現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【比較試乗】スズキ新型ハスラー NA/ターボの走りは? 内装/安全装備を評価 

ここから本文です

【比較試乗】スズキ新型ハスラー NA/ターボの走りは? 内装/安全装備を評価 

掲載 更新 14
【比較試乗】スズキ新型ハスラー NA/ターボの走りは? 内装/安全装備を評価 

どんなクルマ?

text:Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

【画像】新型スズキ・ハスラー【詳細写真】 全92枚

photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

2014年1月に販売を開始して以降、ファッショナブルな軽ハイトワゴンとして高い人気を誇ってきたスズキ・ハスラー。その販売台数は2019年11月末時点で約48万台に達していたというから、スズキにとってそれは重要なコア・モデルであったといってもよいだろう。

そのハスラーがフルモデルチェンジされ、セカンド・ジェネレーションへと進化した。

「遊べる軽」という基本コンセプトはそのままに、また市場で大成功を収めた初代を引き継ぐモデルを誕生させることは、開発陣にも大きなプレッシャーだったはずだが、実際に姿を現した新型ハスラーは、最初から成功が約束されたとも感じる、きわめて魅力的なモデルに仕上がっていた。

新型ハスラーは、「ハーテクト(HEARTECT)」と呼ばれる新プラットフォームの採用に始まり、そのほぼすべてを前作から刷新した、完全なニューモデルだ。

エクステリア・デザインは、軽自動車の規格を有効に使い切るかのように、ルーフラインやショルダーラインは、より直線的なデザインとなり、AピラーとBピラーはボディと同色にペイントされるようになった。

またリアクオーターは新型ではウインドウが追加され、室内からの視界を向上させるともに、エクステリアでの高級感をより高めている。

2代目の車内を検証

さらにこのハスラーにはエクステリアに関するものだけでも多数のオプション装備が用意されているから、購入前の楽しみというものは限りなく大きい。

参考までにボディカラーは前作から2色の新色が追加され、全11色が揃う。インテリアは3色が基本となり、外装色との組み合わせパターンは決まっているが、受注生産で異なるコンビネーションを選択できる。

そのインテリアは機能的であるとともに、やはり遊びの感覚に満ち溢れている。

インパネは3連のカラーリムをレイアウトしたもので、左側のインパネアッパーボックスはさらにその容量を拡大。センターにメーカーオプションで装着できるメモリーナビゲーションは、9インチのHDディスプレイによる操作性の良さとともに、スマートフォンとの連携も可能とされているのが特長だ。

室内のスペースはさらに広くなった。これはホイールベースが2460mmと、前作から35mm延長されたことが大きな理由。とりわけヘッドクリアランスや前後左右の乗員間距離の拡大は長距離の移動には嬉しい。

ラゲッジスペースにもさまざまな工夫が見られ、後席を荷室側からスライド可能であることや、防汚タイプのリアシート背面/ラゲッジフロアを採用していることなどは、その代表的な例といってもよい。

エンジン/運転支援装備は?

新型ハスラーが搭載するエンジンは2タイプ。自然吸気の657cc直列3気筒(49ps)と、658ccのターボ付き直列3気筒(64ps)がそれだ。

R06D型と呼ばれる自然吸気エンジンは、今回新開発されたもので、デュアルインジェクションやクールドEGRなど、スズキ軽として初の技術を使用することなど話題性は大きい。さらにすべてのエンジンにはマイルドハイブリッド・システムが組み合わされ、R06Dエンジンを搭載する「ハイブリッドG」と「ハイブリッドX」のFWDモデルではJC08モードで30.4km/Lという好燃費が実現されている。

マイルドハイブリッドは最高出力で2.6ps(自然吸気)、3.1ps(ターボ)のエレクトリックモーターを使用するものだ。組み合わせられるミッションはCVTとなっている。

