容量アップで航続距離700km越え
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンはアイオニック5の商品改良を実施し、11月8日より販売を開始した。ヒョンデのショールームが岡山にオープンしたその取材の帰り道(別記事でレポート)、高速や一般道を合わせて約700km走らせる機会を得たので、レポートする。
今回の商品改良のポイントとなるのは、バッテリー容量のアップだ。これまでの72.6kWhから84kWhに増大するとともに、エネルギー密度の高い第四世代バッテリーセルを新規採用。結果として航続距離が、2WDモデルで618kmから703kmに伸びた(WLTCモード値)。参考までに今回の試乗車であるラウンジAWDは、同じく577kmから616kmに伸びている。
またドライブモードがこれまでのECO、NORMAL、SPORTに加えて、『MY DRIVE』も設定。ステアリングの重さやアクセルレスポンスなどを、自分好みに選択できるようになった。
そのほか前後バンパーのデザイン変更や、モーター制御の改善(AWD車では前後のモーター合計で239kWと、225kWから14kWアップ)、静粛性向上などが図られている。
シフトレバーは改善を望みたい
出発地点となった岡山の街中では、基本的にECOモードをセレクト。これでも十分にパワフルで、改良前と比較するとアクセルコントロールがしやすくなっていたので、モーター出力とのバランスが改めて図られたのだろう。知らない街中で走らせていても、変な緊張感を持つことはなかった。さらに、ウインカーレバーが日本車と同様に右側についていることも評価したい。こういった細かい心遣いは嬉しいものだ。
しかしただ1点、どうしても気になることあった。それはステアリングコラム右側から生えているシフトレバーだ。ダイヤル方式で前にひねるとドライブ(D)、後ろにひねるとバック(R)になる。これがこちらの感覚とずれているのだ。通常のATのシフトを思い出してほしい。ニュートラルを中心に前側がバック(R)で、手前がドライブ(D)と逆。確かにダイヤルを前に回す方向と前進は同じ向きになるが、いざとなると間違いやすく、実際に何度もシフトミスをしてしまった。ぜひこの点は改善を望みたい。
もうひとつ付け加えるなら、空調の温度調整などのタッチ画面が見難く、表示が小さいので非常に操作しにくかった。しかもその上にはセンタースクリーンの切り替え用の物理スイッチも並んでおり、もう少し使いやすさを考えて欲しいと感じた。
魅力的なインテリア
このクルマで最も魅力的なのはインテリアの質感の高さだ。あらゆるところの作り込みが上質で、良いクルマに乗っているという気分を味わうことができた。さらに静粛性も非常に高く、一度酷い雨に遭遇したが、タイヤハウスからの水の跳ね上げ音などを含めてほとんど気にならなかった。
高速道路では積極的にACCを利用した。前車追従時などの加減速は非常にスムーズで違和感はない。
乗り心地に関しては触れないでおきたい。受け取り時の走行距離が600km強でサスペンションが馴染んでおらず、非常に突っ張ったものに感じたからだ。今回の試乗中にも徐々にストローク感が増し、1300kmほどになると初期の印象からはだいぶ変わってきたものの、これまでのアイオニック5から受けた印象からはまだ固いので、この評価はお預けとしたい。
最後に電費について触れておこう(カッコ内はWLTCモード値でWh/kmから変換)。
市街地:5.9km/kWh(7.1 km/kWh)
高速:5.6km/kWh(6.4 km/kWh)
郊外:5.5km/kWh(7.1 km/kWh)
改良前からどの程度伸びたかは手元に値がないので不明だが、それでもこの程度の電費であれば、十分な移動が可能だ。また、高速と市街地とで差がほとんどないのは安心感があった。
アイオニック5を約700km走らせての印象は、全体的に人工的な味付けながら、それでも不当な疲れもなく、長距離を安心して移動できるBEVであるということ。このサイズのBEVは近距離移動に適してはいるものの、いざというときに遠出ができなければ意味がない。その点でヒョンデ・アイオニック5は、十分にお勧めできる1台といえる。
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みんなのコメント
AUTOCARとしては浅いインプは残念
700kmも走れば分かるはず