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なぜ? セダン市場低迷で「マークX」「シビック」消えるもプレミオ/アリオンが生き残る訳

掲載 更新 16
なぜ? セダン市場低迷で「マークX」「シビック」消えるもプレミオ/アリオンが生き残る訳

■「プレミオ」「アリオン」ってどんなクルマ?近年の販売動向は?

 近年の日本市場において、ミニバンやSUVの人気に押されて、セダンの販売台数は伸び悩み人気が低迷しているといわれています。

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 各社では、セダンモデルのラインナップを徐々に減らしつつあるなかで、登場から10年以上経過してもモデルチェンジをしないうえ、販売台数も芳しくないモデルが存在しています。

 最近の国内セダン市場において、トヨタ「マークX」、日産「ティアナ」、ホンダ「グレイス」、「シビックセダン」が相次いでラインナップから姿を消しています。

 一方で、トヨタ「カローラ」や「クラウン」、「カムリ」は苦戦を強いられる新車市場では健闘しているものの、決して好調とはいい難い販売台数です。

 そんななかで、現行モデルが登場してから10年以上モデルチェンジされることなく販売されているのが、トヨタの「プレミオ」と「アリオン」です。
 
 セダンのなかでも影が薄い両車ですが、最近の販売動向はどのようになっているのでしょうか。

 プレミオとアリオンは、プレミオが「コロナ」、アリオンが「カリーナ」と、それぞれトヨタの歴史で名を残したクルマの後継車として2001年に発売されました。

 両車とも「上質と高機能」をキーワードに開発され、基本的な設計や仕様を共有する姉妹車の関係にありますが、質感の高さのなかでも、プレミオは落ち着きのある高級感が追求されているのに対し、アリオンはスポーティな雰囲気を追求しているという違いがあります。

 それぞれ現行型となる2代目モデルは2007年に発売されており、10年以上フルモデルチェンジがおこなわれることなく、長期にわたって販売されています。

 初代が発売された当時は、プレミオはトヨペット店、アリオンはトヨタ店とそれぞれの販売店での取り扱いでしたが、2020年5月以降は全国の販売店での取り扱いとなりました。

 直近の動向としては、2016年に両車揃ってマイナーチェンジがおこなわれており、外観の基本デザインを両車で共通化する大幅な意匠変更や、新色のボディカラーの追加、予防安全機能として衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」やインテリジェントクリアランスソナーが搭載されるなどの仕様変更がおこなわれています。

 このマイナーチェンジの際に、アリオンは全長を4590mmに変更。プレミオの4595mmと5mmの差になりました。全幅1695mm×全高1475mmという点は両車同様です。

 両車とも1.5リッター/1.8リッター/2リッターの直列4気筒ガソリンエンジンを採用したラインナップになっている点は共通しています。またグレード展開も似ています。

 ほかにも、前席のヘッドレストを外せばフルフラットにできたり、後席にはリクライニング機能を備え、簡単なレバー操作でトランクスルーもおこなえるなど、4ドアセダンながら機能的なシートアレンジが可能です。
 
 さらに、アリオンのG-plusパッケージとプレミオのEXパッケージでは、運転席にシートの位置を電動で調節できる8ウェイパワーシートが標準装備されているなど、共通して機能性の高いシートが搭載されています。

 そんなプレミオとアリオンですが、近年の販売状況はどうなっているのでしょうか。

 日本自動車販売協会連合会によると、プレミオが2018年の年間販売台数は11306台で45位にランクイン。

 これは、4ドアセダンとしてはカローラ、クラウン、カムリ、・アクセラ(現マツダ3)に次ぐ順位で、発売からの年数を考えれば健闘しているといえます。

 一方のアリオンはトップ50には入っておらず、2018年の年間販売台数は6126台とプレミオの約半数程度という結果でした。

 2019年の年間販売台数は、プレミオが8499台、アリオンが4997台となっており、プレミオのほうが人気であることは変わらずも、両車とも販売台数に減少傾向が見られます。