運転支援システムやインフォテインメントシステムの充実も素晴らしい。運転支援に関しては予防安全技術として最新世代の「スズキ・セーフティ・サポート」を導入。

非装着車がメーカーオプションとしてカタログに載るのは残念だが、デュアルカメラブレーキサポートと後退時ブレーキサポートからなる衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能(NAを除く)、後方誤発進抑制機能、車線逸脱抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、標識認識機能、全車速追従式アダプティブ・クルーズコントロール(NAを除く)等々からなる、軽自動車としては最高水準の運転支援システムなどが搭載されているのだ。

軽量衝撃吸収ボディのTECTも見逃してはならない衝突安全技術といえる。エアバッグは運転席、助手席に加えてサイドとカーテンも標準。これで自然吸気モデルでも同等の運転支援装備が搭載されるようになれば、日本の軽自動車は、真に世界に誇るべき存在となるのだろうが。

どんな感じ?

「スズキ・ハスラーが、もうフルモデルチェンジなのか……」

その発表会、そして試乗会の案内を手にした時、初代ハスラーがデビューしたのは、まだ数年前の話じゃないかと考えた。もしかしてマイナーチェンジなのかもしれないな。そう思って調べてみたら、初代ハスラーのセールスが本格的にスタートしたのは2014年。それから実に48万台ほどのセールスが達成されていた。

それでも初代ハスラーに古さを感じさせなかったのは、その若々しく、また時にはスポーティで、また可愛らしくも見えるエクステリア・デザインと、それを使ったら何ができるのかという新しいライフスタイルを考えるという楽しみがあったからなのだろう。

フルモデルチェンジを受けて誕生したセカンド・ジェネレーションのハスラーもそうだが、カタログと同じくらいに楽しいのは、そのアクセサリー・カタログ。好みのものをどれもこれもと選んでいくと、最終的には軽自動車とは思えないプライスにはなってしまうけれど、それは輸入車の世界などではよくある話だし、何より遊びの楽しさには変えられない。

ディーラーにハスラーを見に行ったら、必ずこのアクセサリー・カタログを手にしてほしい。ちなみにその厚さはカタログとまったく同じ、全43ページもある。

試乗:前輪駆動のNA

まずは売れ筋モデルとなるだろう、自然吸気エンジンを搭載する「ハイブリッドX(写真黄)」から試乗する。

駆動方式はFWDと4WDが選べるが、試乗車はFWD。車重は820kgと発表されており、これに大人3人プラス、カメラマンの荷物を搭載してスタートする。

遠目にもそれがハスラーであることが分かる特徴的なフロントマスク。ショルダーラインやその下のプレスラインでより力強さを演出したというエクステリア・デザインは、たしかにこのモデルのタフネスさを物語っているようだ。

運転席に身を委ねてドアを閉める。その時の音にもさらなる高級感が生まれてきた。そして驚かされたのがインテリアのフィニッシュ。さまざまな素材が使用されることでやや統一感に欠けるのは惜しいところだが、機能性や実用性といった点では最新の軽自動車たる魅力を感じる。

特に印象的だったのは、やはりセンターのディスプレイで、ついに9インチにまで拡大されたスクリーンには、さまざまな情報にアクセス可能であるほか、スマートフォンとの連携によって使い慣れたアプリを使用することもできるという。

なるほどハスラーは、さらに遊ぶクルマとしての魅力を大きく高めたわけだ。逆に考えれば、遊びの予定もなく独りで乗るハスラーは寂しい。

ハーテクトと電動化

搭載される新開発のR06D型エンジンは、ストレスなくハスラーを加速していく。中速域でエンジンノイズが高まる領域があるのはやや気になるが、パワーフィールは悪くはない。

マイルドハイブリッドが効果を発揮する領域が、より高速域まで拡大(従来型約85km/h→新型約100km/h)されたことなどで、さらにスポーティでストレスを感じなくなったのだ。

