車種別・最新情報 [2026.07.04 UP]
2026年秋、パジェロ復活! コンパクトや軽バージョンはどうなる?
三菱自動車の象徴である「パジェロ」が今秋、待望の復活を遂げる。しかも3つのシリーズモデルが展開されるというから驚きだ。かつてオフロード4WDの常識を覆し、一大ブームを巻き起こした名車はなぜ甦るのか。新生パジェロが描く未来の姿を予想してみるぞ。
三菱 新型「パジェロ」に注目装備!“3連メーター”採用で歴代モデルをオマージュ
●文:横田晃/月刊自家用車編集部
※本記事の内容は月刊自家用車2026年8月号制作時点(2025年6月中旬)のものです。
復活発表と同時に新型パジェロのティザーサイトが開設。このサイトを通じて情報が順次開示されるとのこと。
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/teaser/
3つのモデルを同時開発中
ラリーシーンでの大活躍もあって、瞬く間に人気モデルに登りつめたことは鮮烈な記憶として残っている。復活する新型も希少なオフローダーとして大きな注目を集めるのは間違いない。
パジェロの大成功によりオフロードの三菱を確立
1982年の初代デビューから39年間で、累計325万台が世界170か国以上で売れたベストセラーが、この秋に帰ってくる。去る5月29日に三菱自動車が発したパジェロ復活のリリースは、新聞やTVでも報じられ、ネットもおおいに沸かせた。それはこのブランドに対する、世間の関心と認知度の高さを物語るものだった。
今回の発表は同じ日に同社が明らかにした、「2030年代に向けた新中長期ビジョン」の一環としてなされた。その中で謳われている「尖った商品・ブランドの強化でお客様満足と企業価値を向上」させるという方針の大きな柱のひとつが、国内では'19年(海外向けは'21年)に生産を終了していたパジェロブランドの復活なのだ。
初代パジェロは4WD技術をブランドのアイコンに据える、今日の三菱の礎を築いたと言っても過言ではないモデルだった。
パジェロ誕生以前のオフロード4WD車は、そのルーツというべきジープのような軍用車か、雪深い山中にある営林署や電力会社などの現場作業に向かう業務用特殊車両であり、普通の人がマイカーにするような乗り物ではないというのが一般的な認識だった。
しかし、フレッシュなデザインと乗用車ライクな快適な室内を備え、ATも用意されたパジェロは、世界一の経済大国になろうとしていた'80年代の日本人の豊かさの象徴となった。当時各地で開発が進んだキャンプ場やスキー場、リゾート地に乗りつけるカップルやファミリーの幸せを運ぶ、逞しい相棒として愛されたのだ。
それは長く続いたジープのライセンス生産を通して4WD技術を手の内とし、そのメリットだけでなく、デメリットをも知り尽くした三菱が、新しい4WD像を目指した商品企画の勝利だった。
じつはパジェロの魅力は最初から広く理解されたわけではない。登場当初は当時のオフロード4WD車の定番だった4ナンバーの商用車規格のみ。従来の顧客である、過酷な現場に向かうビジネスユーザー以外には、振り向いてはもらえない時期が続いた。
しかし、'83年に加わった5ナンバー規格の乗用車仕様で、一気に人気に火が付いた。'85年には年間1万台という、当時のオフロード4WD車としては破格の販売実績を記録したのだ。
'87年に加わった高級仕様のエクシードでその人気は加速し、2代目となった翌年の'92年には、日本国内だけで年間8万台あまりのベストセラーとなったのだった。
同時期の三菱はFFベースのギャランやランサーでWRCにも挑みながら、全方位の4WD技術に磨きをかけた。2代目パジェロではロック可能なビスカスLSD付きセンターデフ方式で悪路走破性能と高速性能を高レベルで両立させた、世界初のスーパーセレクト4WDを搭載している。
ラダーフレームとモノコックを一体化した'99年の3代目では、駆動力配分を後輪寄りとしたスーパーセレクト4WD-IIへと進化させて、さらに走りを向上している。
'06年の4代目で、パジェロとしては完成形に到達したものの、この時期の市場は変革期を迎えていた。マイカーとしての4WD車は、乗用車ベースのオンロードSUVが世界の潮流になっていたのだ。そうして、パジェロは主役の座をアウトランダーに譲る形で、いったん2021年に歴史の幕を下ろすことになる。
最新4WD技術をベースに栄光のブランドが復活
それから5年、そんな栄光のブランドが復活する。この秋にお披露目される新型パジェロは、ランエボとパジェロで世界屈指のレベルに磨き上げた4WD技術が、高いオフロード性能を実現させてくるのは間違いない。しかしそれだけでは終わらないはずだ。
ヒントとなるのが、タイで生産されて'24年から日本国内でも販売されている、ピックアップトラックのトライトンだ。セダン並みの居住性を実現させたダブルキャブを備え、最新の電子制御4WDシステム、スーパーセレクト4WD-IIで武装したこのクルマは、日本でもスマッシュヒットとなった。
高級ドイツ車からの乗り換えも目立つというトライトンをベースに、快適なフルキャビンと、より洗練されたサスペンションを備えた、高速ロングドライブからスノー、ラフロードまで道を選ばない本格SUV。それが新しいパジェロ像のスタート地点になるだろう。
さらにより手軽なミドルやコンパクトクラスなどでシリーズ展開も明らかにされている。こちらの詳細や名称がどうなるかは不明だが、過去に展開し人気を博していたパジェロジュニア&イオなどに相当するモデルになるだろう。
このようにパジェロシリーズは、尖った個性を磨き上げて、再び三菱のシンボルとして復活を遂げる。まずはこの秋の正式発表を心待ちにしたい。
《先取り予想》新世代パジェロはどうなる?
