混雑する中国の市街地で“ほぼ自動運転”を体験
2025年3月にイタリア・ローマでワールドプレミアとなったメルセデス・ベンツ新型「CLA」は、新開発プラットフォーム「MMA」の採用や、AIを統合した独自の車載OS「MB.OS」の搭載など、次世代モデルに向けた革新的なテクノロジーがふんだんに盛り込まれています。
【画像】「え…!?」カオスな上海市街地を自動で走る“スタイリッシュな4ドアクーペ”! メルセデス・ベンツ新型「CLA L」を写真で見る(25枚)
4月に中国・上海で開催されたオート上海では、中国市場向けのロングホイールベース仕様である「CLA L」がお披露目されたほか、最新の運転支援システムである「MBドライブ・アシスト・プロ」のデモ走行も実施。筆者は幸運にも、このデモ走行に参加して、その出来栄えを体験することができました。
MBドライブ・アシスト・プロは、主に自律動作マシンやロボット向けに開発されたエッジAIコンピューティング向けSoC(システム・オン・チップ)であるNVIDIA Orin Xを用いた最先端のADASで、高速道路上のみならず、一般道でも高度な運転支援を可能にしています。
今回は、オート上海の会場である国家会展中心からクルマで45分ほど走った所にある、メルセデス・ベンツの上海R&Dセンターを起点に、約10kmの一般道ルートを、開発エンジニアがドライブするMBドライブ・アシスト・プロを搭載した新型CLA Lのプロトタイプの助手席で走行しました。
この先進運転支援システムは、モノカメラとレーダーセンサー、超音波センサー、そしてGPS情報とクラウド情報を使用した「ポイント・トゥ・ポイント・ドライビング・アシスタンス」です。ナビゲーションシステムで目的地を設定すると、そこまでのルートや走行車線、走行速度などを車両が自動的に決定し、自動的に走行します。
技術的にはレベル3、つまりドライバーの運転操作を必要としない自動運転も可能なレベルを実現していますが、中国の交通法規では、まだレベル3での自律走行は認められていないため、ドライバーは走行中、不測の事態に備えてステアリングホイールをすぐに操作できる体勢を取らなければなりません。そこでメルセデス・ベンツでは、このMBドライブ・アシスト・プロを「レベル2++」と定義しています。
“ほぼ自動運転”でも違和感なし! 驚くほど自然な対応力
実際、ドライバーは走行中にステアリングホイールを定期的に触っていました。15秒以上触れていないと警告が発せられ、30秒が経過するとシステムは停止します。とはいえ、ほぼ完全にクルマが自律的に走行している様子には、とても驚かされました。
ここはテストコースではありません。中国の、それも上海のような大都市の一般道です。路上駐車もあれば、無理な割り込みをしてくるクルマもいます。縦横無尽に車線変更するバイクや自転車、横断歩道のない場所で道を横切る歩行者も当たり前です。東京や大阪が天国に思えるほど、上海の路上はまさに混沌としていました。
それでもMBドライブ・アシスト・プロを搭載した新型CLA Lは、驚くほどスムーズな走行を披露しました。周囲の交通状況に合わせて自動的に速度を調節し、流れに乗って走行していました。速度規制をきっちり守るのではなく、交通の流れを優先する制御で、50km/h規制の道路でも約60km/hで走行する場面もあるなど、実情に即したリアルなチューニングが印象的でした。
中国は右側通行なので、左折時には左折レーンまでスムーズに車線変更します。中国の交通ルールは少し特殊で、まれに左折レーンが最も左の車線でないことがありますが、その場合でも間違えることなく正確にレーンに並んでいました。またCar-to-X通信は使用していませんが、信号の変化に対する反応もとても自然で、正確です。
片側1車線の道路で、駐車車両が大きく道を塞いでいた場面でも、対向車との距離や相対速度を考慮しながらスムーズに通過。追い越し禁止やはみ出し禁止の道路でも、状況に応じてフレキシブルに対応していたことには、正直驚かされました。
唯一気になったのは、交差点通過後に最短距離を直線的に走行しようとするようなシーンが数回見られたことです。それ以外は極めて自然な制御だっただけに、その一点だけがやや惜しい印象でした。
とはいえ、MBドライブ・アシスト・プロの完成度は非常に高く、事前に知らされていなければクルマが自動で走行しているとは気づかないかもしれません。走行ペースは比較的ゆったりしていますが、現状でもほぼ完璧な仕上がりと言って良いでしょう。
アメリカや中国の一部メーカーが、未完成のまま自動運転技術をリリースして試行錯誤を繰り返しているなか、メルセデス・ベンツは「最善か無か」という理念のもと、完成度が極めて高まったタイミングで初めて新型CLA Lへの搭載を実現しました。
このMBドライブ・アシスト・プロは、まず新型CLA Lに搭載されて中国市場に導入され、今後は北米やヨーロッパにも展開予定。日本市場への導入にも期待が高まります。(Alexander Ostern、竹花寿実(訳))
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みんなのコメント
それだけ中国重視?。日本は忘れ去られる?導入は最後か?(笑)
ちょっと前まで、利益の大半を日本で稼いでたのに。
落ちぶれたもんだ。