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ニュータイプ“Tプレーン”3気筒エンジンの新型タイガー900、トライアンフから4月上旬発売

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ニュータイプ“Tプレーン”3気筒エンジンの新型タイガー900、トライアンフから4月上旬発売

90度ずつひねったクランクによる不等間隔爆発

トライアンフのアドベンチャーモデル、タイガー800が「タイガー900(TIGER900)」にフルモデルチェンジ。エンジンもフレームも刷新されたが、なかでも注目したいは新種の並列3気筒エンジンだ。日本ではGT/GTプロ/ラリー/ラリープロの4機種展開で、発売は2020年4月上旬予定。

【速報インプレッション】トライアンフ新型ロケット3が日本上陸、2458ccの3気筒は途方もなかった!

新たなトリプルエンジンを搭載して生まれ変わったタイガー900



2011年モデルとして初登場し、順次改良が加えられながら熟成してきたのが先代タイガー800だ。2015年モデルと2018年モデルでそれぞれバリエーション展開や大幅な軽量化といった変更を受けてきた。



その後継モデルとなるタイガー900は排気量アップに加え、電子制御の充実や軽量化といった全面変更を受けているが、なかでもトライアンフが誇る3気筒エンジンにとって将来的にも大きなターニングポイントとなるのではと思えるのは、クランクピン配置の刷新だ。



従来は120度ごとに位相された3つのクランクピンが等間隔に並び、爆発間隔でいえば240度の等間隔(240度×3気筒=720度のワンサイクル)だった。これは歴史的に見ても、ごく一部を除けば3気筒エンジンのほとんどを占めていたもので、バイク用に限れば筆者の知る限り、ラベルダというイタリアの古豪メーカーが採用していた180度フラットプレーンが唯一の例外だ。※もし他にあったら教えてください詳しい人!



これらに対し、新型タイガー900のエンジンは、1番~2番~3番のクランクピンをそれぞれ90度ずつ捻っていく構成だ。0度、90度、180度という配置は、並び順はともかく、ヤマハYZF-R1のクロスプレーンから1気筒を除いたようなものともいえるが、それはともかく、クランクピン配置を横から見るとTの字になっているように見えることから、トライアンフはこれを「Tプレーン」と名付けている。ちなみに、トライアンフ(Triumph)のTにちなんだものかどうかについては、特に言及されていない。



―― エンジンは“Tプレーン”採用のクランクシャフトのほか、ピストンやコンロッドも新作。シリンダーヘッドやバランサー、オイルパンなども刷新され、エンジン単体で2.5kgの軽量化を果たした。

―― 左は従来のタイガー800のクランクシャフトで、クランク軸を中心にクランクピンは120度ごとの等間隔配置になっている。一方で右のタイガー900のクランクシャフトは、手前のクランクピンから順に90度ずつ捻れていっている。参考までに、上のクロスプレーンクランクはヤマハYZF-R1のもの(横から見ると十字の配置になる)。これの対語のように使われるフラットプレーンとは、各クランクピンとクランク軸を真横から見た時に一直線に並ぶことから名づけられている。

―― Tプレーンをイメージ化した図がこれ。T字型にクランクピンが並んでいる。1番に点火したあと半回転して3番に点火、そこから270度回って2番に点火し、また270度ののち1番に。

―― クランクのトルク変動をグラフ化したもの。タイガー800(上段)の等間隔爆発が、タイガー900(下段)になるとこのような不等間隔になる。体感するパルス感はどのようになるのだろう?

トライアンフ タイガー900 GT/GTプロ/ラリー/ラリーPRO

―― トライアンフ・タイガー900 ラリープロ(左)/タイガー900GTプロ(右)



新型タイガー900のバリエーションラインナップは、オンロード主体のツーリングに向けたGT/GTプロ、アドベンチャースポーツにフォーカスしたラリー/ラリープロの4種類。もっともベーシックなスタンダード仕様については日本で発売される予定はないという。



ラインナップそれぞれを整理すると、まずベーシックモデル(日本未発売)はキャストホイールにABA、トラクションコントロールシステム、LEDヘッドライト、そして2モードのライディングモードを備えている。



これに対しGTは、4つのライディングモード、7インチTFTパネルにグリップヒーター、クルーズコントロール、ハンドガード、携帯電話収納+充電スペースが用意される。



さらにGTプロになると、5つのライディングモードに電子調整式サスペンション、「マイトライアンフ」アプリ接続システム、上下双方向対応のトライアンフシフトアシスト(クイックシフター)、LEDフォグランプ、センタースタンド、タイヤ空気圧モニタリングシステム、シートヒーター(タンデムシートにも!)が追加装備となる。



ラリーになるとホイールはチューブレスタイヤ対応のワイヤースポークになり、4つのライディングモード、ショーワ製アジャスタブル“オフロード”サスペンション、7インチTFTパネルにグリップヒーター、クルーズコントロール、ハンドガード、携帯電話収納+充電スペースを装備。



さらにラリープロは、「マイトライアンフ」アプリ接続システム、上下双方向対応のトライアンフシフトアシスト(クイックシフター)、LEDフォグランプ、センタースタンド、タイヤ空気圧モニタリングシステム、シートヒーター、そしてエンジンプロテクションバーとアルミ製オイルパンガードを追加装備する。



実際の走りについては、最新号(2月22日発売)で伊丹孝裕さんによるGTプロとラリープロのインプレッションを掲載するのでお楽しみに。



TRIUMPH TIGER900 GT/GT PRO



【TRIUMPH TIGER900 GT/GT PRO[2020]】主要諸元■全長未発表 全幅930 全高1410-1460 軸距1556 シート高810-830(各mm) 車重209[223]kg(装備)■水冷4ストローク並列3気筒 DOHC4バルブ 888cc 95.2ps/8750rpm 8.87kg-m/7250rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/70R17 ●価格:158万円~160万6500円[182万円] ●色:白、黒、赤 ●発売時期:2020年4月上旬



―― [トライアンフ タイガー900 GT/GTプロ]コロッシレッド

―― [トライアンフ タイガー900 GT/GTプロ]ピュアホワイト

―― [トライアンフ タイガー900 GT/GTプロ]サファイアブラック

TRIUMPH TIGER900 RALLY/RALLY PRO



【TRIUMPH TIGER900 RALLY/RALLY PRO[2020]】主要諸元■全長未発表 全幅935 全高1452-1502 軸距1556 シート高850-870(各mm) 車重221[226]kg(装備)■水冷4ストローク並列3気筒 DOHC4バルブ 888cc 95.2ps/8750rpm 8.87kg-m/7250rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L■タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70R17 ●価格:166万円~168万6500円[186万円] ●色:白、黒、緑 ●発売時期:2020年4月上旬



―― [トライアンフ タイガー900 ラリー/ラリープロ]マットカーキグリーン

―― [トライアンフ タイガー900 ラリー/ラリープロ]ピュアホワイト

―― [トライアンフ タイガー900 ラリー/ラリープロ]サファイアブラック

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