新車試乗レポート [2025.11.14 UP]
新型『N-ONE e:』公道試乗記
N-ONE e:が栄冠、「2025~2026 日本自動車殿堂カーオブザイヤー」に選出
いつの時代も抜群の存在感 「やっぱり」いつかは乗りたい!
日常生活のパートナーと言えばやはり軽自動車だろう。コンパクトで小回りが利き、省エネルギー。さらに荷物も驚くほど積み込めるのだから人気なのは当然だ。そんな軽自動車のメリットを最大限に生かしたホンダの新型EVが登場。その実力を公道でチェックした!
●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之
新時代のちょうどいい軽EVの実力は?
HONDA 新型N-ONE e: 公道試乗記
■主要諸元<e: G> ●全長×全幅×全高(mm): 3395×1475×1545mm ●ホイールベース:2520mm ●車両重量:1030kg ●乗車定員:4名 ●パワーユニット:モーター(47kW/162Nm) ●駆動方式:FWD ●WLTCモード一充電走行距離:295km ●WLTCモード総合燃費:105Wh/km ●ブレーキ:油圧式ディスク(F)/油圧式リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソン式(F)/車軸式(R) ●タイヤ:155/65R14 ■価格:269万9400~319万8800円
日常用としては十分な航続距離。十分なパワーと上質な乗り味だ!
見ての通り、N-ONE e:はN-ONEがベースで満充電航続距離は295km。航続距離は短く感じるかも知れないが、タウンユース主体と考えれば妥当だろう。ちなみに同カテゴリーのサクラの航続距離は180km。+100km近い余裕があるわけだ。
気軽な街乗りを主とするN-ONE e:だが、走りはタウンカー以上の水準だ。最高出力は業界自主規制で47kWだが、最大トルクはターボ車の1.5倍以上の162Nm。バッテリー重量増をものともしない数値だ。
動き出しのスムーズさ、駐車場や傾斜路での扱いなど微妙なコントロール性がいいのは電動ならではだが、多少ラフなアクセル操作でも唐突な駆動力変化を抑えた制御特性が効いている。駐車場や構内路から速度変化の大きな幹線道路まで扱いやすい。速度上昇による加速の鈍りも少なく、思い通りに走れてとても気持ちがいい。
フットワークも同様だ。低重心化されていることも有利な点だが、最近のホンダ車に共通した不要な揺れを抑えたサスチューンの巧みさで格上の落ち着きを示す。品よく安心感のある乗り味なのだ。もちろんそれは高速走行での大きな長所でもある。主用途は街中だが、シャシー性能では同クラスで最も高速長距離走行に適する。
動力性能やフットワークをランクアップさせた現実的な使い勝手やプレミアム感が見所。コスパは厳しいがパーソナルユースにはかなり魅力的だ。
N-ONEに比べてボリューム感のあるリヤビュー。その理由は湾曲したリヤガラス。落ち着いた印象だ。
シンプルな直線基調ですっきり。シフト操作はボタン式のため慣れが必要だがスマートだ。
たっぷりとした座り心地は1クラス上の感覚。乗降性が良い後席には座面チップアップ機能も装備される。
ベースモデルのエンジンルームに収まるようにコンパクトにまとめられたパワーユニットだ。
充電ポートはフロントに設けられている。向かって左側が普通充電用、右側が急速充電用となる。
後席2分可倒のラゲッジ。フラットフロアや床下収納スペースもベースモデル同様で使いやすい。
上級の「e: L」にはナビ連動の9インチのホンダコネクトディスプレーが標準装備される。
N-ONE e:が向く人は?
通勤通学や買い物等の日常用途を主としたパーソナルユース、つまりはセカンドカー用途向け。ファーストカー用途、とくに長距離走行の機会が多いユーザーには適さない。コスパではN-ONEには及ばないが、軽乗用を意識しない上質な運転しやすさを求めるユーザーに適する。自宅での充電環境にも左右される。
N-ONE e:のおすすめグレードは?
上級の「e: L」を推したい。タウンユースだけならベーシックの「e:G」で十分だが、価格差は約50万円。急速充電は「e: L」には標準だが「e:G」はOP設定。急速充電装着で比較した価格差が約25万円。さらにナビ連動の9インチのホンダコネクトディスプレーもつくため、利便性を考慮するなら「e: L」が賢い選択だろう。
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