「キーキー」音が鳴る、その前に
基本的には金属で作られている自転車は、金属同士が接触する箇所には潤滑油が入れられ、滑らかに動くよう調整されています。チェーンは走るたびに回転し、ギアは日々変速を繰り返し、ブレーキレバーは何度も握られるなど、必ず金属同士が当たる箇所では、最初はネバネバしている潤滑油も粘度が低下して(サラサラになって)流れ出してしまいます。それが雨の中を走行すると、潤滑油切れが加速してしまう傾向があります。
【画像】具体的にどこ? 濡れてしまった自転車に必要な注油箇所を見る
油分が足りなくなると、金属同士が直接こすれ合って「キーキー」と悲鳴を上げ始め、その状態で乗り続けると摩擦で部品をどんどん削ってしまい、最終的には「もう動けません……」という事態にもなりかねません。梅雨の時期などは、特に潤滑油の状態に注意が必要です。
自転車の潤滑油にもいくつか種類があり、大きくは以下のよう分けられます。それぞれに一長一短があるので、自転車を使う環境に合わせて選ぶ必要があります。
■スプレータイプ:ホームセンターなどでも手に入る一般的な潤滑油です。浸透性が高く、吹きかけるだけで細かい部分にも浸透するので作業は簡単ですが、飛散しやすいので周囲への配慮が必要です。サラサラしているので流されやすく、あまり長持ちしません。
■ドライタイプ(乾式):粘度が低く、乾燥後は薄い皮膜を形成するので砂や埃が付着しにくい特徴があります。雨に弱いので濡れしまったら注油は必須です。ロードバイクなど舗装路での使用に適していると言えます。
■ウェットタイプ(湿式):粘度が高く長時間持続し、防水性にも優れるので雨天走行に強いと言えます。ただその分、砂や埃を吸着しやすく、そのまま乗り続けると金属部品を摩耗させることになるので定期的な清掃と注油が必要です。マウンテンバイクなど、悪路での使用に適していると言えます。
■ワックス系:固形ワックスと溶剤をミックスしたタイプもあります。塗布後、乾燥すると皮膜を形成するので汚れの付着を抑える効果がありますが、流れやすいので定期的な塗布が必要です。
このように様々な種類が存在しますが、日常使いのシティサイクル(ママチャリ)で、自宅で簡易的にメンテナンスするのであれば、スプレータイプを用意しておけばおおよその対応が可能です。
スムーズに跳ね上がらなくなったスタンドの可動部、動きの悪いカギ(鍵穴はNG)など、飛散に気を付けながら注油すると滑らかな動きが復活します。
また、チェーンやギアに注油すれば、驚くほどペダルの漕ぎ具合が変わったことが体感できるでしょう。ただ、前述の通りスプレータイプは粘度が低くサラサラしているので、雨などで流されやすく、効果は長持ちしません。チェーンまわりはしっかり洗浄した上でチェーン専用のグリスを注油すると良いでしょう。
一方で、前後輪のブレーキ周辺など絶対に油を付着させてはいけない箇所もあります。
多くのママチャリでは、前輪のブレーキは金属製の車輪をブレーキシューというゴム製のパーツで挟んで停止させる仕組みになっています。車輪やブレーキシューに油が付着すると摩擦力が低下し、びっくりするほど止まらなくなってしまいます。
後輪のブレーキの場合は、ローラーブレーキやバンドブレーキなどいくつか種類がありますが、いずれも油が付着すると制動力が著しく低下します。
多く使われているローラーブレーキは、内部に粘度の高い専用グリスが封入されていますが、スプレーを吹きかけてしまうと専用グリスが洗い流される可能性があるので注意が必要です。
前後輪のハブ軸、ペダル(クランクの根元)のボトムブラケットも、油を吹きかけることのないよう注意が必要です。いずれの箇所も自転車の中で最もグルグル回転するパーツであり、回転をよくするために内部に小さな鉄球を封入したベアリングが装着されています。
そのベアリングの働きを助けるためにかなり粘度の高いグリスが入っていますが、スプレーで油を吹きかけるとそのグリスが流されてしまうことになるので、注油は絶対に避けましょう。
もしハブ軸やボトムブラケットから異音がする場合は、だいたいグリス切れが原因と考えられるので、分解してグリスアップする必要があります。そこは専門家に相談した方が良いでしょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、注意すべきポイントさえ押さえればすぐに慣れるでしょう。梅雨明けに気持ちよく自転車に乗るためにも、雨に降られた後は忘れずに注油しましょう。(史(ちかし@自転車屋))
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