かつては日本のスーパーGTでも活躍し、現在はポルシェのドライバーとしてWEC(世界耐久選手権)に参戦しているフレデリック・マコヴィッキィ。彼はスーパーGTのGT500車両がル・マン24時間レースに参加すれば、現行のWEC最高峰クラス車両であるル・マン・ハイパーカー(LMH)を倒すことも可能だとの考えを示した。
マコヴィッキィは、スーパーGTとル・マン24時間のレースフォーマットやタイヤ特性が異なるため一概に比較することは難しいとしながらも、純粋なパフォーマンスという点ではGT500車両はノンハイブリッドのLMP1車両と同等であり、ル・マンでの予選ラップが3分25秒前後となるハイパーカーよりも上だと語った。
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「今の段階では、日本(スーパーGT)のタイヤは1スティントしか持たない。ただシングルスティントという観点でこれ以上のタイヤは存在しない」
マコヴィッキィはそう語る。
「今GT500のマシンをここ(ル・マン)に持ってくれば、総合優勝を優勝を争うことができると思っている。ハイパーカーより速いのは明らかだ」
「唯一の課題は、24時間走れる信頼性があるのかどうかという点だけだ。そのマシン(GT500車両)はこのレース(ル・マン)のために開発されたものではないからね。ただ6時間くらい走ると考えた場合のパフォーマンスで言えば、(GT500車両は)ハイパーカーを圧倒的に上回るだろう」
「スーパーGTはかつて、富士でレベリオン(R-13)のようなLMP1-L(ノンハイブリッド)とほぼ同じラップタイムを記録していた。そしてそれ(R-13)はここを3分15秒から16秒で走れるんだ」
■マコヴィッキィ、日本の“サクセスウエイト制”を評価
2013年~2014年にホンダ陣営から、2019年には日産陣営からスーパーGTに参戦し、通算3勝を挙げた経験を持つマコヴィッキィ。彼は今でも熱心にスーパーGTをチェックしているとのことで、車両の獲得ポイントに応じてウエイト搭載や燃料流量制限といったハンデを課す“サクセスウエイト制”は、WECやIMSAの性能調整よりも好ましいと語った。
「日本ではサクセスウエイトを積むことで良い妥協点を見出し、各メーカーが同じレベルの努力をしている。トヨタはホンダや日産よりも台数が多いけど、どこかのメーカーがライバルメーカーよりも何倍も資金をつぎ込んでいるといったことはないんだ」
「僕の中で、最も良く機能しているシステムというのは、ベストなチームがチャンピオンになるということだ。ここ(WEC)では常にそうなのか? 大いに疑問なんだ」
「日本では、遅いマシンがチャンピオンになったことはない。サクセスウエイトの関係で1レースだけ勝つということはあっても、シーズンを通して強かった上位2、3台のチームのどこかがチャンピオンになるのが常だ」
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