乗り心地にも十分な落ち着きがある。今回のシチュエーションは、ほぼこの新型ハスラーにとっては最大に近いウエイトを負担してのものということになるのだろうが、新開発されたプラットフォームや、ボディ全体の剛性を大幅に高めたことで、上質感を得ることができたのが理由としては大きいようだ。

静粛性も軽自動車の中では魅力的なように思う。

試乗:四駆のターボ

続いて試乗した「ハイブリッドXターボ(写真青)」は、さらにスポーティな印象を感じさせてくれるモデルだった。

パワーユニットの最高出力は64ps。これだけのパワーがあれば、高速道路などでその流れをリードして走ることも難しくはない。直進安定性はもちろん十分に満足できる域にあるが、残念ながらそのデザインが影響しているのだろう、試乗当日に吹いていた横風にはやや弱いという印象だった。

ステアリングはノンターボモデルと同様にとても自然で、そこからロールが発生して再び収束する一連の流れにも、不自然さや怖さを感じることはない。フロントガラス幅の拡大やリアクォーターガラスの追加によって前後左右の視界が広がったことも、ワインディングロードなどではドライバーには大きな魅力となるだろう。

そしてターボ車といえば、やはりスズキ・セーフティ・サポートの実力をチェックしなければならないわけだが、こちらもその核となるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の制御は、前走車の追従に関しては、どのようなシチュエーションでも十分に満足できるものだった。

ただし車線逸脱抑制については、やはりまだ今後の熟成が必要というのが正直な感想。さらなる進化に期待したい。

「買い」か?

最新世代の軽自動車、思わずライフスタイルの変化を想像したくなる軽自動車。これから軽自動車を購入しようと思うのならば、このスズキ・ハスラーを購入ターゲットの1つとしない理由などないだろう。

エンジンは自然吸気で十分だが、ACCの選択ができないのは残念。グレード選びに迷うところだ。

ハスラー・ハイブリッドX(2トーン仕様:2WD)

価格:156万2000円
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1680mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:25.0km/L(WLTCモード)
CO2排出量:92.9g/km
車両重量:820kg
パワートレイン:直列3気筒657cc+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):49ps/6500rpm
最大トルク(エンジン):5.9kg-m/5000rpm
最高出力(モーター):2.6ps/1500rpm
最大トルク(モーター):4.1kg-m/100rpm
ギアボックス:CVT
乗車定員:4名

ハスラー・ハイブリッドXターボ(2トーン仕様:4WD)差分のみ

価格:179万800円
燃費:20.8km/L(WLTCモード)
CO2排出量:111.6g/km
車両重量:880kg
パワートレイン:直列3気筒ターボ658cc+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):64ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):10.0kg-m/3000rpm
最高出力(モーター):3.1ps/1000rpm
最大トルク(モーター):5.1kg-m/100rpm

