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世界で1台『マッチのマーチ』が登場!レストア担当は現役の学生たち #TAS2026【日本版編集長コラム#64】

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世界で1台『マッチのマーチ』が登場!レストア担当は現役の学生たち #TAS2026【日本版編集長コラム#64】

マッチのマーチがあなたの街にリターンマッチ

現在開催中の東京オートサロン2026。私も初日を現地取材させて頂いたが、その盛況ぶりは各車のレポートからも伝わってくるかと思う。

【画像】マッチのマーチがあなたの街にマッチする!初代日産マーチを振り返り 全54枚

そんな中で私が気になったモデルが、日産ブースに展示された初代『日産マーチ』(K10型)。ご存知、1982年10月22日にデビューしたFFの3ボックスハッチバックだ。

こちらは日産自動車大学校による『マッチのマーチがあなたの街にリターンマッチ』プロジェクトを通じて、学生たちの手によりレストアされたもの。車両自体は近藤真彦が2024年に購入した5ドアのATで、ご本人が『日産メカニックチャレンジ』で学生たちに「MTに載せ替えたい」と話したのがスタートだった。

初代マーチの車名が公募制で、当時のテレビCMで近藤真彦が『マッチのマーチがあなたの街にマッチする』と放ったキメゼリフはあまりにも有名だろう。そのキャッチコピーをプロジェクト名にも採用したわけだ。

歴史を遡ると、初公開は1981年10月30日から11月10日まで開催された『第24回東京モーターショー』で、その時はまだ『日産NX・108』と呼ばれていた。

こちらはジョルジェット・ジウジアーロが日産へ売り込んだことから始まったという『FF1000cc乗用車』プロジェクトで、そのスタイリングやパッケージは、彼の代表作である初代フォルクスワーゲン・ゴルフ、フィアット・ウーノなどに通じるものがあった。

150万通を超える車名応募

車名の公募が始まったのもほぼ同時で、同年10月27日に概要が発表されている。応募期間は10月29日~12月20日で、決定車応募者の中から30名に実車を賞品ととして贈呈するという、かなり大がかりなもの。ちなみに車名を公募するのは1966年のサニー以来、16年ぶり2度目となった。

この企画は大好評で、11月末時点で150万通(!)を突破。12月1日には、『年末年始の休み中にじっくり車名を考えたい』という要望が大きくなったことなどを考慮して、翌年1月15日までの締め切り延長が発表されている。

その時点で応募が多かった車名は、1位ポニー、2位フレンド、3位ラブリー、4位シャトル、5位スニーカー。ちなみにサニーの時は1位フレンド、2位ポニーの順番だったそう。

マーチの車名が発表されたのは1982年3月13日のこと。応募はがきは565万1318通、車名は216万6458種類と予想を上回るもので、社会的にも大きな話題と関心を集めた結果となった。

日産は公正かつ客観的な審査を期するとともに、新しいFF1000ccの乗用車に相応しい車名を選考するため、『日産1000cc車名審査委員会』を結成。委員長は大来佐武郎元外務大臣が務め、審査委員は森英恵、岡本太郎、竹村健一、中村紘子、黒川紀章、石原裕次郎、松坂慶子、加山雄三、王貞治という、各界を代表する著名人で構成された。

審査は、コンセプトを十分に表現、発音しやすく覚えやすい、商標権上大きな問題がないなどの基準が設けられ、最終的には『マーチ』(MARCH)が選ばれた。『行進する』、『マーチ(行進曲)』、『3月』などの意味を持ち、軽快な躍動感と若々しさがイメージに相応しいことなどが決定の理由となった。

そして、同年10月22日に3ドアの発売を開始。近藤真彦出演によるテレビCMが話題となるという流れだ。今回レストアされた5ドアは、翌1983年9月26日に発売されている。

「新車当時よりもキレイだと思います!」

話は現代に戻って、東京オートサロン2026の日産ブース。今回のプロジェクト統括を担当した日産自動車大学校の学生である中村さんに話を聞くことができた。

会場で車両はリフトアップされ、ミラーでアンダーシャシーが見える状態。その理由を聞くと、よくぞ聞いてくれたという表情で、スクラッチシールド塗装という高級車にも使われる方法をアンダーシャシーも含めて施していることを教えてくれた。「新車当時よりもキレイだと思います!」と目を輝かせる。

約1年前にプロジェクトが発足し、8ヵ月ほどをかけた作業は5校で分担する形で行われた。具体的には栃木校が分解、京都校がボディ塗装、愛媛校がエンジンオーバーホール、横浜校が足まわり&マフラー、愛知校が組み付けとなる。

ATからMTへの乗せ換えは、近藤真彦がもう1台購入した白い初代マーチから移植する形で行われた。今回展示された完成車は既にガレージに納車されており、絶好調とのことである。

ちなみに「ここを見てください!」と嬉しそうに教えてくれたのが、車名ロゴが『MARCH』ではなく『MATCH』になっていること。テールゲートだけでなく、ホイールキャップにも採用しており、まさに世界で1台、『マッチのマーチ』となったわけだ。

様々な夢を持った日産自動車大学校の学生たちが学びながらレストアする過程には純粋さが感じられ、達成したからこその目の輝きがあった。取材後マーチが眩しく見えたのは、どうやら懐かしさや塗装だけが理由ではなさそうである。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • ***********
    レストア作業をして、たくさんの有機溶剤や粉塵があって環境に良くないことを学べたと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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