■“リュクス=上質”を追求したコンパクトカーの新たな頂点
ホンダ「フィット」は、2001年に登場した初代から常に「小さくても広く、賢く使える」クルマとして、多くのユーザーに支持されてきました。
【画像】超カッコいい! これがホンダの「ちいさな高級車“LUXE”」です! 画像で見る(30枚以上)
2020年に登場した4代目では、単なる道具としての価値を超え、「人の心地よさ」に重点を置いた開発思想が採用されました。
なかでも、最も高いレベルで“人の心地よさ”を具現化したのが、最上級のプレミアムグレード「LUXE(リュクス)」です。
フィット LUXEのボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1540mm(FF)と、都市部でも取り回しやすい寸法を維持。センタータンクレイアウトの恩恵により、クラストップレベルの広い室内空間を確保しており、コンパクトながらも狭さを感じさせません。
運転席からの視界も、極細Aピラーの採用により大きく開かれ、運転時の安心感と開放感が両立されています。
外装デザインは、メッキパーツのあしらいや16インチ専用アルミホイールなど、上質さを意識した控えめな装飾が施されており、「高級感のあるコンパクトカー」という立ち位置を明確にしています。
中でも、「シーベッドブルー・パール」などの淡く洗練されたカラーは、上品さをさらに際立たせています。
インテリアは本革シートが標準装備され、標準仕様はシックなブラックでまとめられています。
しかしLUXEの真価をさらに高めるのが、メーカーオプションとして設定されている「ライトブラウン」の内装色です。
このオプションを選択すると、シートだけでなくダッシュボードやドアパネル、さらにはシートベルトまでが専用のブラウン系カラーでコーディネートされ、Bセグメントとしては異例の高級感を演出します。
パワーユニットは、1.5リッターガソリンエンジンまたは、2モーター式ハイブリッド「e:HEV」の2種類。
ハイブリッドはモーター主体で走行し、アクセル操作に対する応答性と静粛性に優れており、街乗りでも長距離でも快適なドライビングフィールを提供します。
装備面では、先進運転支援機能「Honda SENSING」を全車標準装備し、衝突軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなど先進の安全支援機能を網羅。
そのほか、ステアリング&シートヒーター、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、Qiワイヤレス充電器など、上級車にも引けを取らない快適装備がそろいます。
2025年7月の価格改定により、価格(消費税込み)はガソリン仕様が237万500円、e:HEV仕様が271万9200円となりました。
Bセグメントとしては高価格帯に位置しますが、それだけの装備と素材、仕立ての完成度を備えており、「高級小型車」というジャンルにふさわしい内容となっています。
プレミアムなフィット LUXEは、大きな高級車からの乗り換え層や、上質な1台を求める都市部ユーザーにとって、非常に魅力的な存在です。
燃費や維持費といった合理性だけでなく、使うたびに“心が満たされる”感覚を得られるクルマとして、「ちょうどいい贅沢」を体現しています。
また、LUXEという名称そのものが「贅沢」「優雅さ」を意味することからも分かるように、単なる装備の足し算ではなく、ドライバーや乗員の感性に響く“上質の体験”こそがこのグレードの核となっています。
走り出した瞬間の静けさ、優しく背中を支えるシートのフィット感、視界の広さと室内の明るさ。これらすべてが調和し、日常の移動に「気持ちの余裕」を与えてくれるのです。
こうした特性は、単にクラス内で上級志向を満たすというだけでなく、かつて「シビック」や「インテグラ」に乗っていた層が、人生のフェーズに合わせて“スマートな高級車”を求めたときに自然と選びたくなるモデルとして機能します。
日常の足として扱いやすく、必要なときには十分な走行性能を発揮し、見た目にも満足感がある。そうしたバランス感覚が、フィット LUXEの真価といえるでしょう。
小さいけれども、手抜かりがない。主張しすぎず、でも確かな質感を感じる。そんな絶妙なバランスこそが、フィット LUXEが“格上志向の新しい日常車”として支持される理由です。
高級車は「大きくあるべき」というこれまでの価値観を覆す存在として、このモデルは新たな選択肢の象徴になっています。(佐藤 亨)
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みんなのコメント
人は見た目が1番は本当だったんだな・・・