FCAジャパンは2022年2月10日、フィアット社の商用車部門「フィアット プロフェッショナル社」のヨーロッパにおけるベストセラー車であるミッドサイズのバン「デュカト」をキャンピングカーのベース車両として正式導入することを決定し、新たにデュカト専用の販売ネットワークを構築すると発表した。
新たなビジネスを展開
BMW「X5 xDrive40d」を追加しラインアップを拡大
デュカト専用の販売ネットワークは、車両架装を専門とする法人、また既存のFCAジャパン並びにグループPSAジャパンの正規ディーラーなどを主な候補として、全国から幅広く募集する。
このデュカトを日本の商用車市場に導入することに合わせ、FCAジャパンは新しいビジネスを開始する計画だ。デュカトの販売方法は主に正規ディーラーから架装業者などへのB-to-B(法人間取引)を想定。
FCAジャパンは、既存のディーラーネットワークだけでなく、全国のキャンピングカー ビルダー各社など、広くビジネスパートナーとして提携し、正規販売店ネットワークを構築することにしている。
そのため、新型デュカトは「ジャパン キャンピングカー ショー2022」で発表し、好況なキャンピングカー市場をターゲットにしながらも、ヨーロッパと同様に物流や輸送など商用車セグメントにおいても革新的な存在として訴求する。
デザインを一新し洗練されたエクステリア、最先端のインテリア、快適性を重視し、さらに安全装備を備えるデュカトは、レジャー志向の顧客層だけでなく、商用、事業用としての使用を想定する顧客層にも販売促進を行なうことになる。
日本に導入されるデュカトは、2020年に誕生40周年を迎えたロングセラーモデルで、2020年と2021年にはヨーロッパにおけるミッドサイズ商用車のベストセラーとなっている。デュカトの2020年の世界販売台数は約15万台だ。
車両概要
デュカトは国産のバンとは明確に異なる魅力的なイタリアン スタイルがアピールポイント。デザインは、洗練された機能美を持ち、大型グリル、新しいスキッドプレート、そしてイタリアのアテッサ工場で製造されたことを示す象徴的なフィアットのエンブレムが装着されている。
高性能なフルLEDのヘッドライトは3つのセクションに分割されており、下部のヘッドライトはLEDライトガイドとして機能することで、デュカトならではのライト シグネチャーを表現。ここでも、デザインと機能の融合が具現化されている。
3つのセントラルライトは、ハイテクで現代的なデザインとなり従来のハロゲン ヘッドライトと比較して30%以上明るくなっている。その上部にはダイナミック インジケーター付きのLEDライトを備えるなど、乗用車において人気のあるデザイン エレメントが商用車に初搭載されている。
ボディカラーは、1色の標準ソリッドカラーに加え、2色の特注ソリッドカラー、3色のメタリックカラーから選択することができる。
デュカトはラインナップの多さと多用途性は業界のベンチマークで、これまでにフィアットの工場から出荷されたバリエーションの数は1万を超えている。日本には2022年型モデルとしてL2H2、L3H2、L3H3の3機種のバンが導入される。
それぞれのボディサイズと積載容量は以下のようになっている。
・L2H2:全長5413mm、全幅2050mm、全高2524mm、ホイールベース3450mm、室内スペース11.5m3
・L3H2:全長5998mm、全幅2050mm、全高2524mm、ホイールベース4035mm、室内スペース13m3
・L3H3:全長5998mm、全幅2050mm、全高2764mm、ホイールベース4035mm、室内スペース15m3
つまり2種類のホイールベース/全長のモデルが設定され、さらにハイルーフ仕様となる3バリエーションとなっている。L2H2、L3H2の室内高は1932mm、L3H3の室内高は2172mm。3モデルともに、レジャー用レイアウト、商用利用のための効率的ウォークスルー レイアウトの両方に対応することができる。
最大積載重量は、L2H2(標準ホイールベース:3450mm)が1645kg、L3H2/L3H3(ロングホイールベース:4035mm)が1540kg。広い開口部を備えたスライディング サイドドアと横開きのリヤドアにより、荷物の積み下ろしを容易に行なうことができる。
インテリアは、革新的なキャビンが特長だ。車内で快適性と実用性を両立。キーレスエントリー&ゴー機能により、キャビンおよび荷室ドアのロック/ロック解除やエンジンの始動はキーなしで行なうことができる。
また、電動パーキングブレーキを採用し、すっきりとしたキャビンを実現している。さらに、スマートフォンをワイヤレス充電可能な充電コンパートメント、2個のUSB-Aポート/USB-Cに加え、電源コンセントも設置されている。
より洗練されたインテリアは、デザインが見直されたダッシュボード、ステアリングホイール、新形状シフトレバーなどが特長だ。
運転席、助手席はキャプテンシートを採用している。一体型ヘッドレスト、幅が広くなったバックレスト、より優れたサポート、ダブルアームレストなどを装備している。これらのシートは、高い安定性と信頼性を備えたピボットプレート上に設置されている。
キャンピングカー、商用としての両方を念頭に設計されたこのシートは、180度回転させることが可能で、車両後方へのアクセスも容易だ。完全に後方を向いた状態から、前後にスライドさせることができるため、キャンピングカーとしての使用時には、テーブルとの距離を調整することも可能だ。
メーターパネルはフルデジタルで、その運転感覚は乗用車に近い。フルデジタル コックピットにより、実用的な情報や警告を明確かつ即座に表示することが可能。
各種設定オプションやUconnectインフォテインメントとの接続も可能だ。さらに、10.1インチのタッチスクリーンを備えた新しいUconnectインターフェイス、ナビゲーションシステム、Apple CarPlay/Android Autoなども用意されている。
パワートレーンと安全装備
デュカトには多種類のパワーユニットがラインアップされているが、日本に導入されるデュカトは、最高出力180ps、最大トルク450Nm。マルチジェット3ディーゼルターボエンジンを搭載し、このエンジンにスムーズな変速の9速オートマチックが組み合わされ、前輪を駆動する。
日本におけるCVセグメントでは他に例を見ない、伝統の「オールフォワード」アーキテクチャーを採用しており、優れた乗員快適性と積載性を実現している。
ステランティスが開発したH3 Powerアーキテクチャーをベースとし、最新世代に進化したマルチジェット3ディーゼルエンジンは、軽量化され、しかも第2世代のユニットと比較して最大7%のCO2排出量を削減している。また騒音レベルの低減により快適性も向上させている。
このパワートレーンは商用車として使用されることを前提に、専用コンポーネントを採用し、最長30万kmの走行に耐えられる信頼性が実現している。
ステアリングは電動アシストシステムを採用し、車両のハンドリング性能、低速での運転や駐車が容易になっている。
またデュカトは商用車カテゴリーでありながら乗用車セグメントに準じる先進安全機能を搭載している。
スピードリミッター、予期せぬ障害物に遭遇した場合の自動ブレーキ制御(フォワードコリジョンウォーニング/歩行者検知付き衝突被害軽減ブレーキ)、クルーズコントロール、レーンデパーチャーウォーニングなどを装備。
これに加え、従来型のミラーを廃止し、リヤビュー画像を表示するデジタル ルームミラーも装備している。
デュカトは、キャンピングカー架装、または商用の専用架装を前提とした車両のため、価格は未架装状態で469万円(税込)からとなっている。デリバリー開始は2022年下半期が予定されている。
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みんなのコメント
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これが迫ってきても譲らんと思うわ
車の価値は値段じゃない
デザインと高級感なんだよね