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「コンチネンタルGT V8コンバーチブル」に乗って感じたベントレーが大切に守り続けているもの

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「コンチネンタルGT V8コンバーチブル」に乗って感じたベントレーが大切に守り続けているもの

継承すべきエレガンスを持つことの素晴らしさ

東京の芝公園にある「とうふやうかい」をスタートし、首都高速から中央道に入り西に向かってベントレー・コンチネンタルGT  V8コンバーチブルを走らせていた。その落ち着きのあるハンドリングと走りのポテンシャルの高さ、そして揺るぎない安心感に全身を委ねながら目指すのは、東京都八王子市、高尾山麓に鎮座する「うかい竹亭」である。コンチネンタルGTの6.0リッター、W型12気筒エンジンの静々と回る重厚なる走りもいいが、この4.0リッター、V8気筒ツインターボの、まるでレーシングエンジンのようにヒュンヒュンと回る軽快さも実に魅力的。なによりもカジュアルさにおいてV8エンジンが、よりふさわしいと感じている。そこにベントレーのスタンダードであるゴージャスなキャビンは、レザーの程よい香が心地よく漂い、極上の仕立ての良さである。

空気圧は1か月に1回点検を!燃費性能にも影響するタイヤの空気圧

そんな走りを味わいながら、以前、イギリスで行われたある新車のテストドライブ途中に通りかかった、オックスフォードでの出来事を思い出した。世界で最も有名な大学都市に足を踏み入れたことで、少しばかり気分が高まったのか、同行のカメラマンと、たまたま見つけた小さなカフェの前にクルマを止めた。この街の空気感をもう少し楽しみたくて、アフタヌーンティーを楽しもうというわけだ。店内を通り抜けるようにして我々が案内されたのは小さな裏庭だった。小さなテーブルが3つほど並んだその場所には、初夏の木漏れ日が降り注ぎ、爽やかな風が吹き抜けていた。旅人をもてなすには、まさに絶好の場所だった。

しばらくすると、いい具合に使い込まれた3段のスタンドとティーポット、そしてカップなどを、品の良い妙齢の女性が運んできた。カップに紅茶を注ぐと、いい香りが漂ってきた。一番下のサンドイッチから、2段目のスコーン、そして上段のペストリーと食べ進めるのがマナーだが、さっそくカメラマンが一番上のペストリーを皿に取って食べようとする。と、その女性は、「一番下のサンドイッチから食べなさい」と柔らかく言い添えた。「お代わりもあるからパンから食べるのよ」と。

確かにロンドンの超一流ホテル、ザ・リッツ・ロンドンの「パーム・コート」でアフタヌーンティーを楽しむなら、コードも当然、ここは街のカフェ…、見過ごしていた私にもそんな侮りがあったのかも知れない。だが、地方都市の小さなカフェにも、伝統はしっかりと継承され、基本を守ることがエレガンスにも通じていると、改めて理解する経験となった。

この食べる順番にはプロトコルというだけでなく“糖分摂取についての合理性”がしっかりと潜んでいる。イギリス文化の中で育まれてきた紅茶の流儀には、現代に通用する意味があるのだ。

プレミアムオープンカーにとって大切なことを知り尽くしている

そんなことを考えながら芝から高尾までの60km弱、1時間にも満たない行程を間もなく走り終えようとしていた。正直に言えば、この贅沢な空間に包まれながらどこまでも走り続けたい欲求に駆られていた。それほどにコンチネンタルGTコンバーチブルのキャビンには、極上の時間が流れていたのだ。ソフトトップでありながら、遮音材などを4層に作り込み、スチールルーフ並みの静粛性を実現しているという。だが私が好ましく感じたのは、その工業製品としての緻密さではなかった。

クルマは本来、風切り音やタイヤの走行音など、あらゆる外的要因がつねに襲いかかっている。問題はそうした音を完全に遮断することではなく、「いかに快適な音へと変換できるか」という、メーカーならではの味つけである。その点においてベントレーは絶妙な技を見せる。ドライバーが必要な音はちゃんと聞かせ、ストレスに感じる不要な音はしっかりと遮断し、長い経験値の中で得た取捨選択法をあますことなく実践している。V8の軽快なエンジン音を心地よく感じさせ、籠もるような走行音は消し去る。この塩梅が何より心地いいのである。

そんな極上空間があれば、どこまでも走ってみたくなるのだが、目的は「うかい竹亭」でのランチであった。グランドツーリングへの思いを残しながら、静かな車寄せに乗り入れ、途中で開け放ったソフトトップを閉める。