パジェロ
「極上の乗り心地」と「走破性」を融合
新型パジェロのメカニズムは、トライトンがベース。ラダーフレームや2.4ℓクリーンディーゼルなどの主要コンポーネントを活かしながら、前後サスペンションは専用開発。卓越した悪路走破性だけでなく、上質かつ快適な乗り心地を両立させるとされている。リヤサスはマルチリンクになる可能性も十分。電子制御4WDシステムはもちろん最新世代、乗用車としての洗練をより高めたインテリアにも期待できそうだ。2026年秋の正式発表が待ち遠しい。
パジェロ(コンパクトクラス)
ライバルはカローラクロス&ヴェゼルか?
パジェロの弟分となるコンパクトクラスには、'90年代に販売されていたパジェロジュニアを彷彿できるモデルが投入される。ライバルはカローラクロスやヴェゼル。こちらは兄貴とは違って、フレームを持たないモノコックボディとなるだろう。現在の三菱のラインナップからすると、海外向けのエクスフォースをベースに発展する可能性が高い。4WDシステムは最新のS-AWCで、高い走破性と快適性を両立することで、ライバルモデルと差をつけるだろう。
パジェロ(ミニカークラス)
軽自動車で復活か? それとも小型車か?
シリーズとしては末弟となるミニカークラスにも新世代パジェロが投入される。軽オフローダーの再来というわけだ。ただし、中身の予想は難しい。ライバルのジムニーとガチンコで勝負するなら縦置きFRベースの本格4WDのメカニズムが必須だが、そこまで冒険してくるかどうか。かといって、横置きFFベースのハスラーを相手にしては、パジェロの名が泣く。現段階で間違いないのは、クラス最高レベルの上質感のあるインテリアの仕立てだ。小型車規格車もあるかもしれない。
歴代パジェロ モデルヒストリー
初代パジェロ 1982年~1991年
乗用車並みの快適性と高い悪路走破性を両立した、まったく新しい本格4WDとして誕生。武骨なトラックベースから始まり、ワゴンやロングボディを追加してラインナップを拡充している。無駄を削ぎ落としたシンプルな箱型デザインが人気を博し、後の日本のRVブームの土台を築き上げた歴史的な初代モデルになる。
2代目パジェロ 1991年~1999年
日本中に空前の「RVブーム」を巻き起こした歴代屈指の大ヒットモデル。走行中に駆動方式を切り替えられる「スーパーセレクト4WD」やマルチモードABSを初採用し、悪路走破性と安全性を劇的に進化させている。パリ・ダカール・ラリーでの総合優勝などモータースポーツでも輝かしい実績を残したことでも知られている。
3代目パジェロ 1999年~2006年
それまでの伝統的なラダーフレーム構造から、軽量・高剛性な「ビルトインフレーム式モノコックボディ」へと大胆に変貌。足回りには4輪独立懸架サスペンションを採用することで、本格クロカンとしての悪路走破性を強固に維持したまま、オンロード走行時の快適性と操縦安定性を大幅に向上させている。
4代目パジェロ 2006年~2021年
直線基調の力強いフロントマスクなど2代目の意匠をオマージュしつつ、洗練された高級路線を追求している。モノコック構造を踏襲し、静粛性の向上や、ポスト新長期規制に適合した3.2ℓクリーンディーゼルを導入するなど、時代に合わせた進化を継続している。2019年に国内で生産終了、2021年に多くのファンに惜しまれつつ39年の歴史に幕を閉じている。
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