こんな記事も読まれています

ホンダ『N-VAN』一部改良、急アクセル抑制機能を装備…アウトドアスタイルの特別仕様も
ホンダ『N-VAN』一部改良、急アクセル抑制機能を装備…アウトドアスタイルの特別仕様も
レスポンス
【フロントライン】ウッドセクションに8000時間、組み立てに5カ月を要する最高傑作。3作目のコーチビルドコミッション「アルカディア・ドロップテール」を発表
【フロントライン】ウッドセクションに8000時間、組み立てに5カ月を要する最高傑作。3作目のコーチビルドコミッション「アルカディア・ドロップテール」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
5年ぶり開催のF1中国GP、路面は再舗装ではなくペイントしただけ? 複数のドライバーが不安視。サインツJr.「特殊な状況で処理されているみたい」
5年ぶり開催のF1中国GP、路面は再舗装ではなくペイントしただけ? 複数のドライバーが不安視。サインツJr.「特殊な状況で処理されているみたい」
motorsport.com 日本版
フォードワークスのマイク・ロッケンフェラーがポルシェ963のシートに“復帰”/IMSA
フォードワークスのマイク・ロッケンフェラーがポルシェ963のシートに“復帰”/IMSA
AUTOSPORT web
「中国GPは厳しい週末になる」とマクラーレンF1代表。マシンとコースの相性に懸念を示す
「中国GPは厳しい週末になる」とマクラーレンF1代表。マシンとコースの相性に懸念を示す
AUTOSPORT web
現状打破を急ぐアルピーヌ、中国GPでふたたびのアップデート。オコン車に1戦前倒しで新フロア投入へ
現状打破を急ぐアルピーヌ、中国GPでふたたびのアップデート。オコン車に1戦前倒しで新フロア投入へ
AUTOSPORT web
中古バイクの「メーター巻き戻し」疑惑 リセールバリューに直結する大問題はどうやって解決されている?
中古バイクの「メーター巻き戻し」疑惑 リセールバリューに直結する大問題はどうやって解決されている?
バイクのニュース
日産とホンダが歴史的な提携に向けた話し合いを開始!! 組み合わさると強い分野と超絶合わないところ
日産とホンダが歴史的な提携に向けた話し合いを開始!! 組み合わさると強い分野と超絶合わないところ
ベストカーWeb
基本はMTだけどクラッチペダルの操作不要! 各社が工夫を凝らしまくった「個性派セミAT」の世界
基本はMTだけどクラッチペダルの操作不要! 各社が工夫を凝らしまくった「個性派セミAT」の世界
WEB CARTOP
メルセデスの“秘蔵っ子”17歳アントネッリ、2021年チャンピオンマシンで初テスト。ハミルトン後任で来季F1昇格の噂も
メルセデスの“秘蔵っ子”17歳アントネッリ、2021年チャンピオンマシンで初テスト。ハミルトン後任で来季F1昇格の噂も
motorsport.com 日本版
6速MT設定! ホンダが「新型軽商用バン」を発売! めちゃ「上質内装」×精悍“黒顔”採用の新モデルも登場! 機能向上した「N-VAN」約137万円から
6速MT設定! ホンダが「新型軽商用バン」を発売! めちゃ「上質内装」×精悍“黒顔”採用の新モデルも登場! 機能向上した「N-VAN」約137万円から
くるまのニュース
警察庁、大型トラック・バスにAT限定免許を新設 2026年4月から順次導入
警察庁、大型トラック・バスにAT限定免許を新設 2026年4月から順次導入
日刊自動車新聞
アクラポヴィッチ製「レース専用マフラー」に MT-09(24)用など新製品が続々登場! アクティブで予約受付中
アクラポヴィッチ製「レース専用マフラー」に MT-09(24)用など新製品が続々登場! アクティブで予約受付中
バイクブロス
軽量・低背圧・静粛性を高次元で融合、HKSからGRヤリス用「スーパーターボマフラー」が新登場
軽量・低背圧・静粛性を高次元で融合、HKSからGRヤリス用「スーパーターボマフラー」が新登場
レスポンス
ハーレーの最新モデル10台が登場! 特別試乗会「ハーレートライディング in 羽生モータースクール」が5/5開催
ハーレーの最新モデル10台が登場! 特別試乗会「ハーレートライディング in 羽生モータースクール」が5/5開催
バイクブロス
ウイリアムズのスペアパーツ不足、アタックしない理由にはならない! アルボン、日和るなら「家にいたほうがいい」
ウイリアムズのスペアパーツ不足、アタックしない理由にはならない! アルボン、日和るなら「家にいたほうがいい」
motorsport.com 日本版
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
くるくら
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
くるまのニュース

みんなのコメント

14件
  • まだ好燃料などというクソワードを使うジャーナリストがいることが残念。
    燃料消費が少ないことが必ずしも好ましいとは限らないし、変換にも出ない間違った言葉はなくすべき。
  • 後席がフルフラットなるのは使えそうですねぇ
    汚れものも気兼ねなく載せそうだし?

    しかし、なんで中華製コピーGショックのような安っぽいインパネに?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.8316.9万円

中古車を検索
ハスラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.8316.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村