ここからが、このコンチネンタルGTコンバーチブルの真骨頂である。ルーフが開くことで得られる大きな開放感や爽快さは、世界中に存在するオープンに等しく与えられた権利であり、世の中に存在するすべてのオープンカーは平等である。だからこそ“オープンカーの神髄はクローズドにあり”なのだ。その姿、佇まいがいかにスタイリッシュでエレガントであるか、これこそオープンカーとしての価値を決定するものだと思っている。

それを知っているからベントレーは幌、つまりソフトトップにこだわっている。とくにエレガントさで言えば、メタルルーフに対して大きなアドバンテージが存在するから、こだわり続けるのだ。さらに天地の薄いグラスエリアの流麗なるフォルムが加わる。だからこそ世界でも希なほどのエレガンスを獲得したコンバーチブルとして仕上がっているのだと思う。

日英に共通する老舗の味わいが心地いい時間を作る

京王高尾線の高尾山口駅から国道20号を大垂水峠方面に数分走り、脇道に入った山間の地に「うかい竹亭」はある。ベントレーの車内と同じように心地いい静寂に包まれながら味わう会席料理は、相変わらずの満足を与えてくれる。ゆっくりと過ぎていく時間の中で、去りがたい気持ちを味わいながら、さて、どうやら戻らなければいけない時間である。

再びベントレーの車内に乗り込むと、それまで食事を楽しんでいた老舗の空気感がそこに、感じられた。クルマと日本伝統の会席の空間に同質な時間が流れていたからこそ、違和感なく過ごせていた。さらにベントレーが昔から有している扱いやすさという魅力が、店を出たばかりの細い路地で感じるはずのストレスを相当に軽減してくれる。

終始、穏やかな気持ちのままで走り、東京・青山の骨董通りにあるアーケード・ショップ“ヴァルカナイズ・ロンドン”へと向かった。英国王室御用達の「スマイソン」や「ギーブス&ホークス」を始め、英国のラグジュアリー・ブランドを集めたその店は、最近リニューアルされ、現代のロンドンを知るには格好のショーケースだ。

ベントレーと「ヴァルカナイズ・ロンドン」。どちらも“上質なライフスタイル”という共通の価値観によって世界から認められている存在だけに、しっくりと溶け合っていた。

店内では、「ヴァルカナイズ・ロンドン」代表の田窪寿保氏からイギリスらしさやイギリス・ブランドの奥深さ、魅力について話を聞いた。そこで供されたのは香り高い紅茶であった。まさにそれはイギリス、ロンドンの“今”を感じとることができるアフタヌーンティーとだ。あのとき、オックスフォードで過ごした時間もまた、蘇る。

ベントレーで巡ったのは、日本の心を感じさせる老舗、そして日本の中の英国。

このロングツーリングは、ベントレーが背景に持つ文化を際立たせた、格好のドライブコースとなったのである。

東京タワーの足元にある「東京 芝 とうふ屋うかい」からスタート。右からコンチネンタルGTV8コンバーチブル、白のフライングスパー、そして赤のコンチネンタルGTコンバーチブルが並ぶ。

極上の静寂に包まれた奥高尾の山里にある「うかい竹亭」。その落ち着きのある佇まいとベントレーのデザインが調和する。

ソフトトップを閉じるとコンチネンタルのコンバーチブルとしての美しさが際立つ。本当のエレガンスを感じる瞬間である。

広大な敷地に大小17の離れを擁す「うかい竹亭」で、吟味された旬の素材をふんだんに使った心づくしの懐石料理を楽しむ。

お茶席でのもてなしも用意され、心穏やか時間を過ごすことが出来た。

素材を生かす技を知っているからこそ、落ち着きに満ちたキャビンを完成させている。

ベントレーならではの上品さとゴージャスな雰囲気も醸し出している象徴とも言えるフライングスパー。

骨董通りにあるヴァルカナイズ・ロンドンの前に佇むコンチネンタルGTコンバーチブル。リアルロンドンのシーンかと錯覚しそうな雰囲気。

英国の貴族文化、クラフトマンシップ、イギリス・ブランドの奥深さなどについてヴァルカナイズ・ロンドン代表の田窪寿保さんからお話を伺う。

コンチネンタルGT V8コンバーチブル

価格:29,500,000円(税込み)

ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,880×1,965×1,400mm
車重:2,370kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:AT
エンジン:V型8気筒ツインターボ 3,996cc
最高出力:406kw(550PS)/5,750~6,000rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/2,000~4,500rpm
問い合わせ先: ベントレーコール:0120-97-7797

TEXT:AQ編集部

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