2022年も早くも一カ月が経過した。世間ではオミクロン株流行による新型コロナの脅威や半導体供給不足による生産停滞が日本経済へ与える打撃に恐れを抱く状況に変わりがなく、なんとなく気うつな日々が続く。
そんななかで春闘の時期を迎えている。長期化する経済の不安定さからリーマンの気持ちは乗らず、給与収入だけではおぼつかない不安も抱え悶々としている人も多いだろう。
ついに納期が約4年に!! ランクル300が過去最高の人気! でも現場はどうなのか!?
日経株価もそんな雰囲気丸かぶりだが、製造界の雄トヨタの株価は堅調な伸びを示している。株運用でひと山当てたろうか!! その考えが自動車株ではあり? なし?? 今回はそんな検証をしてみたい。
文/福田俊之、写真/トヨタ、AdobeStock、ベストカーweb編集部
■日経平均株価が低迷するなか、トヨタの株価が今年に入ってジワジワ上昇中だ
新型コロナの感染拡大や長引く半導体不足の影響などで減産、操業停止を余儀なくされる自動車業界のなかで、トヨタ自動車の株価が底堅い展開を続けている。
昨年9月末に1株を5株に株式分割後には一時1818円(2021年10月6日)まで下落したが、年明け以降も人気を集めて連日のように高値を更新。今年1月18日には一時2475円まで爆騰し、企業の価値を端的に表す株価に発行ずみ株式数を掛けた時価総額が初めて40兆円を上回った。2021年1月の時価総額は約24兆円だったが、わずか1年で2倍近くも膨らんだことになる。
トヨタ株が最高値を付けた以降、世界的にオミクロン株の感染急拡大とともに、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感やウクライナ情勢の緊迫化などが加わり、日経平均株価は続落。1月27日には、2万6170円まで急落して2020年11月以来の安値水準となった。
トヨタにとって2021年は悲喜こもごもの年であった。ただ、その年の締めに大胆なEV投入戦略を発表し、「これまでのトヨタ」からの大々的な変革をブチ上げたことで、現在株価は上昇中!!
だが、下落局面が続く東京株式市場を尻目に、トヨタ株の下げ幅は限定的で2200円台を維持しながら上昇基調を続けている。
ちなみに、1月末時点のトヨタの時価総額は36兆6353億円で国内の上場企業では圧倒的な首位。2位はソニーグループの16兆409億円、3位がキーエンスの14兆1619億円。自動車メーカーではホンダが6兆755億円で18位、日産が2兆5636億円で58位、スズキが2兆3888億円で62位、スバルが1兆6071円で96位と続くが、マツダや三菱などは100位以下の圏外である。
トヨタの株価が上昇基調を続いている背景には、脱炭素が世界的な潮流となるなかで、需要が高まるとみられる電気自動車(EV)の販売目標を大幅に引き上げた戦略が、幅広い投資家から好感されているようだ。
■昨年のトヨタは堅調な業績とは裏腹にさまざまな問題・課題が噴出した年だった
振り返れば、昨年のトヨタにはネガティブな材料が積み重なった年となった。ポジティブな話としては、部品不足の影響を他社より抑えて9月の中間決算は円安の追い風もあり、売上高、営業利益、純利益とも中間期として過去最高となった。
コロナ禍によるさまざまな困難があったが、2021年もトヨタは新車投入の手を緩めることはなかった。ただ、写真のランクル300のように納期4年という量産車としての新たな異常事態も生じてしまった
中間期としての企業業績は絶好調でも、さまざまな問題が発覚した年でもあった。6月には若手社員の自殺問題が浮上。それが上司のパワハラが原因として労災認定された。トヨタも因果関係を認めて和解したが、豊田章男社長が遺族に直接謝罪したことがメディアに大きく報じられた。
しかも、真夏には五輪開催中の選手村で、トヨタが提供した自動運転中の巡回バスが視覚障害の選手と接触事故を起こして大騒ぎとなった。
また、10月に入り、大口取引先の日本製鉄が特殊鋼材の特許権侵害でトヨタと中国の宝山鋼鉄をいきなり提訴するという 「大事件」も勃発。意地の突っ張り合いで解決が長引くとの失望感から投資家心理を冷やし、足元では嫌気売りが広がった。
東京五輪会場内で人身事故を起こしてしまった「e-pallet」。ただ、その事故は自動運転中ではなく、ヒューマンエラーが起こしたもの。自動運転での安全性確保のため、e-palletの実証実験は五輪閉幕後の今も継続中だ
また、直接トヨタが関わった訳ではないが「レクサス」店や系列ディーラーによる不正車検が相次いで発覚。慢性的な整備士不足に加え、作業手順の効率化を優先した対応にトヨタ流の経営手法が原因ではないか? とのあらぬ疑いの目も持たれた。
わずか数カ月の間にトヨタ及びその関連企業から不祥事が噴出したことは、当然トヨタの株価にも影響を与えた。
しかし、年の瀬に入ってトヨタがEVの2030年の世界販売目標を350万台に引き上げると発表。12月14日、その年の大晦日で閉館となった東京・お台場のショールーム、メガウェブには発売予定のSUV「bZ4X」など16台もの EVの開発モデルが並べられた。このインパクトは絶大だった。
■大々的なEV戦略の発表やグローバルでの販売好調で一気に「買い」銘柄に変貌!!
