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【WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ】トヨタの連勝がついにストップ、ヒョンデのタナックが今季初優勝

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【WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ】トヨタの連勝がついにストップ、ヒョンデのタナックが今季初優勝

2025年6月26日~29日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャがギリシャ中部のラミアを起点としたグラベル(未舗装路)で開催され、ヒョンデのオィット・タナックが今季初優勝。2位にはトヨタのセバスチャン・オジェ、3位にはヒョンデのアドリアン・フルモーが入った。勝田貴元は金曜日の最初のステージでパンク。土曜日にはコースアウトしてデイリタイア、さらには日曜日もパンクを喫するなどして30位に終わった。

序盤からトラブル続出、首位争いはオジェ、タナック、フルモーに
その荒れた路面で「カーブレーカー」の異名を取るアクロポリス・ラリー。アテネ市内でのSS1を経て、金曜日から本格的に始まった戦いでは、朝のSS2からいきなりアクシデントが連発した。

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まず最初の「犠牲者」となったのは勝田。ステージ序盤でパンクを喫し、タイヤ交換で大きなビハインドを背負ってしまう。さらに午前中最後となるSS4ではヒョンデのティエリー・ヌーヴィルもパンク。こちらはなんとか最後まで走り切って40秒のタイムロスで済んだものの、続くSS5で再びパンクを喫して上位入賞が絶望的になってしまう。

ドライバーズランキング首位のエルフィン・エバンス(トヨタ)、ランキング3位のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が早いスタート順による砂利掃除役となってタイムが伸びないなか、初日の首位争いに絡んだのはオジェ、タナック、フルモーという、ここ2戦と同じ顔ぶれ。

やや砂利の少ないステージで2番手スタートのオジェが好タイムを出せば、砂利の多いステージでスタート順が有利なヒョンデ勢が逆転するという展開で、金曜日はタナック、フルモー、オジェのオーダーで終える。

タナックが待望の勝利、トヨタの連勝がついに止まる
翌土曜日、タナックが徐々にリードを広げるなか、2番手のチームメイト、フルモーをアクシデントが襲う。午前中最後のステージとなるSS10で土手に右リアを当ててサスペンションを破損。大きくタイムロスして優勝争いから脱落してしまったのだ。

これでオジェが2番手に浮上。フルモーは3番手に後退したものの、直後にサービスが設定されていたこともあってリタイアは免れた。

これで3戦連続してタナック対オジェの優勝争いとなったが、今回のヒョンデは速かった。タナックはステージごとにオジェとの差を広げ、土曜日終了時点でその差は43.6秒と決定的になった。

約100kmの距離を残した日曜日、タナックはペースをコントロールしながら、オジェとの差をキープ。最終パワーステージではステージ後半にギアボックストラブルに見舞われたこともあって、日曜日単独首位とパワーステージ首位こそ逃したものの、無事にフィニッシュ。昨年の第12戦セントラル・ヨーロッパ以来の優勝は、ヒョンデにとっても待ちに待ったシーズン初勝利となった。

殊勲を挙げたタナックは「路面がラフで、気温も高く、信じられなくらい厳しいラリーだった。でもそんな中で、タイヤを保たせて、いいパフォーマンスを発揮するという両極端の課題をうまくまとめられた」と満足気。

一方、3連勝を逃したオジェは「今回はオィットが素晴らしく、チャンスはなかった」とライバルの速さに脱帽するしかなかった。

これでドライバーズ選手権は、4位に終わったポイントリーダーのエバンスの獲得ポイントが150点にとどまる中、限定参戦のオジェは9点差の141点、今回30点を獲得したタナックは138点となり、エバンスから12点差に急接近した。

2025年 WRC7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ リザルト
次戦第8戦ラリー・エストニアは、7月17日~20日、エストニア中南部のタルトゥを起点としたグラベル(未舗装路)で開催される。ステージの路面は比較的フラットでスムースなグラベルだが、道幅が狭くツイスティなセクションも少なくなく、砂地はやや軟らかく、同じステージを2回目に走行する際には深い轍が刻まれることもある。(文:新村いつき)

2025年 WRC7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果
1位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)4h12m20.1s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+32.8s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+3m09.8s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m31.1s
5位:T.ヌーヴィル(ヒヒョンデ i20N ラリー1)+6m09.5s
6位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m34.7s
7位:G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+11m28.5s
8位:Y.ロッセル(シトロエンC3 ラリー2) +11m43.7s
9位:K.カエタノビッチ(トヨタ GRヤリス ラリー2) +12m56.7s
10位:A.カション(トヨタ GRヤリス ラリー2) +14m19.9s
────────────
27位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+39m08.9s
30位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+44m09.1s

2025年 WRCドライバーズランキング(第7戦終了時)
1位 E.エバンス(トヨタ)150
2位 S.オジェ(トヨタ)141
3位 O.タナック(ヒョンデ)138
4位 K.ロバンペラ(トヨタ)117
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)96
6位 勝田貴元(トヨタ )63
7位 A.フルモー(ヒョンデ)61

2025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第7戦終了時)
1位 トヨタ 358
2位 ヒョンデ 293
3位 Mスポーツ フォード 97

[ アルバム : WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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