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大ヒットを記録した「カウンタック アニバーサリー」(1982-1988)【ランボルギーニ ヒストリー】

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大ヒットを記録した「カウンタック アニバーサリー」(1982-1988)【ランボルギーニ ヒストリー】

Lamborghini Countach 25th Anniversary

ランボルギーニ カウンタック 25th アニバーサリー

ディアブロの進化と派生モデルを追う(1992-1999)【ランボルギーニ ヒストリー】

新たなオーナーの指示により進化したカウンタック

1978年にカウンタックの最初の改良型となるLP400Sを発表し、それと同時期には8気筒モデルのウラッコの進化型ともいえる、シルエットを市場に投じるなど、表面的には積極的なニューモデルの投入を行っているかのように見えたランボルギーニ。だが、実際にその経営は、アメリカの軍用車両製作メーカーであるMTIやBMWとのジョイントビジネスがいずれも失敗に終わったこと、そしてオイルショックを直接の理由とする世界経済の低迷にも影響され、なかなか好転のチャンスは訪れなかった。

結局ランボルギーニは政府の管理下に置かれることになったのだが、1981年になると新たなオーナーとしてフランスの実業家、パトリック・ミムランによってランボルギーニの全株式が取得され、社名も正確にはヌォーヴァ(新しい)・アウトモビリ・フェルッチオ・ランボルギーニと改められることになった。スタンツァーニに代わってチーフ・エンジニアとなったのは、ミムランに前後してデ・トマソからランボルギーニへと移籍していたジュリオ・アルフィエーリで、ミムランはまず唯一の生産車であるカウンタックを、さらに魅力的なモデルへと進化させることを彼に指示したのだった。

5リッターV12へと改めて登場した「LP500S」

そのリクエストに応えてアルフィエーリの手によって完成したのが、1982年に発表された「カウンタック LP500S」だった。エクステリアは基本的にLP400Sのディテールを受け継いでいるものの、ドアパネルは若干大型化され、そしてなにより搭載エンジンがネーミングからも想像できるように5リッターの排気量を設定した(正確には4754cc)V型12気筒に変更されたことが最大のトピックスだった。最高出力は375ps、最高速度300km/hと発表。発生回転数はわずかながら低下され、これはカウンタックというスーパースポーツを日常的に使用するに十分なフレキシビリティを与えることを目的とした改良策だった。LP500Sは1985年まで継続され、この間に323台が本社工場から出荷された。

1985年には4バルブ化を実現

1985年の後半になると、アルフィエーリはV型12気筒エンジンのストロークをさらに延長し、排気量を5167ccに拡大。ヘッドをDOHC4バルブ化した「LP5000 QV(クワトロバルボーレ)」を生み出す。455psというフェラーリ・テスタロッサを大きく超えるパワー、そしてLP500Sから北米向けのインジェクション仕様を設定したことなどの相乗効果もあり、LP5000 QVは1988年までに632台が生産された。

最多販売数を記録した25周年記念モデル「アニバーサリー」

そして、1987年にはランボルギーニの経営権は、ミムランからアメリカの自動車メーカー、クライスラーへと移る。そのクライスラーのもとで、最終バージョンとなる「カウンタック アニバーサリー」へと進化するのだ。

カウンタック アニバーサリーは、1988年から1990年までの間に、カウンタックのモデル中で最多となる657台が生産された。個性的なサイドシルやエアインテークなど、アニバーサリーに独自のディテールをデザインしたのは、現在ではパガーニ・アウトモビリ社を率いるオラチオ・パガーニ。インテリアはLP5000 QVの基本デザインを継承しているが、その使い勝手の良さや快適性、装備レベルなどは各部に強く表れている。

ミッドに搭載されるエンジンは、こちらもLP5000 QVと同様、5167ccのV型12気筒DOHC4バルブで、欧州仕様とインジェクションを使用する北米仕様の2タイプが設定されたことも変わらない。ダウンドラフト型のウェーバー製44DCNF型キャブレターを組み合わせる欧州仕様の最高出力は455ps。すでにこのアニバーサリーが誕生する時点で、親会社のクライスラーはカウンタックの後継車を開発することを決定していたから、新開発のエンジンをこのアニバーサリーに与える必要はないと判断したのだろう。

プロトタイプのLP500から約20年。カウンタックはランボルギーニのみならず、スーパーカーの象徴として多くのファンの心を刺激し続けた。

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ カウンタック LP500S

発表:1982年

エンジン:60度V型12気筒DOHC

総排気量:4754cc

圧縮比:9.2

最高出力:276kW(375ps)/7000rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1490kg

最高速度:300km/h

ランボルギーニ カウンタック LP5000 QV

発表:1985年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:5167cc

圧縮比:9.5

最高出力:335kW(455ps)/7000rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1490kg

最高速度:297km/h

ランボルギーニ カウンタック アニバーサリー

発表:1988年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:5167cc

圧縮比:9.5

最高出力:335kW(455ps)/7000rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1490kg

最高速度:295km/h

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

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みんなのコメント

2件
  • 10年前、まだ1200万位の時、買っとけばよかった。
    もう、買えないだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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