 最近のプレミオとアリオンの販売状況について、トヨタ販売店の店員は次のように話します。

「最近はミニバンやSUV人気の影響もあり、セダンを購入する人が減ってきているのが第一の理由として考えられると思います。

 最近は装備や機能面を重視する人が多くなってきているので、プレミオとアリオンは、現行モデルの販売年数が長く、新しいモデルに比べると、どうしても安全面をはじめとした装備や機能は劣ってしまいます。そのため、セダンのなかでも選ばれにくくなっているのだと思います。

 それでも、一定数の販売台数を維持しているのは新しい物に乗り換えることに抵抗があるお客さまなどから好まれているのだと思います」

※ ※ ※

 近年のセダン人気の低迷だけでなく、機能面最新の装備を備えた新型車が続々登場するなかで、ユーザーのニーズも変化しており、モデルライフが長いプレミオやアリオンは装備や機能面での遅れをとっていることも、販売台数が減少している理由のようです。

■プレミオとアリオンはどこが違う?なぜプレミオが人気なのか

 前述したように、プレミオとアリオンでは、プレミオのほうが販売台数が多く、人気が高くなっています。なぜプレミオのほうが人気なのでしょうか。

 プレミオとアリオンは、プラットフォームや搭載エンジンなどを共通にする姉妹車で、安全装備や走行性能にも違いはなく、多彩な情報を高解像度で表示する4.2インチカラーTFT液晶メーターをはじめとした装備もほとんど共通しています。

 両者ではっきり色分けされているのは、やはりデザインの方向性で、シャープでスポーティな方向に振っているアリオンに対し、プレミオは正統派セダンとしてラグジュアリーな側面を強めており、内装もプレミオのほうがより高い質感が追求されています。

 また、違いといえば、プレミオはトヨペット店、アリオンはトヨタ店と、従来は取り扱うディーラーが異なっていました。

 販売店ごとの販売力の差が影響して、それぞれの販売台数にあらわれていたことも考えられますが、2020年5月のトヨタの全車種の併売化の実施でどちらも同じ販売店で購入できるようになっています。

 にもかかわらず、日本自動車販売協会連合会によると、直近の2020年1月から7月までの販売台数は、プレミオが3847台、アリオンが1700台となっており、変わらずプレミオのほうが売れていることから、販売店の販売力による販売台数の差とは別に、人気の理由があると考えられそうです。

 アリオンよりプレミオが人気な理由について、前出とは別のトヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「プレミオとアリオンでは、後継元ととなるカリーナとコロナでも、コロナのほうが上位車種であった関係性もあり、プレミオのほうが高級感を追求した上位車種という位置付けになっています。

 価格はプレミオのほうが少し高いですが、数万円程度の差なので、ほぼ同等のスペックのクルマでどちらを選択するかとなったときに、知名度やネームバリューがあるプレミオを選ぶ人が多いのだと思います」

 基本的設計や装備、性能などを共通しており類似する両車ですが、互いの関係性においてプレミオの確立された地位が付加価値となっていることが、人気に繋がっているようです。

※ ※ ※

 4ドアセダン市場において、アリオンやプレミオは質感の高いモデルとして、それぞれ独自の世界観を築き上げています。

 どちらも、セダンの人気モデルと比べると爆発的に売れているモデルとはいえませんが、改良を繰り返しながら、現行モデルは発売から10年以上という長期にわたり奮闘を続けていますが、この両車は今後どのような方向に向かうのでしょうか。

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みんなのコメント

16件
  • アリオンを残してる理由と同じだと思う。
    営業車やサイズに制約のある人の需要も一定数はあるからね。
    新車開発もして減価償却された車を残しソコソコの利益を
    稼ぐところも日産とは大違い。
  • 国内専用の小型ちょいプレミアムセダン。
    こういうニッチな車が残っていること自体がトヨタの良心ですね。

    ただ国内専売でプレミオ・アリオン合わせてすでに月1000台に満たないことを考えると、後継モデルは難しそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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