5月のF1エミリア・ロマーニャGPで初投入されて以来、ピレリの最も柔らかいコンパウンドであるC6タイヤには賛否両論の評価が下されてきた。しかし同社は、ドライコンパウンドを6種類用意するというアイデアにこだわり続けている。
しかしC6タイヤのパフォーマンス特性については、次に柔らかいC5タイヤと比較した際のタイムゲインなど、改善が必要な部分もあるという。
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「C6コンパウンドは役割を十分に果たしていたと言える」
そう語るのは、ピレリのモータースポーツディレクターであるマリオ・イゾラだ。
「特にカナダでの予選はとても良かったと思う」
「C6はC5に非常に近いが、挙動は異なる。チームはC6を完全に理解するのに苦労している。チームはC5の方がよく理解していて、C5はドライバーに自信を与えてくれる。しかしC6のパフォーマンスはわずかに優れている。C6のパフォーマンスピークを見つけることができれば、アドバンテージを得ることができる。難しいこともあるけどね」
C6コンパウンドは事実上の予選タイヤとなり、チームはミディアムやハードタイヤのコンパウンドを決勝レースに使うことができる。
C5コンパウンドは、それまで最も柔らかいタイヤとして設定されており、昨年はほとんど長持ちすることがなかった。そのため、ピレリは2025年にこのコンパウンドを投入する際には2ストップ戦略が主流になると想定していた。
しかしピレリは、タイヤが敏感過ぎると感じていたドライバーたちからのフィードバックにも応えた。ドライバーたちは、タイヤマネジメントを長く続けるよりも、よりハードにプッシュすることを望んでいたのだ。
その結果、今年のコンパウンドはデグラデーション(性能劣化)がしにくく、チームは1ストップ戦略を取ることができるようになった。
いくつかのグランプリは“流れ作業”のようなモノとなり、それと並んでC6タイヤには予想以上の問題があることが判明した。その理由は、C6タイヤからピークパフォーマンスを引き出すことができなかったり、あるいはピークがあまりにも早く過ぎ去ってパフォーマンスの“崖”を迎えたり、ということがあったからだ。
また路面温度が高くなると、ドライバーからはC6タイヤからのフィードバックに戸惑いを感じたという声も挙がった。そのため、エミリア・ロマーニャGPやカナダGPの予選では、より慣れ親しんでいて安定感のあるミディアム扱いのC5タイヤを使用するドライバーもいた。
「カナダでは、予選でC5を好んで使うチームやドライバーもいた。彼らはC5の方が手に馴染んでいるからね」とイゾラは言う。
「しかし、それが異なる状況を生み出し、また各チームがミディアムやハードを多めに用意してレースに臨んだことも事実だ」
「通常、予選でソフトを使わなければならない場合、ハードタイヤ1セットとミディアムタイヤ2セット、あるいはハードタイヤ2セットとミディアムタイヤ1セットのどれかから選ばなければならない。レースでハードとミディアムを使いたい場合でも、これでは戦略の柔軟性を十分に発揮できない」
「カナダでは、予選でミディアムを履いたドライバーがいたことで、彼らはレースにミディアムを持ち込んだ。異なる戦略が生まれたのだ」
つまり、C6タイヤが期待されたほどの効果を発揮していないとはいえ、ピレリが勝利と主張するのに十分な影響を与えているようだ。
とはいえイゾラは、ピレリが以前発表したシンガポールにC6タイヤを持ち込む計画を撤回する可能性があることを認めた。
「いつものように、我々はシミュレーションを行ない、総レース時間の僅かなタイム差の中で最も多くの戦略を生む選択肢を見つけることになる」とイゾラは言う。
「シンガポール(の路面)は少しアグレッシブなところがあるから、シンガポールで使うかどうかまだ分からない。寒さが厳しいベガスで使う可能性はまだある」
C6タイヤがピレリの思い通り、明確な戦略の差を生み出して、1ストップレースよりも魅力的なモノにするためには敏感さを削りつつ、さらに重要なこととして、C5と比べた際の予選ペースを大きく引き上げる必要がある。
「私が将来的に望むのは、C5よりもギャップのあるC6だ」とイゾラは言う。
「今は0.2秒くらいだから、少なくとも0.5秒は必要だ」
「今と同じようなデグラデーションレベルで、さらにアグレッシブな走りをすることができるタイヤなら、様々な戦略を生み出せる。来年に向けて、我々はこの目標を掲げてC6に取り組んでいる」
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みんなのコメント
工業品としては漠然としすぎる要求に応えるとか
現代レースに関わる企業は大変だなあ
コンパウンド数を増やすよりブリヂストンに帰ってきてもらった方が面白くなる。