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渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC

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渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC

 FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦している渥美心は、2023年の最終戦ボルドール24時間からヨシムラSERT Motulに加入した。2024EWC第1戦ル・マン24時間では同チームから2度目の参戦となったが、日本での経験を活かして予選はトップタイムで終えており、ピットから見守った決勝レースでは学ぶことがあったという。

 4月20~21日にかけてフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットでEWC第1戦ル・マン24時間が開催された。昨年の最終戦からヨシムラSERT Motulに加入して、今季も正式に起用された渥美も開幕戦ル・マンにエントリーした。EWCで同チームから参戦するのはこれで2度目だが、その間に同チームから全日本ロード最終戦と開幕戦を鈴鹿で戦い、テストも行ってきた。

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 ル・マンで乗ったスズキGSX-R1000Rは「仕上がっていました」と渥美。オフシーズンに国内で渥美がバイクの開発をしたものをベースに、スペインのヘレスとバレンシアでレギュラー陣であるグレッグ・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフットの3人がテストをしてからル・マン公式テスト、そしてレースウイークを迎えていた。

「鈴鹿で乗った感触と同じでしたが、しっかりとル・マンの環境にもアジャストされたものになっていて、最初から攻められたと思います。ル・マンの(SSTクラスでの)自己ベストタイムもすんなりと計測2周ぐらいで超えられるくらい攻められました」

 また、ボルドール24時間でも自己ベストタイムはすぐに更新できたというが、「ボルドールではその先のペースを記録するには走らせ方がわからないという問題がありましたが、ル・マンではそこがクリアになっていて、このバイクを速く走らせる方法が理解できてきたという自分の成長も感じられました」とボルドール後も、日本でのレース参戦やテストをしていた成果が出たと渥美はいう。

 また、ル・マンからの成長は新しいクルーチーフのニコラス・レーニエの存在も大きかったという。彼はMotoGP、近年はMoto2の現場で働いていたスタッフだがヨシムラSERT Motulに就くことになった。

「いろいろなセッティングをうまく試していったり、データ比較もすごく親身になってくれました。指摘だけではなく、その手前にはこういうことがあり、もう少しこうしてていかないといけないと他のライダーと比べてうまく走らせられないというように、丁寧にそしてすぐに教えてくれました。すごくやりやすかったし新しいチームにも馴染めた事前テストとレースウイークでした」

 そんななか、予選では1回目と2回目ともにグリーンライダーのトップタイムの1分36秒327を記録。第4ライダーを擁すYART - YAMAHAのロビン・マルハウザーの1分36秒820やBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMのハンネス・スーマーの1分36秒879と比較してもコンマ5秒ほど速いタイムだ。

 予選1回目の最後には転倒を喫してしまい「少しフィーリングが良くなかったですけど、そこで行き過ぎてしまったのが原因です。第4ライダーとしてはセーブすべきだったという反省はありますが、ただその問題は他のライダーたちも抱えていたことだったので自分が身をもって証明した形になります」ともいう。

 決勝レースではSSTクラスは今年から3~4人まで戦えることになったが、EWCクラスは例年通り3人までのため渥美はレースをピット内で見守り、さらに今後ライダーとして走れるように学んでいた。

「ボルドールの時より差が縮まったと思います。しかし、もうワンランク上げていかなければと思っていましたが、もっと何か努力が必要だなと思いました。1周差くらいで1番手と2番手で争っていたので、本当に終盤1~2時間くらいになるまでチームメイトたちは手を緩めなかったですし、ペースが落ちなくて、後から話を聞いても体力は全然平気だけど作戦を立てて走らなければいけなくて集中力が必要で頭が疲れたねと言っていました」

「自分も自信を持った状態でレースに挑めるように改めて準備をしていきたいと思いました。ル・マンは特に日本のコースと比べてグリップが低いので、タイヤとかの条件も少し違い、今まで日本ではやっていない走り方をしないといけないことも重々わかったので改めて課題として取り組んでいきたいです」

 渥美は、第2戦スパ8時間では帯同しない予定ではあるが、鈴鹿8耐ではレギュラーライダーとして起用される可能性も高い。全日本ロード第1戦鈴鹿2&4では表彰台圏内を走行していたため、次の活動も目が離せないだろう。

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