この記事をまとめると
■最近のディーラーは経営が厳しく新車の値引きも難しくなってきている
お盆明けの新車ディーラー「決算セール」には期待できず! お得に買うなら「ディーラー巡り」で「告知されないセール」を掴むのが正解だった
■ディーラーはここ数年で中古車の販売に力を入れるようになってきた
■新車が予算的に厳しいユーザーは「試乗車落ち」の中古車が狙い目だ
新車の値引きは渋く査定も昔ほど高くならない
メーカー系正規ディーラーがすでに新車販売による利益に依存した経営が難しくなってきていると言われて久しい。ただ、いままではそれでも少ないディーラー利益を削ることで値引き原資としてきたのだが、ここのところの部材費高騰などで単純なメーカー希望小売価格の値上げを行っていない車種でも、話を聞く限りは全般にわたりメーカーからの仕入れ価格はすでに高騰しており、さらなるディーラー利益が圧迫されることとなり、値引き原資としてディーラー利益を削るのも限界が見えてきているとも言われている。
一部改良やマイナーチェンジ、フルモデルチェンジが行われても、当然ながらコストアップを吸収することを目的としており、価格アップが激しくなるケースも目立っているが、そのレベルでは十分にコストアップ分を吸収することはできないとも言われている。
新車購入時の商談で提示される値引き額については、メーカー希望小売価格からの値引きのほか、オプションからの値引き、さらに下取り査定額に値引き不足分を補填するなど、複合的なもので形成されてきた。
ただ、オプションについても若干の値上げなどは行われているものの、状況はメーカー希望小売価格と同様にコストアップを十分吸収できていないので、オプションからの値引きも引き締め傾向となっているようである。それでは下取り査定額の上乗せに一縷の望みを託すことになるのだが、それも期待薄のようだ。
「新車ディーラーではタイヤやバッテリーなど汎用部品の物販も強化していますが、こちらも物価高騰のなかでも十分に販売価格に反映することができていないので、得られる利益は限られております。そのなかで重視しているのが中古車販売です。中古車販売で利益を稼ぐためにも、値引き補填のような下取り査定額の上乗せを可能な限り抑え、できるだけ安価に車両を下取り、そして中古車として再販することで利益を稼ごうとしているので、下取り査定額の上乗せについても以前ほどは期待できなくなりました」(事情通)
アメリカではオートモールとも呼ばれ、各メーカー系ディーラーが集中して出店している地域がある。このようなオートモールにある店舗は、面する通りから店舗までの間に広大な屋外車両展示スペースを持つことが多いのだが、そのほとんどのスペースには中古車が展示されている。
しかも、通りに面して展示されているオススメモデルは、自分たちが扱うメーカー車両にこだわらず、他メーカーの人気モデルの中古車が展示されているのも当たり前となっている。アメリカの新車ディーラーの多くではずいぶん前から中古車販売を強化しているのである。新車販売だけでは新車ディーラーが食べていけないのは日本だけの話でもないのだ。
ユーザーも店も得するのが試乗車落ち中古車!
日本で中古車は新車と異なり古物扱いとなり、扱うためには古物商の資格が必要となる。つまり、広い解釈をすれば、掛け軸や壺などの骨董品と同じ扱いとなる。骨董品よりはシステマチックな値付けが行われているとはいうものの、同年式同型車同ボディカラーであっても、走行距離や内外装の程度が異なればもちろん中古車販売価格は異なる。そして、価格設定では多少の余力はあるものの、新車ほど値引きは荒れることはない(新車もいまは値引き販売は厳しくなっているが……)。
また、「良いタマ(物件)ほど展示場には並ばない」というのは大昔からいわれており、より高収益の見込める良質な中古車は、展示場に並ぶことなく売買されることになるので、そうなると値引き交渉というものも存在しないとも聞いている。
言い値という表現はやや不適切かもしれないが、高年式車というか現行モデルの場合は、新車として販売するときの実勢価格(一般的な値引き販売をした場合)からどの程度安くするのか(厳密な減価償却はあまり考慮しない)が、中古車として販売するときの値付けのポイントになるとの話も聞いたことがあるので、高年式中古車ほど得られる果実(利益)は大きいようだ。
30年ほど前のディーラーには試乗車などは店頭にほぼ存在することはなく、「試乗させないと買ってもらえないのは半人前の証」などとも業界内で言われていた。しかし、いまではほぼすべてのディーラーで試乗車が用意されている。
そして、試乗車については半年など短期間で中古車として再販するケースが多いようだ。試乗車の管理では車内禁煙はもちろん、走行距離の制限など厳しく使用制限を課し、中古車としての価値がいたずらに減少しないようにしているようである。あるメーカー系ディーラーではセールススタッフの運転(お客のもとへ試乗のために持っていくなど特別な理由のない限り)が禁止されている(使い方が荒いとされているため)といった話も聞いたことがある。
また、ディーラーが展示や試乗車としてメーカーに発注する分については、メーカー希望小売価格よりかなり安い価格で発注できるメーカーもあるとも聞いたことがある。そのレベルはメーカー希望小売価格から、一般的な商談での値引き交渉で得られる値引き額を差し引いてもとても追いつかないほどとも聞いている。
それなのに中古車として再販するときには、新車として購入する際の、一般的な値引きを加味した支払い総額から「いくら安くするか」といった形で中古車販売価格が設定されるケースが多いようだ。
たとえば新車としてだいたい支払い総額で300万円ぐらいになるモデルについて、試乗車として半年ほど経ち中古車として再販するときには、コミコミ280万円ぐらいの値付けをして、新車として購入検討する際には、値引きでは追いつかないレベルにして買い得感を強調するようなのである。
「新車として商談を進めていてどうしても予算的に収まらないといったケースで、『じつは試乗車で半年ほど使用した車両の中古車があります』とアプローチすると、お客も『新車で買うよりいくら得するのか?』といった目線になるので、結構よく売れるそうです」(事情通)
現状では改善傾向にあるといえるが、2021年後半から昨年あたりの新車の納期遅延が深刻だった頃でも、メーカーによっては予定どおりとまではいかなかったようだが、生産枠を別にするなどして、展示または試乗車のディーラーへの供給を続け、役目を終えた試乗車が自社系列の中古車センターに流れてくるのを待つ人が多数いたという話も聞いている。
ディーラー試乗車あがりの高年式中古車は、新車並みにその程度は厳しく維持されているので、品質は間違いはないともいえる。また、新車販売時の値引き引き締めが今後はさらに厳しくなっていくことも予想される。さらに、人気車ほど納車まで時間がかかる傾向もまだまだ続きそうなので、新車を待つつもりで「試乗車あがりの中古車が出たら売って欲しい」とディーラー系中古車展示場に予約を入れておくのも、新たなクルマの買い方として定着していくかもしれない。
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