壊れたものを修理する方がいい?
英国在住のジョン・ランドさんは、世界で最も熱心な『ロータス・ヨーロッパ』のオーナーかもしれない。彼はこれまで14台を所有し、その1台1台を深く愛してきた。
【画像】1960年代から70年代にかけて生産された英国ライトウェイトスポーツ【ロータス・ヨーロッパを詳しく見る】 全10枚
「両親は買ってくれなかったので、1975年の21歳の誕生日に、自分で最初の1台を買いました」とジョンさんは言う。
「両親が反対したのは正しかった。翌日には壊してしまったんですから。電信柱に突っ込んでしまい、修理を他人に頼む余裕がなかったため、自分でグラスファイバーの扱い方を学んで修理する羽目になりました」
「残念ながら、その後も何度もぶつけてしまいました。そこで、状態の良いものを買ってまた壊すよりは、すでに壊れているロータス・ヨーロッパを買って修理した方がましじゃないか、と考えたんです。それで、修復したり、売買したりするようになりました。長い間レースにも出ていましたが、驚くべきことに、一度もクラッシュしませんでした」
ジョンさんが現在所有するヨーロッパは2台ある。1台は写真に写っている1969年式S2で、後期型のルノー1600クロスフローエンジンを搭載しており、10年前に購入した。もう1台は、最高出力250psを発生する軽量仕様のロータス・タイプ47だ。
素晴らしいコンディションの内装
「タイプ47はすごく速いですよ。とはいえ、重量がわずか700kgのS2も決して遜色ありません。1979年に、かつてブルックランズでGT40のシャシーを製作していた人によって修復してもらいました。彼はその道のプロで、エンジンの出力向上も含め、見事な仕事をしてくれました。標準エンジンは1470ccのルノー製でしたが、彼が搭載したものはそれよりはるかに優れています。一度も不調を起こしたことがないんです」
57年もの歳月を経たクルマにしては、内装は極めて良好な状態で、電動ウィンドウ、カーペット、磨き上げられた木製のダッシュボードといった洗練された装備を揃えている。実際、新車当時がこれよりも美しかったとは想像し難いほどだ。
このヨーロッパは極めて車高が低い。全高はわずか1080mmで、あのフォードGT40とほとんど変わらない。
「車内は少し閉塞感があります。身長が5フィート10インチ(約178cm)を超える人には向かないでしょうね」とジョンさんは言う。
「冬の日には暖かくて居心地が良いのですが、夏は少し暑すぎます。少なくとも、ロータスは乗り心地をうまく仕上げています。しなやかで、身体が激しく揺さぶられることはありません」
トランスミッションには要注意
ジョンさんによると、このクルマの形状は好みが分かれるそうで、人々の注目は大抵、ミドシップエンジンの両脇にあるバットレスに集まるという。ルノー製エンジンへのアクセスを容易にするため、取り外し可能な軽量トランクボックスが設けられており、ジョンはそれを軽々と持ち上げてみせる。グラスファイバー製のボディは、スチール製のバックボーンシャシーから伸びるスパーに取り付けられている。
「とても機敏なクルマですが、リアのトランスミッションの状態はしっかり確認しておかなければいけません。緩んでしまうと、クルマが本当に滑りやすくなってしまうからです」
ただ、筆者には、ジョンさんがそんな状態になるまで放置するとは思えない。
購入以来、彼は数千kmしか走っていない。
「週末にちょっとドライブに出かける程度です。価値は2万ポンド(約430万円)から2万5000ポンド(約540万円)の間でしょう。2万ポンド以下では売りませんし、2万5000ポンド以上は期待していません」
もちろん、これはあくまで仮定の話だ。ジョンさんはまだ売る予定はないのだから。
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