兄貴分「M2 CS」超え!
BMWは2026年7月6日、「Mパフォーマンストラックキット」を装着したBMW M2が、ニュルブルクリンク北コースにおいて公証されたラップタイム記録を樹立したと発表した。記録されたタイムは7分25秒068であり、これはBMW M2 CSの記録を0.5秒上回る速さである。
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悪条件をものともせず
このタイムアタックは5月22日に実施され、その結果はテュフ・ラインランド(TÜV Rheinland)によって検証されている。走行当日は気温および路面温度が高く、さらにコースの一部(T13セクション)にオイルの痕跡が残るなど、記録更新には厳しいコンディションであった。
この記録的なタイムを可能にしたのは、M2専用に新しく開発されたシャシーと、広範なエアロダイナミクス・パッケージであるという。同パッケージは、トラックデイ(サーキット走行)での使用に向けた車両の徹底的な最適化に焦点を当てており、レーストラックにおける精度、安定性、パフォーマンスをさらに研ぎ澄ますためのコンポーネントが採用されているとされる。
このタイムアタックとMパフォーマンストラックキットについて、BMW Mパフォーマンスパーツのプロダクトマネジメント責任者を務めるジョナス・クラウス氏は、次のように述べている。
「新しいMパフォーマンストラックキットにより、私たちはトラックデイのコミュニティに対し、BMW M2に完璧に調整された妥協のないパフォーマンスを提供します」
野心的なドライバーをターゲットに
Mパフォーマンストラックキットは、公道走行の認可を維持しつつ、トラックデイに向けたよりシャープなセットアップを実現したという。クローズドトラックにおいて、BMW Mのダイナミックな性能を体験しさらに高めたいと願う、スポーティで野心的なドライバーをターゲットとしたパッケージだ。
具体的には、調整可能なフロントスプリッター、エアロフリック、専用のレースモードを備えた手動調整式スワンネック・リアウィングのほか、公道走行認可を初めて取得したモータースポーツ用ダンパーシステムを特徴とするコイルオーバー・サスペンションが含まれている。
これらのコンポーネントが相互作用し、限界域での精度や安定性、パフォーマンスが向上、BMW M2をトラックデイ用途にさらに適した状態へと高めると言うのだ。開発はBMW Mの専門家たちと共同で進められ、エアロダイナミクスの設計はBMWの風洞施設で実施。
車両全体のセットアップは、自身も記録樹立ドライバーであり、BMW Mのシャシー開発担当テストエンジニアであるイェルク・ヴァイディンガー氏が担当した。その結果、すでに高い完成度を誇るベース車両が、サーキットで理想のラインを描くためのさらに精密なマシンへと進化を遂げたということだろう。
【ル・ボラン編集部より】 現行型G87系M2は車格拡大と重量増により、当初はピュアスポーツとしての資質を危ぶむ声もあった。しかし今回の記録は、M社がその「質量」すら強靭なトラクションへ変換した事実を証明している。公道走行の認可を残しつつ、手動調整式エアロや専用ダンパーで極限の精度を引き出す手法は、初代M3(E30)が体現したレーシング精神と重なる。重厚なツアラーの顔を持ちながら、限界域では牙を剥く。最新技術で往年のじゃじゃ馬を調律し、乗り手を選ぶ美学を再び我々に突きつけてきたのだ。
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