これから始まる冬のシーズンに、多くのドライバーがお世話になるであろうスタッドレスタイヤ。当たり前にスタッドレスと使っているが、なぜ「スタッドレス」という名前なのか、知っているだろうか。スタッドレスという名前には、日本の社会問題を解決へ導いた素晴らしい歴史が刻まれている。スタッドレスタイヤの性能や導入の歴史を振り返っていこう。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=Vu@Adobestock)
【画像ギャラリー】スタッドレスタイヤの功績ってとんでもなく大きいんだなぁ(3枚)
鋲が無いからスタッドレス
スタッドレスタイヤが日本国内で販売されるようになったのは、1982年のこと。販売の歴史は、まだ40年を少し超えた程度だ。自動車の歴史から見ると、まだまだ歴史は浅いのである。
では、スタッドレスタイヤの登場前に、雪道を走行するために使われていたタイヤといえば何か。それは「スパイクタイヤ」だ。今ではほとんど見ることが無くなったが、ラリーの世界などでは、スパイクタイヤを使用するため、テレビの画面越しに見たことがあるという人もいるのではないだろうか。
スタッドレスタイヤは、スパイクタイヤから鋲を取り除いたタイヤだから「スタッド(鋲)レス(取り除く)」という。滑り止めの鋲を無くしても、特殊なゴムとトレッドパターンで、雪や氷でも滑りにくいタイヤになっている。
スタッドレスに感謝? 砂漠を生み出したスパイクタイヤ
宮城県仙台市で育った筆者が、小さい頃から冬になると言い聞かされていた言葉がある。それは「スタッドレス(タイヤ)はありがたいもの。冬の仙台が良くなったのはコレのおかげ」というものだ。
冬になるとクルマのタイヤが変わるということは、幼少期から知っていたが、なぜこのタイヤに変わった時に、今の70代以上の世代が「ありがたい」というのか疑問だった。
だが、自分でクルマを持つようになり、スタッドレスタイヤを使い、その誕生を紐解いていくと、仙台の人がスタッドレスタイヤに感謝する意味を少しずつ理解し始める。
1970年代には広く使われていたスパイクタイヤが、1980年初頭に公害の原因になっていると問題視された。きっかけは宮城県の地方新聞に掲載された「なぜ仙台の街はほこりっぽいのか」という投書である。
1979年、仙台市は公害白書に、降下ばいじんが冬季に増加していると記した。この粉塵は「仙台砂漠」と揶揄され、冬の仙台市を覆い尽くすようになる。
冬の間の仙台砂漠は、スパイクタイヤが原因だった。冬の仙台市は、気温が下がり夜間凍結などが多いものの、積雪量はそれほど多くなく、舗装路面が露出していることが多い。
この路面をスパイクタイヤで走行すると、アスファルトを削り取り、粉塵として巻き上げてしまうのだ。
しかし、スパイクタイヤは冬季のスリップ事故件数を、その他のタイヤの半分にするというデータもあり、その必要性も同時に叫ばれた。即時スパイクタイヤ全廃とはならず、仙台砂漠の解決策は見つからないまま時は過ぎていく。
仙台砂漠は杜の都へ
公害問題が提起され、スパイクタイヤの代わりを見つける努力が続いた。仙台だけでなく、全国的に粉塵問題が広がる最中、スタッドレスタイヤの性能試験や商品改良が進み、スパイクタイヤの代わりになる目途が立つ。
問題提起からおよそ5年後の1985年、宮城県が全国で初めてのスパイクタイヤ対策条例を制定した。これを皮切りに全国でスパイクタイヤ規制の条例が制定されていく。1990年には国が動き、スパイクタイヤ粉塵の発生の防止に関する法律」が発布され、スパイクタイヤの原則使用禁止が明記されることになる。
スタッドレスタイヤが当たり前になった現在、冬季の粉塵に悩まされることはない。「仙台砂漠」は「杜の都仙台」へと生まれ変わっている。
当たり前に氷や雪でも走行することができるスタッドレスタイヤが、同時に日本全国の冬をクリーンな環境に変えていることを知ってほしい。素晴らしい技術によって暮らしが支えられているということを、スタッドレスタイヤの装着で思い返してみるのもいいと思う。
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みんなのコメント
色々と興味深い成果が得られたのですが、記事にもあるようにスタッドレスタイヤが普及したため、プロジェクト自体が解散となりました。当時から仲間内では「こんな研究は早く不要になればいい」と話していたのを懐かしく思い出します。