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現存する米国最古の自動車メーカー ビュイックの歴史(後編) レースでの活躍、中国人気と現行モデル

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現存する米国最古の自動車メーカー ビュイックの歴史(後編) レースでの活躍、中国人気と現行モデル

遅ればせながら前輪駆動を初採用

ビュイックが前輪駆動車の生産を始めたのは1979年、最初期のコードL-29が発売されてから半世紀も経ってからのことだ。ゼネラルモーターズにとっても目新しい技術ではなかった。6代目リビエラはキャデラック・エルドラドやオールズモビル・トロナードと関連があり、これら両車は1960年代半ばから前輪駆動方式を採用していた。

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初期のリビエラもこれらと同じプラットフォームをベースにしていたが、ビュイックはわざわざ後輪駆動へ変更したのである。

NASCARにおけるビュイック

ビュイック車は長年にわたり全米自動車競走協会(NASCAR)に参戦してきたが、1981年と1982年ほど成功した年はなかった。1981年はNASCARのジェネレーション3規定が初めで導入された年だ。ビュイックが投入したのはリーガルで、ダレル・ウォルトリップ氏はドライバーズタイトル、ビュイックはマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

翌年も両タイトルを制覇。ボビー・アリソン氏は1983年の大半をビュイックで走りドライバーズチャンピオンとなったが、その年のマニュファクチャラーズの最高位はシボレーだった。

栄えあるグランドナショナル

ビュイックは1981年のNASCAR勝利を記念し、翌年に販売開始したリーガルのグランドナショナル仕様を開発した。市販版にはレース仕様の5.8L V8ではなく、当時すでに定評のあった3.8L V6エンジンが搭載された。

1987年モデルでは、究極の限定生産モデルであるGNX(グランドナショナル・エクスペリメンタル)が登場した。300psを超える出力を持ち、547台限定で即完売。2022年1月、走行距離わずか914kmの個体が30万8000ドル(約4890万円)で落札され、今日では5万ドル(約790万円)以下で中古車を手に入れるのはほぼ不可能だ。

ビュイックとインディ

ビュイックがインディアナポリス・モーター・スピードウェイで初勝利を収めたのは1909年、初の500マイルレース開催の2年前だ。1980年代、ビュイックは市販V6エンジンの競技仕様を開発し、インディレースに投入した。当時のレギュレーションでは「ストックブロック(市販用)」エンジンは競技専用設計のものより排気量が大きく、ターボチャージャーのブースト圧も高く設定できた。

ビュイックのV6エンジンがインディ500で優勝することはなかったが、多くのチームに選ばれた。ビュイックは1992年、市販車用エンジンとの関連性が低下したことを理由にインディから撤退した。

フルサイズ高級セダンのパークアベニュー

エレクトラのトリムレベルだったパークアベニューは、やがて独立してフルサイズの高級セダンに発展した。1990年から2005年にかけて2世代が生産され、スーパーチャージャー付きまたは自然吸気の3.8L V6エンジンを搭載した。

2007年には中国で3代目パークアベニューが発売され、5年間販売された。その実質的な中身はホールデン・カプリスで、オーストラリアから部品を輸入し、上海で組み立てたのである。

中国におけるビュイック人気

ビュイックは長年にわたり中国で人気を博してきた。GMによれば、政治家・思想家の孫文(1866-1925年)、皇帝溥儀(1906-1967年)、周恩来首相(1898-1976年)らがビュイックのクルマを所有または使用していたという。中国ではこのステータス性が有利に働き、GMはビッグ3の中で圧倒的な成功を収めることになった。

ビュイックの中国国内生産は1999年に始まった。最初のモデルはリーガルの現地仕様車とミニバンのGL8であった。

ビュイック・セイルの変遷

オペル・コルサをベースにしたセイルは、中国で生産・販売された初の低価格帯のビュイック車である。しかし、中国におけるビュイックの高級なブランドイメージにそぐわず、GM内で問題視された。2005年、GMは方針を転換し、ビュイックよりも若々しいイメージを持つシボレーブランドでセイルを販売するようになった。

クロスオーバー分野への参入

現代において、クロスオーバーSUVをラインナップに1台も持たないメーカーはほとんど存在しない。ビュイックも2001年、ポンティアック・アズテックの兄弟車であるランデブーを投入した。

ランデブーは風変わりな外観だったが、世界で最も醜いクルマの1つと言われているポンティアック版に比べれば、はるかに見栄えが良い。2007年に生産終了するまで、ランデブーの年間販売台数がアズテックを大きく上回っていたのは、おそらく外観が理由だろう。

新世代を代表するエンクレーブ

北米で現在ビュイックが使用する車名の中で最も歴史が長いのがエンクレーブだ。この3列シートSUVは2007年に生産を開始し、10年後に2代目へ移行した。2021年には中期改良が施されている。

また、2020年、同じプラットフォームの短縮版をベースにした2列シート仕様のエンクレーブが中国で発売されている。

ビュイック・カスケーダ

先に触れたセイル以上に、カスケーダは「正統派」ビュイックというより、オペルの名称変更モデルである。この4人乗りコンバーチブルはGM欧州部門が開発し、欧州大陸ではオペル、英国ではヴォグゾール、オーストラリアではホールデン、北米ではビュイックから販売された。

ほとんどの市場で複数のエンジンが用意されていたが、ビュイック版に搭載されたのは最も強力な(といっても200ps弱の)1.6Lガソリンターボのみであった。

ビュイック・ヴェリテ

ヴェリテの名称は2004年公開のロードスターコンセプトに使用され、その後2代目シボレー・ボルトの中国ビュイック版であるヴェリテ5に使用された。現行のヴェリテ6はコンパクトハッチバックで、当初はEVとしてデビューしたが、現在はPHEVモデルも販売されている。

クロスオーバーのヴェリテ7はEV専用モデルであり、ヴェリテ6や北米などで販売されているシボレーのEVモデルと同じプラットフォームをベースとしている。

現在、北米でのラインナップはクロスオーバーSUVを主体として構成されている。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN

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