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歴史的逆転のリベンジ達成。トヨタのオジエ、タナックとの元王者対決を制し今季3勝目【最終日レポート】

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歴史的逆転のリベンジ達成。トヨタのオジエ、タナックとの元王者対決を制し今季3勝目【最終日レポート】

 6月8日、イタリア・サルディニア島で2025WRC世界ラリー選手権の第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』のデイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日曜のみの総合順位でポイントを競う“スーパーサンデー”ではカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が最速となっている。そして、日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5位/スーパーサンデー6位でラリーを終えた。

 地中海に浮かぶリゾート島のサルディニアのグラベル(未舗装路)で行われた第6戦。道幅が狭くアップダウンの激しいスペシャルステージ(SS)を舞台に、デイ2までに半数以上のラリー1クルーにアクシデントが起き、最終日までで優勝候補はオジエとオィット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)のふたりに絞られた。

【最終結果】2025年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後


■オジエ、新ステージで危機一髪

 迎えた大会最終日デイ3は、SS13~16までの4本(計77.78km)が実施。晴れに恵まれた最終日の午前は、20度半ばの気温となり、朝7時25分よりSS13がスタートした。

 この日1本目のSS13は、回り込んだ中低速コーナーが続き、細かなアップダウンも特徴的なレイアウトである。道幅はつねに狭く、さらに前走車の巻き上げる砂煙が視界を遮る状況となったが、ラリー1最後のアタッカーであるオジエがトップタイムをマーク。タナックも2番手に続いたが、ギャップは15.6秒に広がった。

 続くSS14は今年初実施の新ステージで、前半は流れるような中高速コーナーが多く、後半はローギヤを多用する低速セクションで構成されている。激しいアップダウンと狭い道幅に加え、岩によるパンクリスクも高いSSだ。

 ここでは、総合3番手ロバンペラがトップタイムをマーク。注目のオジエは最終ヘアピン手前でバナーと茂みを突き破りながらのアタックとなったものの、0.6秒差で2番手に続いたことでトヨタがワン・ツーとなった。タナックも3番手につけたが、午前の2ステージでふたりの差は19.7秒差に広がった。


■トヨタが開幕戦からの6連勝達成

 この日はミッドデイサービスの設定はなく、一行はそのままループステージの2走目へ。11時ごろには気温32度まで上昇し、路面温度は40度を超えた。暑いなか始まった2走目では、1走目で路面の砂が掃けており、かき出された岩石も増えたコンディションでのアタックとなった。

 2走目は各車のタイム差が縮まったが、走順の遅い選手の方がタイムの良い状況は続き、今度はタナックがステージウインを飾った。しかし、オジエは2.5秒差の2番手タイムをマーク。最終ステージを残したふたりのギャップは、17.2秒差となった。

 迎えたSS16は、上位5台にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。走行が始まる頃には気温は33度に上昇。先頭のジョシュ・マッカーリーン(フォード・プーマ・ラリー1)から、全11台のラリー1がアタックへ向かった。

 そして、壮大な山岳を縫う峠を駆け抜けるSS16でトップタイムを刻み、ボーナスポイントもかかる全開対決を制したのはロバンペラとなった。総合優勝を争うオジエは、ステージ前半で若干のオーバーランをする場面があったものの、リバースギヤを使った素早いリカバーを見せて7番手タイムをマーク。

 タナックは3番手タイムとなり、最終的な総合ギャップは7.9秒となってオジエが総合優勝を飾った。ふたりに次ぐ3位表彰台はロバンペラが獲得した。

 ちょうど1年前のラリー・イタリア・サルディニアでは、パワーステージで首位オジエにタイヤトラブルが起きたことで、0.2秒差でタナックが逆転勝利を飾っていた。この差はWRC史における最僅差として話題となっていたが、1年後に見事なギャップコントロールでオジエがリベンジを達成。5月の第5戦ポルトガルから続く連勝を飾った。

 2025年WRCの次戦は、第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』。1951年の初開催から歴史を重ねてきたこのクラシックラリーは、岩石が多く荒れたグラベル(未舗装路)が特徴のハードな1戦である。第7戦は6月26日(木)から29日(日)にかけて開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年06月08日]

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みんなのコメント

2件
  • jrh********
    今回はロヴァンペラが獲得して良かったが、スーパーサンデーのポイントって要は下位救済の意味しか無いように見える
    普通、1位を独走しているようなドライバーが最後にリスキーなドライブはしないだろう、後ろの方のヒュンダイが一か八かの走りで何となく毎回得しているイメージがある、
    正直スーパーサンデーはやめてしまうか、ポイントそのものがもっと少なくても良いと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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