その展示車の前で豊田社長は「350万台、30車種を投入しても、前向きじゃないと言われるなら、どうすれば評価されるのか、逆に教えてほしい」と胸の内を訴えた。翌朝には全国紙が1面トップで報道すると、「潮目は変わった」との期待感から買いに動く投資家も増えて「後ろ向き」を払拭するアピール効果はてきめんのようだった。
中央の豊田社長が小さく見えるほど多くのEVを一斉に披露した昨年12月14日の発表会。これはトヨタがHV/FCV/EVの全方面に全力で取組む、唯一のメーカーであることを世界に示したことになった
さらに、新年早々には、2021年の米国市場でトヨタが新車販売台数で米ゼネラルモーターズ(GM)を上回り、海外メーカーとして初めて首位となったほか、国内では小型車のヤリスが4年連続首位だったホンダの軽自動車、N-BOXを追い抜いて、車名別のトップに躍り出た。
北米でもGMを抜き年間販売台数トップを獲得の快挙!! 昨年発表の「タンドラ」はランクル300の兄弟車となるのだが、ランクルにはないハイブリッドモデルが設定されていることにさらに驚く
そして、ダイハツと日野を含めたトヨタグループの世界販売台数が1000万台を超えて2年連続で首位に輝くなど、明るいニュースが好材料となって投資家の買いを集めていた。
■株価上昇により時価総額も上昇! しかし商売上手なテスラの半分にも満たない現実
もっとも、投資家の目は厳しく、鋭くもある。信用力などの企業の価値を示すトヨタの時価総額が40兆円を超えたとはいえ、米国の巨大IT企業など海外勢との差は大きい。米アップルが一時世界で初めて3兆ドル(約350兆円)を突破。米マイクロソフトも2兆ドル(約230兆円)を上回り、EVトップメーカーである米テスラの時価総額も1兆ドル(115兆円)を超えている。
今やトヨタの倍以上の時価総額を持つ「テスラ」。各国の補助金を得る経営施策や話題を先行させて資金を集めることに長けた企業だ。トヨタとは異なる全方向経営がどこまで続くか注目だ
テスラの昨年の世界販売台数は約94万台でトヨタの10分の1。だが、テスラは稼ぐ力の売上高営業利益率でもトヨタや独BMWなどを上回り、業界トップだ。
テスラの勢いが止まらないのは、創業者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、小型通信衛星で全地球をカバーするような宇宙開発からクリーンエネルギー、独自ブランドのスマホまで手がけて、人類の未来のために宇宙まで広げたダイナミックな「デジタル・マスク帝国」を描いており、相互に関連して一気通貫で同時進行させているところに市場の過剰ともいえる期待が集まっている。
■年収が上がらぬ日本の会社員。自動車株の運用で懐を温めることは可能か?
さて、株式投資は「安い時に買って高い時に売る」というのがセオリーだが、プロの投資家ならともかく、個人が投資先を選別して、その銘柄を売買するタイミングは実に難しい。国税庁の発表によると、一般サラリーマンの平均年収は433万円ほど。30年前と比較すると上がるどころか逆に下がっているという。
今春闘での「3%賃上げ」も悩ましいが、それでもかぎられた資金で真っ当に私腹を肥やすには株式投資も選択肢のひとつだろう。
では、海外勢に比べ見劣りする日本企業のなかでも日本経済をけん引する自動車メーカーだが、この先国内外の投資家から評価されて、株価上昇が期待できるのかどうか。相場の予想に 「絶対」はないが、成熟した産業の大型株の「大化け」は難しい。
それでも世界的な環境規制と脱炭素化に向けた動きを背景に、将来はEVが電動車の主役となるのは確実だ。こうしたなかで、EV開発で先行する海外メーカーを追う立場で、「夢の電池」と呼ばれる車載電池の開発計画が実現すれば、国内メーカーも大きな飛躍となる可能性はある。
世界のメーカーが開発にしのぎを削るEVの肝である新型電池。確かに電池を制せばEVの盟主になれるかも。しかし、肝心の電力供給まで目が向いているのであろうか?
■トヨタのほかにも実力伯仲の日本車メーカー。長期保有によるリターンに利あり??
そこで注目の銘柄は、仏ルノーとアライアンスを結ぶ日産と三菱。日産は小型で安全性も高い「全個体電池」の開発を急いでいる。2030年度までに3社で35車種のEVに搭載し、内田誠社長も「ガソリン車並みの価格に下げる」と宣言した。
日産はカルロス・ゴーン被告の逮捕後、無配に転落、株価も暴落したが、黒字転換で復配も視野に入る。低位株のマツダや三菱自などと同様に割安感が強く、今後上昇する余地が大きい。少額投資で大きな利益を得られるメリットもある。
経営者に翻弄されるメーカー「日産」。ゴーンショックの混乱からもようやく脱却し、飛躍するかもしれない。確かな技術力はあるメーカーだけに今の株価や時価総額が真の実力とは言えない
一方、高値圏で底堅い値動きのトヨタやスズキ、さらに、ホンダやスバルなどは目先のリターンを追い求めて短期間で売買するよりも長期間保有する銘柄として注目したい。このうち、トヨタの2021年3月期の年間配当は240円。今期(中間は120円)はさらに業績が上向くとの見通しで、増配も期待できる。
日本経済はデフレ脱却の遅れから低金利時代が続く。配当金を積立預金のつもりで資産を増やす考え方も安心感がある。ただ、経営環境の不透明さが増すなかで、自動車などの景気敏感株は材料の出尽くしや業績の下方修正などで急落しやすいほか、同じ業種の銘柄でも株価の動きがリンクしない場合も少なくない。
最近話題のSDGs。「持続可能な開発」なのだから、もともと環境技術を磨いてきた日本企業に有利な点も多いはず。ただ、事実の隠ぺいなど不祥事は論外。より大きな経営へのリスクとなる
経営者側にはより一層のきめ細かい情報開示が求められており、銘柄の見極めにも不祥事の温床になる隠ぺい体質の企業はリスクも高く、要注意だろう。
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