一方、近年のトレンドである自動運転やデジタル化といった分野については、まだ具体的な内容は明かされていないものの、やや消極的な姿勢を見せている。常に進化を続ける911だが、新技術の採用については「それが911に必要なものかどうか」を判断基準としているという。その観点から自動運転技術については、もっとも採用が遅いメーカーとなる可能性もりそうだ。実際、911がエンジンの水冷化を果たしたのは1997年、すべてのエンジンがターボ化を遂げたのは2015年と決して早くはなかった。これは911のエンジニアが周囲のトレンドに流されることなく、911の進化の方向性を見定めてきた結果といえるだろう。
ただし電動パワートレインについては、将来的に911に採用される可能性もありそうだ。911の担当責任者であるアウグスト・アッハライトナー氏はハイブリッドパワートレインを持つポルシェのプロトタイプ「ミッションE」を運転した時に、そのドライビングエクスペリエンスに感銘を受けたと打ち明けている。そしてそれが911にふさわしいパワートレインであると判断された時は、その採用もありえることをほのめかしている。
とはいえ前述の通り、タイプ992はこれまで通り水平対向エンジンをリアに搭載して登場する。熟成された水平対向エンジンの旨みを味わいたいのなら、将来的に電動化を遂げる前に手に入れておいた方がいいかもしれない。
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